幼馴染で恋人の彼女は、僕を見ていない。

#12 有能

　放課後、再び生徒会室に集合した。

　今日は久しぶりに同じ１年の安井君も出席している。

「えー、それでは生徒会臨時ミーティングを始めます。　本日の議題は、１年２組の池内及び杉村の両名に対して、今後の対策を話し合いたいと思います」

「まずは、昨日居なかった安井君、だいたいの状況はハナちゃんから聞いてるかな？」

「ええ、聞きました。　それにしても、なんだか大げさですね」

「君はね・・・現場に居なかったからそんな呑気なことが言ってられるんだよ」

「そうですねー　流石のわたしでも、アレはないなーって思いましたもん」

「まぁいいわ。　安井君、納得出来ない面もあるかと思うけど、ここは一つ生徒会役員として、この問題対応には協力してちょうだい」

「はい、それは大丈夫です」

「ありがとう。　では次に、現状の問題点を洗い出したいと思います」

　そう言って、セツナさんはホワイトボードに、思いつく問題点を箇条書きに書き出した。

　・杉村なにがしの情報　人物像、女性関係

　・ムギくんの今後の希望　穏便に別れる or 制裁

　・池内カナが何を考えてるのかが見えない

　・東雲セツナとムギくんの交際解禁時期

「はーい、会長。　１つ目は昨日友達関係に当たって、ある程度は調べてみましたー」

　すげーな、岸本さん

　昨日僕が家でイジけてる間に、既に動いてたのか

「流石ハナちゃん、仕事早いわね。　じゃぁ現時点で解ってる範囲で報告してくれるかな」

「はーい。　えっとー、杉村コージ　１年２組　出身中学は三中でー　同じ中学出身の子から聞いた話だと、中学時代は地味で目立たない子だったようでー　いわゆる高校デビューですねー　それでー　中学時代から高校入ってからも、池内さん以外に女性関係の話は無かったですー」

「凄いわねハナちゃん、一晩でそこまで調べるなんて。　あとは高校入ってからの交友関係とか性格とかの情報が欲しいね」

「じゃぁ、その辺りは僕が調べてきますよ。　男同志のがその辺りは詳しいと思いますので」

「そうね、では杉村の身辺調査は安井君に任せるわね。　次に、ムギくんの今後の希望だけど、どう？ムギくん、お昼にも少し話したけど」

『そうですね・・・もう少しお時間頂けますか？　昨日からカナちゃんと全く接触していないので、今夜辺りまた何かあるかもしれませんし』

「わかったわ。これに関しては、ムギくんの気持ちが一番優先されるべきだから、ゆっくり考えてちょうだい」

「次の池内カナの件もムギくんじゃないと掴めないだろうね。　あと４つ目は今はどうでもいいわ」

「ちょっとユキちゃん、４つ目が一番大事じゃない！」

「いや、セツナちゃんだけでしょ大事なのは。　そんなことより、当面のムギくんの精神的フォローだけど、全員でバックアップしていきましょう。　なるべく一人にならないように、出来るだけ誰かが傍に居る様にしましょう」

「はーい　しばらくは休憩時間は今日みたいにわたしがムギの傍にいますねー」

「ちょっと待って！　いまハナちゃん、ムギくんのこと、呼び捨てにした！？　いつの間にそんなに親しげになってるのよ！」

「いや、いまそんなことどうでもいいから」

「よくないわよ！　今は自重してても、ムギくんの彼女は私なんだからね！」

　うわぁ　めんどくせー

　セツナさん、こういうトコあるんだよな