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01:48

時計の時間にも慣れてきた。

夜中に目が覚めた時にこの時間を見ると少し安心する。

だがなんだかとても疲れている。

寝汗とかでびっしょりだ。


一先ずシャワーを浴びて頭を整理していこう。

今回の夢は前日の夢の比じゃないくらいに寝ながら体力を使っていたようだ。


仕事が終わった時よりも体の重さが増しているような気がする。


怖い夢では無かったのだが。


いやある意味怖いのかもしれない。


何故こんな夢を見たのだろう


俺は童貞なのに



気が付くと俺はうつ伏せに寝ていた。


辺りは真っ暗で、全く何も見えていない。

今自分が全裸でいる事だけは感覚でわかった。

また全裸だ。


何となく寒いような気がして、俺はうつ伏せのまま身を縮めようとする。


すると俺の動きに反応したかのように何かが俺の下でもぞもぞと動き出した。


俺は気が付いた時にここが大きなベッドの上だと何故だかわかっていた。

だが俺は自分が何かの上に覆い被さるように寝ていた事を全く自覚していなかったのだ。


はっとして背を反らし自分の寝ていた筈のベッドを見下ろすと同時に段々と暗闇に目が慣れてきて、やっと自分の下にある物が何かわかった。


俺の目線の先には2つの桃色の乳首がある。


乳首だけではない。

乳首との周りには膨らんだ乳房もある。

正確に言えば、裸体の女性が俺の下にいたのだ。


どうやら俺は女性に覆い被さるように寝ていたようだ。


あり得ないシチュエーションが実に童貞の見る夢らしい。


現実では映像でしか見た事の無い乳というものをしばらく凝視していたがふと自分の目が暗闇に慣れてきていた事を思い出し、周りを見渡してみる。


俺と女性が寝そべっているのは確かにベッドだった。

それも二人では持て余す程、キングサイズよりもまだ大きいベッドだ。


更にベッドの外側へと目をやると四方全てが黒い壁に囲まれている。

ドアらしきものは見当たらなかった。


俺はこんな所で男女裸で何を、と思い再度女性を見下ろすがここで奇妙な事に気づいた。

日本人的な肌色の美しい肢体が見えている、

が、

女性の顔だけがどうにも見えないのだ。

確かにある筈なのだが。


暗闇に目が慣れてきた筈なのに女性の顔だけが目を開けたばかりの夜中のように暗かった。

そこで俺は女性の顔をどうにか確かめようとして

首筋に手を当て撫でるように顔へと滑らせた。

女性は何も反応しない。


顎から唇、鼻と確かめていくが人の顔である以外どのような顔であるとかはわからなかった。


そう思いながら目元まで手が進むとそれまで何の反応も見せなかった女性が急に両手を俺の首に回し、強く抱き寄せた。


これと同時に俺は顔が見えないとか、部屋にドアが無いとか、そんな細かい事は考えなくなってしまった。


下から首ごと抱き寄せられて視界の暗い状況で、女性が両足を開いたのが目を閉じながら何かを思い浮かべた時のようにはっきりと目に映った。


俺は何も考えずに開いた足の間に腰を挟み込むように下ろし、

そのまま女性に侵入した。


痛みの無い軽く締め付けられるような感覚。


相変わらず女性の反応は無い。


ただ俺が視界をほぼ塞がれた状態で一心不乱に腰を降り続ける。


俺が侵入している所の実物は実際どのようなものなのかはわからないが

今夢で味わっているこの感触は快感ということで間違いは無いだろう。


そして徐々に体の中心から熱がこみ上げてくるような感覚と共に絶頂への到達の予感がした。

息の荒らさと相まって俺の動きはより激しさを増し、

そのまま女性の中で果てに達した。


自分の先から出ていく感覚がはっきりとある。

全て残さず絞り出されたようだ。


女性は結局何の反応もする事無く、ただ行為が終わってもまだ俺を抱き締め続けていて、

疲れ果てた俺はそのまま夢の中で更に深い眠りにつくよう

視界が閉じていった。



ここで夢の記憶は終わっている。


実際にしたらこんなに疲れるのだろうか。

それとももっと?

童貞の俺には今感じている疲労が実際のものにどれだけ近いものなのかがよくわかっていない。

自慰行為の後に良く似た感覚だがそれよりはもう少し疲れているような気がする。


しかし夢の中で脳が再現した快感は本物の自慰かセックスに限り無く近いのかも知れない。


起きた時に股間がぬめっとしている感覚があり、手で触ってみるとおよそ10数年ぶりに夢精していたからそうなのだと思う。


夢で童貞卒業をした俺はこれから


「初体験はいつ?」


と聞かれれば


「夢の中で済ませたので何歳かはわかりません。」


なんて答えるんだろうか。


そんな事を聞かれるような機会なんて無いと思うが。


書いてて恥ずかしくなるような日記だ。


しかし女性の顔だけが見えなかったがもうどうでも良い程にとてもリアルな夢だった。


シャワーを浴びながら俺は

夢を思い出してもう一握りしてしまう程に。

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