第3話 分かれ道

 次の日の午後。

サーヤが午前中の内に今日の分のお手伝いを終わらせて、

お昼ご飯を食べたあと、アイリーンを連れて街の花屋さんで花を買うと、

教会でお父さんとお母さんの事を祈り、そこから教会の裏を回って、

二つの森が繋がっている場所に来ました。

アイリーンはそこで左側の森の入り口を見ました。

その向こうには、穏やかな風景が映し出されていました。


ふと、よく見ると、何か、人影のようなものが、

手招きしているように見えました。

「お姉ちゃん、森の奥に誰かいるよ?」

と言われたサーヤが森の方を見ると、

そこには人影のようなものなどありませんでした。

アイリーンはその人影のようなものが気になりながらも、

サーヤと共にお父さんたちのもとへと向かったのでした。


 二人のお父さんたちのお墓は、奥の方にあります。

二人はお墓にご挨拶すると、買ってきたお花を飾ってあげました。

その帰り道、元の分かれ道にきた時、アイリーンは言いました。

「お姉ちゃん、あの森、ちょっと行ってみたい。」

サーヤは迷いました。

なぜなら、おじいさんに”近づいてはいけない”とは言われたものの、

サーヤも森の事が気になっていたからです。

ふと空を見ると、太陽はまだキラキラと輝いていました。

「本当に少しだけなら、いいよ。いこう。」

と、サーヤは言いました。

そして、アイリーンの手を引いて、森の中へと入っていったのでした。

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