第五話 榎本武揚

         7 箱館戦争






 宮古湾には官軍艦隊が迫っていた。

 青森の官軍も上陸の機会を狙っている。

 青森の黒田了介らは軍儀を開いていた。

「あの餓鬼はどこにいった?!」

 黒田は獅子舞いのかつらをかぶったままだ。餓鬼とは、同じく政府軍蝦夷征伐参謀の山田市之丞のことである。

 ……あの餓鬼が! 軍儀にも出んと昼寝でもしとっとか?!

 青森の官軍はほとんど薩摩隼人たちである。

「ニセ情報じゃなかとがか?」

 官軍海軍総参謀・石井富之助はそういった。

 黒田は「まだわからんど」という。

「榎本海軍が動きをみせちゅうは本当ではごわさんか?」

「まずは…」黒田了介(のちの清隆。首相)は続けた。「まずはニセ情報かどうかは密偵を出して決めるのがよごわさんか?」

 昼寝から起きたのか、山田市之丞があわててやってきて、

「榎本に甲鉄艦をとられたらどけんする?」といった。   

 黒田は激昴して、

「このガキが! なにぬかしとる!」と喝破した。

 しかし山田も負けてはいない。

「アボルダージを知っとっがか?!」

「アボルダージくらいおいも知っとる!」

 黒田は声を荒げた。

「ほんとに知っちゅっがか? あぁ、薩摩(鹿児島県)と違うてすうすうするばい」

「このガキ!」

 黒田は山田に掴み掛かった。

 途端に取っ組み合いの喧嘩になる。

「おいどんをナメるんじゃなか!」

 黒田了介は声を荒げる。

「おいは何も黒田はんばナメとりゃせんが!」

「その言い方が気に入らんのじゃ!」

 官軍の部下たちはふたりをとめた。

「黒田先生も山田先生も……戦うのは薩摩じゃなかど! 戦ばするのは榎本ぞ!」

 ふたりはやっと取っ組み合いをやめ、冷静になった。

「……そげなこつ、わかっとっとばい」

 ふたりはいった。


 結局、蟠竜丸ははぐれ、回天丸だけでの「アボルダージ」となった。

 甲鉄艦にはのちの日露戦争の英雄・東郷平八郎が三等士官として乗っていた。

 東郷平八郎まだ若く、軍略も謀略もできない青二才だった。

 東郷は双眼鏡で海原をみながらにやにやと、

「アボルダージって知っとうか?」と仲間にいった。

「……アボルダージ? 知らん」

「まず第三国の国旗を掲げて近付いて、それから自分の旗にして攻撃するのさ」

「そげん卑怯なマネ許されっとでごわすか?」

「いや、卑怯じゃない」

 東郷平八郎は笑った。

「国際法でも認められている立派な策さ」

 そういいながらも、何やら艦船一隻が近付いてくるのが気になった。

「あれはどこの国の艦だ?」

 双眼鏡で覗いて見ると、アメリカの国旗を掲げている。

「………メリケン艦か…」

 東郷平八郎はどこまでも愚鈍だった。

 仲間は「あの船がアボルダージ艦だったら……」という。

「まさか?! 俺は海軍にはいって幕府とも戦ったが実際に”アボルダージ”した艦などみたことないぜ」

 しかし、予想は外れる。

 艦(回天丸)は、米国国旗を下げ、日の丸の国旗にかえた。

 ……”アボルダージ”だ!

「アボルダージ! アボルダージ! 砲撃せよ!」

 東郷たちは動揺を隠せない。

 甲鉄艦に、回天丸はすぐに接近した。

 と、同時に回天丸は砲弾を甲鉄艦に撃ちこむ。が、やはり鉄で弾かれる。

「乗り込め!」

 土方歳三の号令で、回天丸にのっていた榎本脱走軍の兵士や新選組たちが甲鉄艦に乗り込む。目的は、甲鉄艦奪取、アボルダージである。

「斬り込め! 斬り込め!」

 さすがは剣豪・土方歳三である。次々と官軍兵士を斬り殺していく。

 が、もはや時代は剣ではなく銃である。

 すぐに官軍は回転式機関銃を撃ってくると、榎本兵たちはやられていった。

 いわゆる初期のガドリング砲は、大砲ほどの大きさがあった。

 ガドリング砲の銃口が火を吹くたびに、榎本脱走軍兵士たちは撃たれて倒れていく。

「くそったれめ!」

 土方はガドリング砲を撃つ官軍たちの背後から斬り込んだ。そして、ガドリング砲を使って官軍兵士たちを撃っていく。が、戦にはならない。次々と官軍艦隊がやってきて砲撃してくる。土方はひととおりガドリング砲を撃ったところで、回天丸に飛び乗った。

 ……アボルダージは失敗したのだ。

 回天は全速力で甲鉄艦から離れた。遁走した。

 官軍の艦隊や甲鉄艦からも砲撃をうけ、回天丸は大ダメージを受けて、港にもどってきた。アボルダージが失敗したのはいたかった。が、それよりも貴重な兵士たちを失ったのもまたいたかった。

