琴乃匠と愛央たちの活動日記!1st Season 琴乃家の日常 5th Season

小糸匠

入社初期のふたり 編

第1話 入社式の1日

あお「たっくん!朝ごはん作ったよ!」

たく「えっマジで?できた?」

あお「たっくんのやつ見てたから!」

たく「すごっ!じゃあそれ食べて、行くべ!」

あお「うん!」


琴乃家の日常が終わって今日から新シリーズが始まったわけだがうちの愛央は通常営業。むしろ朝飯が作れるようになったので俺の負担が逆に減ってる。


あお「たっくん!今日から新しいことだらけだよね。その第一歩にチアやらせて!」

たく「式前だっつーのに。こらおいねぇ」

あお「式終わってから?」

たく「んじゃなきゃおいねぇな」


朝から炸裂する房州弁。それが俺の本性なのだ。相変わらずだけどね。少し経つと愛央がまた話しかけてきた。


あお「そろそろ時間だね」

たく「あー確かに。それにしても原付乗りてぇ」

あお「たっくん原付持ってるもんね」

たく「ゆーてド素人だけど。買い物行くのには最近原付使ってる」


実を言うと俺は卒業式の翌々日に原付免許を取得していた。だから原付に乗って練習をしていたのだ。ちなみに新車で20万。パソコンよりは長生きしそう。そんな中でうちの親父が7階から降りて出てきた。本社ビルというかうちの構造上、5階と7階は行き来ができるようになっている。


昭仁「おはよー」

あお「おはー!(´。>ω<)ぎゅー♡」

たく「ちっす」

昭仁「ちっす。ふたりとも入社おめでと。これ、祝い金」

たく「あざいます。社長自ら来るからこれが嬉しいんよね」

あお「パパありがと!ねぇ・・・今日ご飯行こっ?」

昭仁「たっくんも行く?」

たく「俺バイトだっけな・・・あ、ない。よし俺も行く」

あお「やったぁ~!」


愛央は大喜びだった。まぁこれは高校から変わらないことだし。


昭仁「さてと、そろそろ式だな。行くよ」

あお「パパ」

昭仁「あに?」

あお「愛央の髪、ハーフアップとツインテールどっちがいい?」

昭仁「どうする?」

たく「おらハーフアップ見慣れたるし何なら今すぐできるよ?」

二人「はっや」

たく「ツインテは大切な応援の日にしかやらんもんな。だけんがハーフアップなんてほぼ3日に一度やったるから余裕だべ。ほれできた」

あお「ちゅっ♡ありがと♪」

たく「ばかたれかいな」


とはいいつつも、愛央がいつも以上に可愛いのは事実で。その勢いで入社式に出席した。と言いたいところだがうちのあいちゃんを幼稚園に送って行かないといけなかった。


あい「たったー!じゅんびできたよー!」

たく「おっ、できたかい?そしたらじゃあ行こっか!」

あお「たっくん、あいちゃんにこれ渡していい?」

たく「あー。うん。渡そっか」

あい「きゅぴ?これなに?」

あお「わたしとたっくんがふたりで作ったお守りっ。これを持ってたらいつもたっくんとわたしが一緒にいるよって証だよ♪」

あい「ありがとう!」

たく「やっべーそろそろバス来るべぇ」

あい「いこー!」


あいちゃんは相変わらず下に飛んでくのが素早い。愛央はチュールスカートを揺らして、あいちゃんの後ろを追いかけた。


あお「あいちゃ〜ん!待って〜」

あい「きゅぴ〜!あい!」

あお「いいこいいこ!あれ?たっくんは?」

たく「てめーらよぉ、降りるの早すぎだってん」

あお「ごめんって。ぴえん。・・・入社式終わったら今日は休みだからバトンとチアの練習しないと・・・」

たく「練習相手になろっか?」

あお「えっ?」

たく「編集1本残っちゃった」

あお「応援・・・していい?」

たく「逆にしてもらわんとおいねぇの。あじょうだ?やんか?」

あお「やる!」

たく「じゃあかえったらツインだな」

あお「ありがとっ!」


あいちゃんを送った俺と愛央は少しの時間、愛央が甘えたりして時間をつぶしていた。俺は作業をしていたが甘えられたり、愛央が応援してきたりするのであじしようにもどうしようにもならん。


