第7話

よく考えてみて、恋人を作る って言うのは一般的に、

『同級生とかと交際すること』だと思う。


しかし、彼は面倒くさかった。とても。

自称カプ厨の彼、安田やすだゆうは、自身に彼女ができる事が嫌だという。


『僕のカプ厨というブランドに傷がつくだろう!』


『そんなこと言ってられないでしょ!』


などと衝突し合った結果

嘘の恋人空想上の恋人』を作ることになった 。


でも、普通にそれで終わりで良かったはずだ 。

また、片桐かたぎりに迫られたら

「隠していたけど、恋人がいる。」と言えばいいだけの話だった 。


ただ、私達は凄く"暇"だった。

受験生なのに何いってんだ。って話だが日常に飽き飽きしていた訳だ。


先に言い出してきたのは安だった。


『詳しく聞かれたらどうするんだ 。』


私は画面越しにニヤッと口角をあげた。

「そうこなくっちゃ」


『じゃあ、詳しく決めるかい?君の彼女の事 。』


『おう、決めとこう 。』


『最終手段の癖に、結構楽しみにしてるだろう安 。』


『心を読んでくるな 。』


ここまでが私達の長い長い、遊びにしては作り込まれてしまった娘が作られることになるまでの経緯である。


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