9話 散髪




~♪~~♬︎~




落ち着く音楽が流れているが


今の状況はとても落ち着けない





「んーむっずかしいな……どんなのが好みなわけ?これとかどーよ旭」





スッ…



友人がヘアカタログを指差した





「………ごめん…モヒカンは…ちょっと…」










「あ、旭真面目に受けすぎ」あはゃひゃひゃ










「聖の息子なのに 掴みどころわかんないわ~」







……………どうすればいいんだろう






「………これで いいです」スッ





前髪が左右で別れる髪型にした




「…こーんな感じになるけど 大丈夫?」






顔が全部出るな………そりゃそうか…






「ちょっとハードル高かったみたいなんでこっちにして貰えますか?」ははっ





こいつにはほんとに助かってる






「…ほほ〜!これいいかもね!右目か左目が隠れるからセンター分けよりハードル低いわよきっと」










「………悪くないかもな…これでお願いします 右目の方を…眉下辺りで」









「いーじゃんいーじゃん!!了解!」











「俺 見守ってるな!向こうで!後でな!」






こいつはもうそろそろ爆睡だろう







「ガーーーーッ…ガーーーーッ…」





案の定爆睡だ 何か盗られてもしらないぞ





「いーんじゃないのー!」



チャキッ…チャキチャキッ……











「すみません あいつうるさくて」











「いーのよ!今は他のお客さんも居ないし!…てか 前髪はすぐ伸びるから またいらっしゃいな」










「………はい 今度はお題払います」










「前髪ちょっぴり整えるだけでカット料頂いちゃうのは悪いから…トリートメントもしてあげるわ」ふふっ










「………値段はほぼ同じでしたがとても損なような」









「友人の息子なのに 何も出来ないだなんてむず痒いのよ!良ければ受け取ってちょうだい」











「…………はい……またお願いします…///;」










「………んま〜!こんなんじゃ明日からモテモテで即ハーレム完成よ〜!」










「あ、旭?!めちゃくちゃ良いじゃねえか!」











「起きたか…そこ シワになるぞ?ブレザー」











「旭がイケメンになった!嬉しーななんか!お前元々イケメンだったけどこっちの方が圧倒的にいいぜ?!」クワッ










「あ、ありがとう……;」





瞳が綺麗だ 顔立ちがいいね


母のこともあってか社交辞令だと思ってた


何事にも正直なこいつが言うと 信じかける




「よし!このままどっか店で服でも買おうぜ!モールが出来たらそっちも行こう!」





グイッ…





「え?あっおい待て……すみませんっありがとうございましたっ!;;」








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