第17話⁂めぐみちゃんは誰に殺害されたのか?⁂
あれは確か、メジャーデビュ―もボチボチ決まり掛けた、高校生活も残すところ後1年と迫ったある日の事。
3月下旬福岡城跡に満開の桜の花が咲いて*。🌸
約1000本もの淡い桃色の花びらが幾重にも重なり
桜雲のように一片の桜は散り⋆*こぼれ桜の花が風に舞い⋆*・。*
そんな満開の桜を横目に万里子お嬢様に呼び出されて、慌てて豪邸に向かったのだが、そこで思いも寄らない相談に啞然とした静子。
いつもの温和なのんびりとしたお嬢様とはまるで別人のように、真剣な面持ちで話し出した万里子お嬢様。
「…あの~?あの~?・・大切な話があるのよ……あのね!・・こんなこと言っちゃ本当に失礼な話なのだけれども……?あなただって…あそこの住人だって事・・隠したいでしょう?…それから、あなただってメジャーデビューの話も来ている事だし、気分一新、全くの別人に生まれ変わるのも良いんじゃないの~?……勿論タダでっていう訳じゃない無いわよ!・・タップリ褒美も弾むわよ!……お互いの為に、申し分のない話だと思うのよ!」
「…急にそんなこと言われても……?それで‥誰と?…誰と入れ替わるのよ?」
「それが日本でも有数の不動産会社のお嬢様と、入れ替わって欲しいのよ……私もあなたを見た時はびっくりしたのよ!‥余りにも瓜二つなので?」
「…そんな事言われても……私?・・ちょっと考えさせて?」
一体万里子お嬢様には何が有るのか?
何故こんな突拍子もない事を口走るのか理解に苦しむ静子。
「…じゃ~?何故私が、その小百合とか言うお嬢さんと、入れ替わらなければならないの?」
「それはね?私の母を酷い手を使って死に追いやった、あの貴美子と娘小百合に私と同じ苦しみを、味わわせる為なのよ!」
「一体過去に何が有ったの~?」
「ともかく、小百合の母貴美子は、父と結婚していた私の母親を恨んで自殺に追い込んだかも知れないのよ?……ともかく私の母親初美は死んだのよ!……だからはっきりするまでは言えないの?……だけどあの貴美子と小百合は血も涙もない只の悪魔!ワァ~~~ン😭ワァワァ~~ン😭だからお願い!私のいう事を聞いて頂戴!お願い!」
余りにも懇願する万里子お嬢様を無下にも出来ず、早速父親の忠に相談した。
そして、その数日後に中洲のクラブで歌っていると父親の忠から連絡が入り、早速ホテルの部屋で会った。
『こんな重要な話、聞かれては大変!』
そこでホテルで落ち合った2人なのだ。
「全て調べ上げた。今から数年前万里子さんの母親は確かに不審死をしている。万里子さんの母親と小百合さんの母親が揉めに揉めていたらしいが?
万里子さんの母親は病死したと言われているが、どうも怪しい?……それより静子ちゃんも、折角そんな美味しい話が転がり込んで来たのだから、その話に乗っちゃえば?…折角メジャーデビューの話も来ている事だし、これから芸能界で生きて行く為にも、将来結婚する為にも過去は捨てて、新しい自分に生まれ変わった方が良いさ!」
「…………」
「それでその条件は何だい?」
「……それはね、私に3千万円払う代わりに、小百合さんに成り済ますのだけれど……私より1つ年上の小百合さんは今年度から大学生らしいのだけれど………その大学が東京なのよ。鎌倉が実家だから通学が大変で東京の高級ワンルームマンションから大学に通うらしいの。母の貴美子は入院中らしいから、そう頻繫に顔出す事もなさそうだから……気づかれにくいからよかったっていうのよ。大学生活をしながら芸能活動もして良いからと言う話なのよ?」
「じゃ~?静子はもう九州でも知られているのに、どうカモフラージュするんだい!」
「…なんか~?万里子お嬢様のいう事には『静子は死んだ事にすればいい』そう言っていたよ!」
「エエエエエエエエ――――――――――――――――ッ!入れ替わるって事は??2人小百合がいちゃ変でしょう?…それってひょっとして邪魔者の小百合さんを殺害するって事だよね!財産を独り占めしたいんじゃ~ないのかい?………その為にも生きていてくれては困る人間だからね?」
「まさか~?万里子お嬢様に限って絶対にそんな事は無いと思うわ?」
実は万里子お嬢様に、いつもピタリとくっ付いている2人組の護衛達の、企みもあるのだ。
益々謎が深まるこの家族なのだが……。
一体この護衛2人組は何者なのか?
そんな折めぐみちゃんが学校の帰りに、何者かに竹やぶに押し込まれて変わり果てた姿で発見された。
心配になった静子は、暫くして万里子お嬢様宅に向かったのだが、万里子お嬢様の姿は跡形もなく消えていた。
あれだけ花々が咲き誇り手入れの行き届いた、あの豪邸の庭には草が生い茂り主を失った殺伐とした荒廃した荒れ地が広がっていた。
そしてヒッソリと売り出し中の看板が掛かっていた。
万里子お嬢様はどこに消えたのか?
また殺害されためぐみちゃんは一体何者なのか?
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