絶望してて草ァ!

 後日。正確にはあれから3日目。山田くんの家にいます。よくある2階建。


「外見も中身もフツーだねぇ」


「山田はパッとしない」


「こいつら……」


 俺とゼロの評価はパッとしねぇ普通。万人がそういうやろなぁ〜。


「さて、では何から話します?」


「あ、僕から皆さんに報告が」


「なになに〜?」


「はやくはやくー」


 ゼロとは気が合いそうだ。


「えー、ダンジョン協会と政府がなんらかの議論をした結果、『ファースト・テスタ』という名前で世界初の攻略者の公式のチームになってもらいたいとのことです」


 一発目のお試しチームってコト…!?所詮その程度の関係だったってことなのね!


「あと、配信もグループとしてやってほしい、そうです」


「個人の配信のアカウントはどうなる?消すのは嫌だぜ?」


「そこは自由で良いそうです」


 ヤーハー、アカウント名もファースなんたらかんたらになるのカナ?


「リーダーは誰になるんですかー」


「リーダーは、誰にします?」


 なんだよ決まってなかったのかよ。


「わたしは辞退する。正直、このメンツの手綱なんて引けないし、引きたくない」


 ゼロは自主棄権ということで。なら俺もー。


「俺も無理ぽ。配信なんて見たことねぇし、リーダーとかぜってぇできないし」


「私も、辞退します。先頭に立つのは苦手でして…」


 サキちーも辞退だねぇ。残るはキョウとサムライと山田だな。

 はたして誰になるかナァ!!


「俺も向いてないから辞退する。目立つのは良いが、面倒なのは嫌いだしな」


 黄金玉ゴールデンボールでジャグリングしながらキョウが自主棄権!さぁ予想通りの結果になってきたゾ!


「儂とお主だけになってしまったなぁ!まあ、儂も柄じゃないからの、リーダーにはなれぬ!任せたぞ山田!ハッハッハ!」


「笑い事じゃないですが?僕も嫌なんですけど…」


「どんまいどんまい。適性が高いのが悪い」


「そう。山田は面倒事押し付けるのに丁度良すぎるから。自業自得」


「は?自業自得は意味わからんですが?」


「ツッコミ色が強いから、尚更だな」


「そういう星の元に生まれたと思って諦めるしかないのぉ!」


「えっと、頑張ってください」


「サキさんまで……終わった…」


 絶望してて草。

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