第2話 波乱万丈!双子が同一部署!?

入社式が終わった夜、親父が部屋に来た。


昭仁「たっくーん。あおっちー」

たく「あにー?」

あお「(´。>ω<)ぎゅー♡どうしたの?」

昭仁「ふたりの部署を言ってなかったからさ。伝えに来た」

たく「はぁ。あのさ、営業だけはおいねぇぞ。おらが営業であじすんのか分かってんだから」

昭仁「んなあんでんねぇよ。んでな、ふたりは商品企画部に入ってもらいたいんだ。たっくんは企画部で色んなアイデアを出してくれるし、あおっちも職場でチアやっていいから、たっくんのサポートしたって」

あお「うん!」

たく「企画部かぁ」

あお「そうそう!」

たく「人事とかじゃねぇだけマシかぁ」

あお「人事はおいねぇってパパ言ってたもんね」

昭仁「ゆったなー。おいねぇって。それから後で商品企画部の部長から話があるから」

たく「おっけー」

あお「うん!」

あい「ぱーぱ!」

昭仁「おーあいちゃん!」

あい「たべよ!ごはん!」

昭仁「せっかくだし、食べていくか」

あお「やった〜!」

あい「あーいー!」

たく「よくわかんねーな。んでも、いきなりクレーム対応とか来たらそれはそれでおいねぇし・・・っから比べたらマシかぁ。って企画部の場所って・・・」

昭仁「あ、気づいた?」

たく「俺らの部屋の真横っしょ!?」

昭仁「疲れたら帰れるようにしてあるから!」

たく「てめぇ・・・」


親父の企みは穏やかじゃない。なんとここに最速出社と最速帰宅が成立することになった。


翌朝6時、愛央が先に起きて準備を始めた。お風呂に入ってそこから化粧をしてって感じで愛央は準備をしている。俺は今日珍しく6時半に起きた。昨日買い出しに行って疲れてたからね。あいちゃんも起きると3人で朝ごはんを食べて、俺は一足先にあいちゃんを幼稚園に送っていく。送迎バスもあるんだけど午後だけ送ってもらうことにしている。だから朝はあいちゃんと俺でふたりっきりになる。送ってから家に戻ると愛央が花道を作ってだいたい待ってる。帰ってくるとぎゅーって抱きつかれて仕事の準備にようやく入るのだ。


あお「今日も一日がんばろっ!」

たく「仕事の準備しなきゃー」


といったその時、ドアをノックする音が聞こえた。


たく「はい今行きますー」

浜井はまい「はじめまして」

たく「は、はじめまして。失礼ですがどちら様ですか?」

浜井「浜井と言います。君たちの上司に当たるんだ」

あお「こんにちは!ねぇたっくん、どうしたの?」

たく「ちょ詳しいことは後で。改めまして。琴乃匠と申します。横にいるのが双子の妹、愛央です」

浜井「ふたりともいい子だね。社長から聞いたとおりだよ」

たく「うちの親父がなんか僕らのこと話したんですか!?」

浜井「実は今年いっぱい新人が入ってきたんだけど、うちの部署には君たちだけ入ってきたの。だから覚えておこうかと」

あお「でも、愛央たち特徴ありませんよ」

たく「少なくとも愛央はあるだろ?俺の方がないわ」

浜井「ふたりのことは知ってるから大丈夫。愛央ちゃんは高校時代部活に匠くんを引き連れていたんでしょ?匠くんはおっちょこちょいでバイトに行く前水を忘れたりだとか」

あお「そうですっ!たっくんがいたから部活ができました!」

たく「えっ怖っ。あいつマジで喋ったのかよ」

昭仁「話しちゃ悪かった?」

たく「話したらおいねぇよそら!なんで愛央が部活に俺の事連行してたってこと話したんよ!」

あお「いいじゃん!私達のことだけでも知ってもらえて!」


そう言っておきながら、愛央は緊張していた模様。だけど愛央お得意の推し抱きつきを執行したおかげで緊張は解けた模様。気づけば午前8時。そろそろ準備をして、出社する。今日から2週間は研修だ。とはいえ、会社内でだけど。


