殺っちゃうゾ☆
やぁ!第六層でゴブリンを潰してる、俺だよ!!茜ちゃん達?出入り口まで送ったよ。危ないから一緒に出ましょう!とかめっちゃ言われたけど、今回は腕試しに来たからね。上層チラ見で終わるわけにはいかんのよ!!ってことで断った。
それにしてもゴブリン多いですねー。数増えた気がするよ☆でもまあ所詮は雑魚なんでね。苦もなく第七層への階段を見つけるんだよね。
「タイムは5分!縮まったかどうかわかんねぇ!」
実は俺、今まで自力で数えてたんだよね。でもやっぱストップウォッチっていう文明の力があるんだからつかわな損やなって。まあ結構雑だから大体5分くらいかなぁって。
てことで早速第七層へGO!
…………………………
…………………
…………
このダンジョンって実はさ、かなり短めで第二十層しかないんだよね。んで、今俺はその折り返しであり、中ボスが出てくる第十層にいるんだよね。
「ぱったりゴブリンいなくなったやないかー」
さっきまでは馬鹿みたいにいたってのに、急にいなくなった。
「これは、怪しいですゾォ?」
どうやら第十層は草原のようだ。それまでは森だったのに。つっても視界が開けてるわけでもなく、生えてる草全体が腰あたりまである進みにくい仕様。普通なら隠れたり罠作るなりしてきそうなものも、現在ではそれら全ての利点を投げ捨てたものが中央辺りに。
「あれ絶対ゴブリン大量発生の原因ですやん」
そこには、見ただけでSUN値マイナス3されそうなグロテスクなナニかがあった。言葉で表すならゴブリンをドリルの形をした容器のミキサーで原型をところどころ残す感じにぐっちゃぐちゃにして、それを『ウ゛ン゛ッ゛』って固めたかのようなクソみてぇなオブジェ。
あの見た目だけで怪しいのに更に障気みたいな黒いモヤを出してて、更に更に近くに185センチの成人男性が通れるくらいの穴が空いててそこに黒いモヤが吸い込まれていってる。
「絶対元凶ですやーん。キモすぎですやーん。最悪ですやーん。よし…ブチ殺したらぁよ!!!!」
いきなりキレたように見えるだろ?実は第四層くらいからプッツンしてた。平静を装っていたのはなんとなく。
こっちは腕試しで来てんねやぞ!なのにクソ雑魚ゴブリンばっかよこしやがって!うざったしんじゃい!
「行っくゾー☆ンンンン...ッといっ!!」
中腰で、脚に力を溜めて、斜め後ろへ開放するように地面を蹴る。地面スレスレを飛ぶことによりなんと顔面に草がワシャワシャワシャワシャ!
「ドブリャブリャリャブリヤッブア!」
咆哮なんてしようものなら口の中に草が入ってくる。当たり前すぎて笑える。
クソオブジェに近づいて殴ってみた!
伸びなそぉ〜。
「ふぁ?」
このオブジェの周りの草は全て腐ってる。近づかないとわからんもの。いかんせん草が高すぎて。それに対し『うわきしょ』とか思いながらクソオブジェを殴ると、伝わってきた感触はまるで流水を殴ったかのような感じ。音も『パシャッ』とかなったし。
そのまま開いた穴を通って反対側にでる。
「はぁ〜?硬そうなのに全然液体じゃねぇか。でも固まってんじゃねえか。うーん?不思議パワーすげぇぇ」
じっちゃんがこういう時はよく観察したほうが良いっていってた。会ったことないけど。
よく観察して気付いた。
「殴り飛ばした液体水色になってね?」
あのグロテスクな色とかなんやらかんやらはなんにもない。あるのは透き通った水色のみ。水でもねぇじゃねぇか!なんだこれ。
「はぁ〜〜?????意味わっかんねぇ。俺頭脳派じゃないんだけど」
よくわからんなぁ…ん?あれ?
「なんかちょっと縮んでね?」
気のせいか?
じっくり見てみたけどやっぱり縮んでる。
「ふむ…なるほろ?貴様液体なのか。液体の一部を吹き飛ばしたから縮んだのか…ほうほう?つまり、勝つまで殴ればいいってことねなるほど」
そうとわかれば簡単や!殴ればいいなんて、なんて単純な方法。
「よーし、頑張るぞ〜☆」
クソキモオブジェ改め、ナゾパワー水に向かって突っ込んでいく。
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