第7話 三匹のお供
登校中。
クラスメイトの田中桃太郎くんがお供をスカウトさせられている場面に出会した。
一匹目は猿。
なんの変哲もない日本猿だ。
「桃太郎さんお腰につけた玉袋一つ私に下さいな」
要求がヤバかった。
吉備団子ではなく玉袋。
うら若き女子中学生である私にはあまりにキラーワード。
「いいよ」
田中くんはあっさり快諾。私は混乱を禁じ得ない。
二匹目は犬ではなく牛だった。
「桃太郎さんお腰につけた玉袋一つ私に下さいな」
お前もかい。
田中くんのアソコ大人気だ。
「いいよ」
またしても快諾。金玉というのは百均とかで売っているのか?
三匹目も雉ではなかった。
というか人。
どピンクのフリルドレスに身を包んだ成人男性であった。
猿、牛、オネェ、選出基準が読めない。
「ごめん僕の玉袋は無くなってしまったよ、君を雇えない」
田中くんがオネェさんに謝る。
するとオネェさんは首を横に振り。
「竿があればそれで良い」
二人は握手をかわして三件目の契約は成立。
一行は完成し、私の思考は停止していた。
彼らの鬼退治はこれからだ。
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