第5話 裸足の旅
裸足で歩く。痛い。
アスファルト、痛い。岩石に似た鋭い痛みと無愛想なだけど柔和な熱。
コンクリート、痛くない。平たくて安定しているけど何か冷たい。
マンホール、痛くない。見知った模様も足裏ではヘンテコな凸凹、謎の親近感、熱はないけど悪くはない。
砂利、痛い。上から押さえつけると砂と小石の不破が皮膚を突く、寄り添うように滑らせると指の間や土踏まずを可愛がってくれる。くすぐったあい。あ、砂利はやはりジャリジャリしている。笑い。
謎の鉄板、痛くない、冷たい。
草、痛くない。少し怖い。柔らかいけど優しくはない。生き物であると実感する、草も土も自分も。
裸足で歩く。やはり痛い。
痛みを伴わないと立っていることもできない。
それが私の徒歩五分の世界旅行。そうやって生きていく。
「帰ったら続きを描こう」
裸足で歩く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます