#04 命令





 まだ納得出来ていない僕を無視して、セツナさんは次のことを僕に言い渡した。



「しばらくは朝はいつも通りにあの子と一緒に登校しなさい。 どうせ二人で過ごす時間なんて朝だけなんだし」


「明日からお昼は、私と一緒に食べましょう。お昼になったら生徒会室に来てね」


「帰りもこれからは毎日私と一緒よ。 もしカナちゃんと会っても、無視して私と一緒に帰るのよ」


「週末も私と過ごすことにしましょ。 そうね、私がムギくんちに行くわ」


「あ、それと、毎日私とキスすること。あの子よりも親密にならないと浮気しててもあの子、危機感感じ無さそうだからね」


 なんかドンドン無茶苦茶なこと言い出してるぞ



『あの・・・セツナさん、他に彼氏とか好きな人とか居ないんですか?』


「ムギくん以外居ないよ」


『え?それって・・・』


「今はもうムギくんが私の彼氏だからね。ムギくんしかそういう人居ないわよ」


『あー・・・』


 一瞬勘違いしそうになった。


『じゃぁ、好きでもない僕の為に毎日キスするなんて、良くないですよ』


「誰が好きじゃないって言ったのよ」


 うわ、やっぱり勘違いじゃなかったのかよ

 このままだとホントにセツナさんと毎日キスするハメになるな


『えーっと・・・僕とカナちゃん、ちょくちょくセックスしてますので、キスくらいじゃカナちゃんの危機感煽れませんよ?』

 これくらい脅さないと諦めてくれないだろう


「わかった。 じゃぁ私ともセックスしなさい」


『はぁ? それは流石に無理ですよ』


「なんでよ。恋人なんだからセックスしてもいいでしょ」


『いや、恋人って言ってるの、セツナさんだけの一方的なもので・・・』


「つべこべ言わない! もう決めたんだから文句言わないの! 今度の土曜日早速するわよ、セックス」


 ダメだこの人、誰か助けて・・・


『因みにセツナさん、セックスの経験は・・・?』


「ないわよ」




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