第25話 萌さんとセクシー下着①
数日後のこと。
大学帰りにスーパーに寄ると、袋にくるまれて並んでいた石焼き芋がたまらなく美味しそうに見え二個も買ってしまった。
早く温かいうちに食べた~い、と家路を急いだ。思わず足取りは軽くなる。サークルの仲間とは駅まで一緒に行き、寄り道はしないで帰ることにした。
速く歩くこと十五分。たどり着いたシェアハウスの周囲は通りは暗くなっていた。
通り沿いにある萌さんの部屋に明かりがともっている。隣のみのりさんと楓さんの部屋は暗い。まだ帰宅していないようだ。光さんも多分まだ帰っていないはず。日南ちゃんはまだ寄り道をしているのか、直行して部屋にいるのかどちらなのかわからない。
電気がついた萌さんの部屋を見上げる。カーテンがだいぶ開いている。やはりこの道を人が通らないと思い込んでいる節があり、無防備この上ない。
宵闇に溶け込むようにじっと中を見る。
バスローブを身に着けた萌さんの姿が動いている。バスローブの下は……もしや裸……ではなかった……。
だが胸元の開きは広い。
やはり!
ブラジャーを身に着けている。白に近いベージュだ。素肌の色と同化してなにも着けていないように見える。この色、赤や黒以上にセクシーだ。巨乳がそのままの姿で目の前に晒されている。深い谷間と零れ落ちそうなバスト。
焼き芋の事など頭の中から消え去っていた。焼き芋を食べるより、ここで萌さんを見ていたい! そう思うと、完全に足が止まった。
もっと見ていたいな~~~!
ゴクリ。バスローブを取る。ほとんど裸に見える。セクシーな下着の研究をしているのか!
これが一番セクシーだと教えてあげたいよ~~!
ああ、みのりさん、ごめん。僕はこういうセクシーな女性にも心奪われてしまうのだ。
萌さん、こんな姿を見せるなんて罪な人だ。だけど他の人からすれば、僕の方が罪な人だ。
はあ、すごいっ!
清楚な感じで、それでいてこちらへいらっしゃいと誘惑するようなボディライン。まだまだ見ていたい。萌さんの言っていた、もっと知りたくなるような謎めいた魅力がこれなのか! 彼女のボディにはそれがある。
体をくねらせると、胸もヒップもゆらゆら揺れる。大人の色気ってこういうことを言うのだろう。くるりと回転すると腰の括れやぴったりと張り付いたパンティがお尻に食い込む。下着なんかいらないっ、というほど小さくてほとんど体を覆っていない。
パーカーを着ている上半身が火照ってくる。それと同時に下半身も熱を帯びてくる。
はあ、これ以上みているとどうにかなりそうだ。
僕はドアを開けて家に入った。
冷蔵庫に食料品を詰め込む。
―――すると、心の中で邪悪な声が聞こえた。
これは悪魔のささやきか、自然の摂理か。
日南ちゃんの下駄箱を覗き込むと、いつも大学で履いている靴がないっ!
おおお~~~~! 彼女もまだ帰宅してないぞ!
どんどんどす黒い気持ちが心の中を支配する。そう、萌さんの部屋を訪問するんだ。きっかけは……この石焼き芋だ。
一緒に焼き芋を食べましょう。これが誘い文句だ。
僕は焼きいも二個と飲み物を持ち萌さんの部屋をノックした。
「は~い」
「僕です、夕希です」
「あら、何かしらあ」
「一緒に焼き芋を食べましょう。あったかいうちに!」
これなら爽やかな好青年の挨拶だ。
「まあ、いいわねえ!」
「ちょっと待ってね、いま開けるから」
ドアを開けた萌さんは、ブラジャーの上にバスローブを身に着けただけの姿だった。僕はドアの内側に一歩足を踏み入れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます