第27話 萌さんとセクシー下着③

「うわああ~~~~~あっ、うっ!」


 慌てて体を起こそうとする萌さん。


「ううう~~~ん」


 唸る僕。唇にはぴったりと胸が吸い付いていたが、体に力を入れたせいかさらに締め付けられた。顔全体が胸に押し付けられて、弾力のある胸が顔に吸い付いている。


「いけない、いけないっ! うわあ~~っ!」


 起き上がれなくなってしまった僕の前で萌さんは両手で顔を覆っている。


「ごめんなさい。今のはなかったことにします! 忘れますから、気にしないでください!」

「なんか今唇がっていうか顔全体が当たったような……わあんっ!」

「大丈夫です。当たってませんっから!」

「そんなことないい~~~もうっ」

「安心してください! 断じて胸には触れていませんから!」

「だって、顔がばんって胸に当たったわよ……」

「落ち着いてください!」


 ようやく僕は体を起こし、ソファに座りなおした。萌さんは胸元をバスローブで覆いぎゅっときつく紐を結び隣の席に座った。


「ふう、驚いた」

「驚いたのは僕の方です。急に倒れてくるんだから」

「そうだった……」


 体は素直なものでかなり反応してしまっている。興奮していることを顔に出さないようにするのが精いっぱいだ。下半身は素直に反応し熱くなっているし。気持ちを強く持ち冷静を装う。


「他にもありますか……嫌じゃなければ見たいけど」

「あ、ああ……そうねえ。じゃ、気を取り直して」


 目がくりくりと動いている。今日はお酒は飲んでいないようだ。


「僕は大丈夫です、あくまで参考になればと……」

「そうだったわね。意見を言ってもらおう」


 萌さんは引き出しを開け、数枚を取り出し持ってきた。


「これがそう。いかにもって感じよね」


 窓際で見たことのある黒と赤のがあったが、見覚えのないものもあった。


「黒もいいですが、僕は断然ベージュなどの肌色に近いものの方が好きです」

「どうしてかなあ」

「肌と同じように見えるから。つけてないみたいで超セクシーなんです」

「えっ、じゃあそういうふうに見えてたの! わあ、恥ずかしい!」

「それだけ素晴らしいってことです。思わず触れたくなる」

 

 そんな言葉がつい漏れた……うわあ、恥ずかしい。自分としたことが! 笑われてしまう……ううう……。


「触ってみる……」

「えっ、いいんですか?」

「ちょっとなら」

 

 ゴクリ。胸元が輝いている。


 そ~っと手を伸ばす。まるで手招きしてされているようだ。


 指先が胸のふくらみに触れる。ブラジャー越しに胸を包み込もうとするが、手のひらからあふれるほどの体積がある。


「大きい……ですね、萌さんの胸……それに柔らかいけど弾力がある」

「大きすぎるのが悩みなの」

「ええ、悩むことないですよ。大きい胸は……魅力的です……憧れます……」


 感動でため息が漏れた。両方の胸を両手で包む。手のひらからこぼれるほど大きい。胸の形を確かめるように外側から内側へ向けて優しくなでる。


 まだブラジャーの研究をするつもりでこんなことをしているんだろうか。


「大きすぎてはみ出しちゃってるでしょ」

「はい、内側に深い谷間ができています」

「全くいやあねえ。余っちゃってるのよ、肉が」

「そんなことはないです」


 余ってるわけじゃないんだけど、完全にはみ出してる。


「もっと大きいのをつくらなっきゃね。全然収まらないわよ私には」

「こういうのもいいと思います。谷間ができるから。着けている人が苦しくなければですが……」

「それほどでもないけど」


 僕は萌さんの背中へ両手を回した。


「あら、なに! 急に抱き着いて、駄目よ……」

「あの、ブラジャーを外してもいいですか」

「そんな……」


 体をぴったり寄せて、できるだけ甘い声で耳元で囁く。


「胸の形が見たいので……」

「駄目よ、そこは!」


 というが早く、ホックが外れた。


「うわっ」


 声を出してしまった。


 今まで両サイドから押さえていたふくらみが弾けるように外側へ飛び出してしまった! 


「大きい……」


 僕は称賛の声を漏らす。


「だから、ダメって言ったのに……もう夕希君ったら……」

「素晴らしい……触りたい」

 

 両手を出し優しく円を描くように撫でた。萌さんは僕の動作を見守っている。顔をそばへ寄せて思わず乳首にキスをした。チュッという音がした。


「あれあれ、何をしてるの! どさくさに紛れて、しょうがないわね」

「ついつい、触れたくなってしまって……」

「もう、今日の研究は終わりよ」


 萌さんは再びバスローブを羽織り、ブラジャーの研究会は終わった。

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