第64話 春のダンス大会に向けて!
「今日から『春のクラス別ダンス大会』に向けて練習を始める!」
「「えぇー!!」」
ロングのホームルームの時間。先生の一言でクラスから悲しみの雄叫びが上がった。
だ、ダンスだと……。俺がこの世で一番嫌いな運動!
中学の時も体育祭の時期になったら応援のダンス練習が始まってテンションが下がった。そして俺はダンスが苦手なことから一、二年生の時は本番の体育祭当日を休み。三年生の時は強制参加で本番に出ることとが、ダンスが下手、皆無過ぎて一番後ろのほぼ正面からは見えないところで踊らさせられた。
俺が出る意味ないじゃん!!なんて思ってもみんなの情熱と雰囲気を崩すわけにはいかないので言えない。陰口を言われてもグッと堪えたものだ。
偉いぞ幸太……。我ながらそう思う。
「ダンスかぁ、ダリいなぁ」
「あぁ。最悪災厄だよ……。
「そういえば
「お前、人の心えぐるの上手だよな」
あぁ。去年は感染症の関係で、体育祭が短縮されダンスが無しになり、春のダンス大会もなかった。
なのに、なんで今年はあるんだよ!!
ダンスなんて練習して何になるんだよ、勉強してる方が将来に繋がるし、マシだよ。マジで。
「「はぁ……」」
二人揃ってため息をついていると
優香以外の女子に対してはまだ恐怖症が治ってないので、体に緊張が走る。
「ねぇ、真島くん。君、ダンスすごい下手らしいじゃん」
「あ、うん」
俺はダンスが下手なクラスのキモ陰キャで認識されているのか!?
「幸太有名人じゃん」と言って茶化してきた陽太の首を締めながら、一軍女子の方を見た。
「だからさ!」
「うん……」
「ダンスが踊れるように真島くんにダンスの先生をつけることになりました!」
申し訳な!! 俺を指導してくれるJK……。怖すぎる。
「でも、上達するかなぁ。俺、ほんとダンス下手だからさ、当日休んでもいいけど……」
「だめだよ!クラスのみんなで団結してがんばりたい!
か、可愛い&優しい……。
JKでも優香みたいないい人はいるんだなぁ。
「な、なんで幸太なんかに……。ぼ、ぼくちんもダンス皆無なんでしゅぅ〜。専属の可愛い先生つけて欲しいなぁ〜」
「わかった!」
そう言うと一軍女子の子は、クラスでダンスが上手で有名な
「はい!河合くんを陽太くんの先生にするねー!」
「俺は男と馴れ合うつもりはない!!JKがいい!!!」
「……あん? 調子乗んなよテメエ」
「す、すみません」
やっぱりクラスの一軍女子は誰であっても優しい反面、怖い。
陽太は元気と活力を失って絶望している。どうなる!春のダンス大会!???
「そういえばさ! 僕のダンスの先生っていうのは誰かな?」
「あぁ!それね。真島くんの先生は
「え!!ゆ……綾間さん!?」
そういえば優香は元国民的人気アイドルグループの『mixトラップ』センターだったんだ。ていうことはダンスのプロの指導を受けられるってことか……。
それも優香に。
「陽太……。春のダンス大会超絶楽しくなりそうだな!」
「それお前だけだよ」
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