第4話

『どうにかできたんじゃないのか?』


あぁ、なるほど 。ふむふむ 。

予定通りに告られたわけか 。ベッドの上で口角を緩ませニマニマしているのは平谷ひらやいつき

送り主は安田やすだゆう中1が同じクラスだった 。中2の今もメッセージアプリでの会話のみ続いている 。


『んー申し訳ない。頑張ったんだぞ?これでも』

『まぁ、やすは今はそういうの考えてないんだってね?』


『僕にプライバシーはないのか』


『ない。』


シュポッシュポッとリズムよく進む会話 。


2月14日 バレンタイン 。

残念ながら今年は日曜日だ 。


必然的にチョコを渡したりするのは月曜日になる 。

そして私は安が告られることを知っていた 。


だから、事前に『バレンタインが楽しみだな…?』と意味深な亊を言っておいたし彼も勘付いていた 。

安は『止めてくれ!絶対に…』なんて釘を刺してきたけど関係ない 。


私もなんやかんやカプ厨なのだ 。

安に彼女ができることは解釈違いだが、出来たらできたで面白そうだし。

片桐かたぎりはるとは小学校からの仲。

片桐の安への想いは見ていて飽きなかったし

中1で失敗していた片桐の恋を応援したいのだ 。

チョコを買いに行くのにも付き合った。


でも、安とも中1からクラスが違う中2の今でさえ交流を持っていることから安の気持ちを蔑ろにすることもできなかった 。

だから、警告はした。


片桐も振られたら諦めるだろう。

安も1回くらい告白されても大丈夫だろう。


そう思っていたのだ。


そして2月15日。

予定通り安は告られ、私に文句のメッセージを送ってきた訳だ。


『雨だったけど歩きでいったの?』


『いやチャリ』


『雨が降る…振る!?』


『誠に残念な事に晴れてたんだよ』


なんて、事情やらなにやらを話して終わった。

(このあとに謎に中3の話になってそれが実現したのはまた別の話)


お互い何やかんやネタにしようとしていた。

まぁ、勿論これが事の始まりになるなんて思いもしなかったけれど 。



____

おまけ


貰ったチョコレートの量(個)


エントリーNo.1 安田優 … 1個

優「1個の重みがすごいよ…」

樹「…強く生きようぜ」

春「私からだけだね!」


エントリーNo.2 片桐春 … 14個 (部活等から)

樹「普通に多くない?」

春「女子同士の交換とかあるしこれくらいかな?」


エントリーNo.3 平谷樹 … 26個

(男子から3個 女子から23個)

樹「あんまり私チョコ好きじゃないんだけどね…笑」

優「今の発言で全男子敵に回したぞ」

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