第6話 燃えるゴミの日

 「これ燃えるゴミだっけ?」

 旦那が見せてきたのはターミネーターだった。


 在宅勤務が増えた旦那が珍しく、家事の手伝いと称して明日の為、燃えるゴミの準備をしている。

 「これ燃えるゴミだっけ?」

 旦那が見せてきたのはサングラスと革ジャンを装備したアーノルド・シュワちゃん。

 「これ金属とか使われてる?」

 旦那がキョトンと聞いてくる。

 私は呆れながらこう言った。

 「使われてるわよアンドロイドなんだから当たり前でしょ」

 「あ、じゃあ燃えないゴミか」

 今度はあっけらかんと済ませようとする。

 私は呆れながらこう言った。

 「違う違う燃えるゴミよ、収集車の人たちが持って帰って溶鉱炉に突っ込んでくれるの、そうしないスカイネット生まれちゃうでしょ」

 「分かったじゃあ明日の朝捨てとくね」

 満足げに頷く旦那を「ちょっと待って」と呼び止めて。

 私は呆れながらこう言った。


 「明日は燃えないごみの日よ」

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