浜井「おはようございます。今日はうちの部署に入ってきたので紹介します。琴乃匠くんと琴乃愛央さんです」

たく「はじめまして。ただ今ご紹介に預かりました琴乃匠と申します。前々から私どもの父がお世話になっておりますが、これからは私と横におります妹の愛央共々、よろしくご贔屓のほどお願いを申し上げます」

あお「はじめまして。琴乃愛央ですっ。たっくんといっしょに精一杯がんばります!よろしくおねがいします!」

たく「愛央はかなりの恥ずかしがり屋です。顔赤くなってるのでおわかりかと。まぁそのあれですね、もしなにかご要望等がありましたら私の方へ、よろしくどうぞ」

あお「人前に出るのが苦手だもん・・・」


初めての朝礼に戸惑う愛央は俺の後ろに隠れながら話した。愛央はそれでどうにか喋れた模様。家にいるときのあの元気女子はどこに行ったんだ・・・。そして朝礼が終わると初めての仕事、まずはこの会社が何を企画したりしているのかを知ることからだそうで。もちろん愛央は後ろに隠れ、ポンポンを持って話を聞いている。


あお「フレっフレっわたし、フレっフレったっくんっ」

たく「全く・・・いくら私服出社大丈夫とはいえ、なんでこのタイミングで応援するかなぁ・・・」

あお「そうでもしないと落ち着かないのっ」

たく「家いると1日5回応援しなきゃ気が済まねぇくせにあにいっとん」

あお「(´。>ω<)ぎゅー」

たく「ほいよしよし。甘えないとおいねぇよな」

あお「うん。ねぇねぇ!こんなことやってるのね!」

たく「あいつから聞いたけど、やっぱすげぇな」


そしてやることがだいたい分かってきた。顧客がどんな商品を必要としているかなどを聞いて、それに近いものを作ってなどって感じかな。


あお「私、たっくんのサポートをしていっぱい成功したい!」

たく「だけんがうまくいくかなぁ?」

あお「だいじょうぶっ!愛央が応援するから!」

たく「なら安心だなぁ・・・」


そうやって安心しきった俺に、この後とんでもない人物が現れる。時刻は17時。初日の仕事がようやく終わる頃だ。


あお「今日の夜何食べる〜?」

たく「なんかテキトーに頼みたいけどね」

あい「たったー!」

たく「えちょま!」

あお「おかえり~!」

あい「ねーねー!!!」

たく「なんだと思った。あいちゃんか。おかえり。どうしたの?」

あい「たったーいなかったからきた!」


何たる強引。愛央にそっくりやんかと思っていたらそのまま退社の時間になったので部屋に。先に愛央は帰っていた。


あお「おかえりっ♪」

たく「てめぇ、まさか・・・」

あお「違うよっ。この後夜ご飯作るでしょ?」

たく「さては・・・」

あお「お疲れ様♪ぎゅーっ♡」

たく「びびったぁ・・・食べよか」

あい「きゅぴ!あい!」


夕飯を食べてひたすら何故かゲームに没頭しているとあいちゃんが近くに来た。でもなんか、様子がおかしい?


あい「たったぁ・・・ひっく・・・」

たく「ん?あいちゃん!?どうした!?」

あい「あたまいたい!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

たく「ちっ、まじかぁ・・・・あいちゃん、大丈夫だよ。絶対に治るから」

あい「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」

たく「愛央!行くよ!」

あお「うん!」

たく「大丈夫。これ飲んで」

あい「きゅぴ・・・!」

あお「お願い・・・フレフレあいちゃん・・・」

たく「いけっか・・・!」


俺と愛央の願いは届き、15分であいちゃんの頭痛は治ったのだ。あいちゃんは泣きやんで大喜び。愛央とあいちゃんは俺に抱きついて喜んでいたのだ。


あい「たったー、いたくない!」

あお「よかった!なおって!」

あい「あーおー、たったー、ありがとう!」

たく「はぁ、疲れた」


気づけばもう夜中になりそうだった。愛央とあいちゃんは二人で先に寝てしまい、俺は夜中の作業を終えて寝ることとした。

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