あお「ねぇたっきゅん」

たく「あに」

あお「入社式後の練習、やる?」

たく「あにがだよ。あれか?」

あお「あれっ」

たく「噺覚えてるから今更やる必要はないかな」

あお「私、チア踊っておかないと本番で固まるくせあるから・・・」


愛央の固まり癖も相変わらずである。だがそのままにしておくのもあれだったので。


たく「踊りたい?」

あお「朝チアやってないもん!」

たく「ツインテにして応援したい?」

あお「えっ!!うん!」

たく「じゃあ作るよ」


そして俺は髪を手に取りツインテールを作った。愛央がふんわりした妹になったところで入社式に出席する時間になった。


たく「はー、人多すぎだ」

あお「でもっ、みんな同期だよ」

たく「だけんがこんな不安になるのは普通だろうが」

あお「愛央の髪見てっ」

たく「さっきツインテ作ったばっか・・・あれ?」

あお「ツインテに、チアを加えたの!」

たく「たしかに・・・」

あお「あとで応援するからねっ。たっくん」

たく「ありがと」


そして入社式が終わると部署ごとに分かれる・・・のではなく、そのまま今日は勤務終了になり俺らは部屋に戻る・・・んじゃなくて父親の部屋に呼ばれた。速攻で愛央は親父に抱きついている。


たく「おつか〜、帰ってきたよー」

昭仁「おつか〜」

あお「ぎゅーっ♡」

昭仁「あっかわらずだな・・・」

たく「穏やかじゃない」

あお「たっくん、どこいく?」

たく「あんた応援するんじゃなかったのかよ」

あお「あっ、忘れてたっ」

たく「だめみたいですね(呆れ)」

あお「やらせてっ!ちゃんと応援するから!」

たく「これ、大丈夫系?」

昭仁「うーん・・・」

たく「だめみたいですね(諦め)。愛央、やる?」

あお「じゃあ、フレッ!フレッ!たっくん!」

たく「えっ、ちょ」

あお「たっくん、ふぁいとっ!ぎゅ~♡」

たく「ありがと」

あお「ふふっ」


そしてようやく部屋に帰ってきた。俺は毎日15分寝るようにしている。体が疲れ切っちゃうからね。


あお「たーっくんっ」

たく「ねっむ。あもう15分立った?」

あお「うん。ご飯食べよっ」

たく「何食べたい?」

あお「愛央はたっくんの麻婆豆腐食べたい」

たく「作るかぁ・・・」

あお「フレーっ、フレーっ、たーっくんっ!がんばれ~っ!」

たく「用意早すぎだろ何したし・・・・」

あお「Let's Go!Fight!」


俺はそう言いつつ豆腐をさいの目に切り始めた。愛央はずーっと後ろで応援している。15分で麻婆豆腐を作り終えると、あいちゃんと先生が帰ってきた。


あい「たったー!!!」

たく「おけーりー。こんにちは。いつもありがとうございます」

先生「こんにちは。ちょうどお昼の時間でした?」

たく「うちのマドンナが俺の麻婆食いたくてしたがないもんで」

あい「あーおー!たべよー!」

あお「待って。たっくん待たないと」

あい「きゅぴ〜!」

たく「ということではいそうなんですよ。ではまた明日よろしくお願い致します。はい失礼しますー」

あお「たっくん、食べよっ。冷めちゃうよ」

たく「やっ・・・べぇ・・・」

あい「あいたんたべたーい!」

たく「3人前なのに二人分しかないわ・・・」

あい「きゅぴ・・・ひっく・・・」

あお「たっくん作るの?」

たく「やり直しかぁ」

あお「大丈夫!愛央とたっくんで半分ずつ分けて、それをあいちゃんにあげようよ」

あい「きゅぴ・・・?」

たく「泣かない泣かない。食べれるから」


愛央の提案により、二人で少し分けてあいちゃんにあげることにした。泣きそうだったあいちゃんは泣きやんで、もぐもぐ食べ始めた。


あお「おいしい?」

あい「きゅぴ。だれがつくったの?たったー?」

たく「うん、一応俺」

あい「おいちー!」

あお「うん!たっくんってすごいね!」

たく「すごくはないよ・・・」

あお「ぎゅーっ・・・」

たく「食っちまえって・・・あれ?」


愛央は珍しくお昼寝をしていた。入社式で疲れたからかも知れない。あいちゃんもそのうちに寝てしまい、気づけば俺も寝ていたのであった。

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