第13話 愛央の片想いクリスマス

あお「今年のクリスマス、誰と過ごそうかなぁ・・・。お兄ちゃんは忙しいし、あいちゃんと過ごす?でもなんか不思議・・・」

たく「親父ー酒のつまみ買ってきたぞー」

昭仁「おぉまじか。飲むべ飲むべ」

たく「はえーよ。ったく。愛央、ただいま。ほれ、土産のスイーツ」

あお「お兄ちゃん!ありがとう!!」


今年の冬もクリスマスがやってきた。今年はお兄ちゃんが年末までお仕事。愛央は1人で暇だったの。お兄ちゃんと過ごしたいなぁ・・・。


今日は12月24日、世間はクリスマスイブなの。お兄ちゃんは朝5時から仕事をしていた。わたしはいつものように赤色のポンポンを持って応援してたのだけど・・・。


たく「あそうや、今日イブか」

あお「うん。今年はどうするの?」

たく「ケーキは宅配で既に頼んだし、チケットも買ったからなぁ」

あお「どういうこと?」

たく「それは見てからのお楽しみ。仕事続けよっと」

あお「うん!フレフレ!がんばって!」


およそ7時間後の12時にたっくんは仕事を終えた。そして私の近くに来て耳打ちしてくれた。


あお「お疲れ様!」

たく「さーてと・・・着替えておいで。出かけるよ」

あお「えっ・・・♡」

たく「愛央ちゃん出かけたいんでしょ?彼女兼妹だってのにたっくんなんもしてくれない!って怒るかと思って先に全部こっちで手配したんだよ。ごめんね。わがまま聞いてやれんくて」

あお「ぎゅー♡このまま行く〜!」

たく「風邪だけ引くなよ。ほらいくどー」


愛央、こんなこと初めてなの。マフラー巻いて、踊るために作ったハーフアップをそのままで出かけることにしたの。それにしてもわたしハーフアップ作るの上手くないかも。


あお「お兄ちゃん、この髪どうしよう・・・」

たく「よーいしょっと。ほれ。これでいっぺ?」

あお「わっ!可愛い〜!」

たく「イブなんだからこれくらいやっといてあんでんねぇべ」


お兄ちゃんはクリスマスイブ限定ハーフアップを作ってくれた。ってかチケットって何だろう・・・。


あお「ねぇ・・・さっき言ってたチケットって何?」

たく「イルミ」

あお「えっ!」

たく「やっぱり。愛央の顔が赤くなってる。1回でいいからクリスマスイブにイルミネーション見に行きたかったんだろ。だから今年は先に手配した。しかもこの後雪予報だぜぇ?最高のロケーションが待ってるぞ。ほらいくどー」


それから10分後、お兄ちゃんが言っていたイルミネーションのところに着いた。時間指定制っぽくて、そのためのチケットだったの。


たく「ひーさっびー」

あお「お兄ちゃん、私も寒いよ・・・」

たく「愛央の手ひゃっこ。カイロあるからこれで暖めな」

あお「ありがとうっ。お兄ちゃん、メリクリっ♡」

たく「だな。っておい、タイミングよく雪降ってきたぞ・・・」

あお「今年もホワイトクリスマスだね♡わたしは満足したから、おうち帰ろうよ!」

たく「じゃ急ぐか。17時だから・・・天川大野は17時45分に着くな」

あお「18時にはお家つくね!」

たく「うん。その予定」


お家に帰ってくるとケーキが用意してあった。愛央が1番食べたかった30cmのケーキ!美味しそう〜!


あお「これ・・・いくらしたの?」

たく「税別8690円」

あお「自腹!?」

たく「もち」

あお「お兄ちゃん!メガパー好きっ!」

たく「さー今年もプレゼントと」

あお「ありがとう!ちょうどファンデとか無くなりそうだったの!」

たく「よかった。それから今年はもうひとつ」

あお「何買ってくれたの?」

たく「愛央と言えば?」

あお「チア♪」

たく「ということで」

あお「えっ?」

たく「愛央が今まで以上に本気になって踊れるように俺の金40万はたいて完全オーダーメイドのチアユニフォームとハーフアップ用リボン、それから新品のポンポンを買ってしまったのであーる」

あお「え〜!?」

たく「愛央にぴったり合うし、冬でも寒くない素材を使ってあるのだぁ!!!」

あお「着てみていい?」

たく「着てみ」


たっくんが隠れて購入してくれたポンポンもおっきくてユニフォームもちょうどいいサイズなの!しかもハーフアップでチア踊れる!たっくんありがとう!


あお「可愛い〜!」

たく「予想通り。今回は愛央の名前にちなんで青色ベースに、アクセントとしてチアレッドとジェントルピンクを合わせたからね」

あお「あいちゃんも応援出来るってこと!?」

たく「クリスマスにこんなサプライズ用意してると思わんべ。クソ喜んでるわ」


もらってばかりじゃなんかやだから、たっくんにわたしもあげることにしたの!結局たっくんの方がしっくりくるね!


あお「はい!たっくんにクリスマスプレゼント!」

たく「今年はなんどす」

あお「開けてみて!」

たく「愛央のそのチアユニやはり予想通りに似合ってるなぁ。はてさて。お、これは・・・カメラぁ?」

あお「うん!しかも、一眼レフ!」

たく「高そっ」

あお「このチアセットの4分の1だけど・・・」

たく「10万円かぁ。ありがとね。愛央」


今年のクリスマスも楽しく終わったの!たっくん、Merry Christmas!

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