第6話

「人は自分が正しいと思えば思うほど辛くなる」6


 お風呂から出たマミは見違えるように可愛くなった。

「マミちゃんめっちゃ可愛いじゃん」

マミは少し照れている。

「一緒にハンバーグ作ろうか」

マミは頷いた。


 二人で作ったハンバーグはボロボロで私は料理が苦手なのを思い出していた。

「ボロボロになっちゃったね。ごめんね」

私はマミに謝った。美味しいハンバーグを食べさせてあげたいと思ったけどそれは無理であった。

「美味しい」

マミはスプーンで挽肉の炒め物になったハンバーグを食べて言ってくれた。

「ありがとう!今度は上手に作るからね」

マミは笑っている。

 私は嬉しくなった。励まそうと思った私がマミに励まされている。


「高木さん話があるのですが…」

上司に電話した。夜の十一時である。

「鏡かぁ聞いてるよ~笑えるよな!」

「マミちゃん…子供を預かるとこになりまして」

「聞いてるよ!子持ちおめでとう!未婚の母だな!ガハハ」

電話越しに大笑いしている。恐らく飲み屋であろう。

「三日くらい休ませて貰っていいですか?」

「了解!了解!その子供の母親に鏡の日当を請求するからよ!」

「はぁ…まぁ、取り敢えずありがとうございます!」

私は電話を切ってベッドで眠るマミを見つめた。

 明日はマミの服と靴を買ってあげよう。ユニクロって子供服あるのかな…。

 ビールと枝豆スナックを嗜みながらパソコンを開いて仕事を始めた。


つづく

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