 榎本は、

「こんなことならアボルダージなどしなければよかった。べらぼうめ!」

 と悔がった。

 土方歳三は、なにをいまさらいってやがるんだこの男は! と怒りを覚えた。

 とにかく新選組隊士まで損失を受け、大打撃であった。


 雀之丞の弟・大塚浪次郎が戦死した。

「浪次郎!」

 兄の大塚雀之丞は号泣し、遺体にすがった。

 榎本武揚がきた。

「君の弟は優秀な人材であった。惜しいことだ」

武揚は労った。

 涙で顔を濡らしながら、雀之丞は、

「弟の死は犬死にですか?! 総裁!」と声を荒げた。

 榎本は戸惑ってから、

「戦は殺しあいだ。新政府があくまでもわれら蝦夷共和国を認めないなら、戦うしかない。これは”義”の戦ぞ! 蝦夷は新天地だ」

「……しかし…新天地が血に染まりまする!」

「”義”の戦では勝つのはわれらだ。薩長には”義”がない。勝つのはわれらだ!」

 榎本はどこまでも強気だった。

「……そうですか……」

 雀之丞は涙を両手でふいて、いった。

「新天地なら義の戦ですね? 弟の死は犬死にではなかったのですね」

「そうだ! 大塚雀之丞……励め!」

「はっ!」

 大塚雀之丞は平伏した。

 そして、ハッとした。

「そうだ! 総裁! これを!」と何か懐から取り出した。

「……なんだ?」

「これです!」

 大塚雀之丞は赤い財布を差し出した。

「…総裁の奥様にあってこれを渡されました」

「なに?! 多津の?!」

 武揚は驚いた。

「はい!」雀之丞は笑顔をつくった。「もったいなくて銭は使っていません。これを総裁に返します」

 武揚は無言で何か物思いに耽っていた。

「総裁!」

「いや、それは君がもっていてくれ……多津もよろこぶだろうて」

「総裁の奥様は大変に優しい方で、美人ですし若いですし、総裁が羨ましいです」

 雀之丞の言葉に、榎本武揚は笑った。

明治二年(一八六九)三月二十八日東京遷都……


 明治三年(一八六九)三月十九日江戸……

 勝海舟と妻・民は江戸の屋敷でひなたぼっこをしていた。

 勝は「……徳川家臣にもどって静岡にいこうけぃ」といった。

 民は「それがいいかも知れませんね」と頷く。

「どうせ徳川家は駿河でおわりだ。おいらは幕臣たちに恨まれているからなあ。江戸にいったほうがまだいいぜ。おいらは江戸っ子だ。この静岡というのはおいらにあわねえんだ」 

そんな中、「勝の裏切り者! 勝の裏切り者!」と罵声がきこえ、投石された。

 民は驚いて目をとじた。

 ふたたび目を開けると、夫の勝海舟の額から血が流れていた。

「……あ、あなた!」

 しかし、勝海舟は血をふこうともせず、にやりとした。

「裏切り者けっこう! おいらの幕引は間違いじゃねぇってんだ」

 妻・民は唖然として何もいえなかった。

”維新最高の頭脳”勝海舟はその後も長生きし、七十七歳で世を去る。


榎本脱走軍の全軍の兵力は二千に過ぎない。

 江差に松岡四郎隊三百

 松前に伊庭八郎隊(いば・カズヌーブふくめ)四百 

 室蘭に沢隊三百

 大鳥圭介と岩村隊二百

 五稜郭に星恂太郎隊八百

 千代ケ岡に大砲を設置

 江差にも大砲を設置


          

 若く可愛い看護婦と、榎本脱走軍の兵士の若者・英次郎はおさえとデートした。

「君、今好きなひととかいるの?」

 英次郎は勇気をふりしぼってきいた。

 是非とも答えがききたかった。

 おさえは頬を赤らめ、

「えぇ」

 といった。

 純朴な少年の感傷と笑うかも知れないが、英次郎はおさえが自分のことを好きになっていると思った。

「それは誰?」

「…ある人です」おさえは顔を真っ赤にした。

 そして「あのひとはもう治らないとやけになっているんです」と吐露した。

「………治らない? なんだ……俺のことじゃないのか」

「すいません」

「いや!」英次郎は逆に恐縮した。「いいんだよ! そのひと病気治るといいね」

「……はい」

 おさえは可憐に去った。

「ふられたか? 英次郎」

 兄・恒次郎はからかった。弟は「そんなんじゃねぇや」といった。

 ふたりは相撲を取り始めた。

 兄が勝った。

「元気だせ。もっと可愛い娘がいっぱいいるって」

「だから! ……そんなんじゃねぇって」

 ふたりは笑った。

 まだ恋に恋する年頃である。


 五稜郭の城内では、若者たちが英雄をかこんでいた。

 英雄とは、あの土佐の坂本龍馬を斬った男・今井信助である。

「今井さんはあの龍馬を斬ったそうですね?!」

「…まぁな」

「龍馬を斬ったときどんな気持ちでしたか?!」

 若者たちは興奮して笑みを浮かべながらきいた。

「うれしかったよ。なんせ薩長をふっつけた売国の男だからな」

「龍馬はどういっていましたか? 死ぬとき…」

 若者は興奮で顔をむけてくる。

「なんもいわなかったよ。でもやつは頭を斬られて死んだんだな」

「へぇ~っ」

 若者たちが笑顔で頷いた。

 かれらにとっては龍馬は明らかな”敵”である。


 明治三年(一八六九)四月九日 乙部……

 敦賀藩、弘前藩など官軍三万が乙部へ上陸した。

 蝦夷征伐参謀は山田市之丞(二十五歳)である。かれは大村益次郎の弟子であった。

 榎本脱走軍は敗退、官軍は蝦夷(北海道)の乙部に上陸した。

 江差に官軍が艦砲射撃をする。

 次々と榎本軍はやられている。榎本脱走軍の大砲の弾丸は、官軍の艦隊に届かない。

 根部多村でも、圧倒的人海戦力で官軍が圧倒的優位にたつ。

 銃撃戦は続く!

 土方は新選組の部下島田魁に、「新選組らの剣のたつやつを集めろ!」と命じた。

「はっ!」

 土方新選組対官軍の戦いになった。

 陣内の山田市之丞に黒田了介は、

「ひきのばし策など愚策でごわす!」と文句をいった。

 山田市之丞は、

「……ひきのばしけっこう。どうせ榎本脱走軍は自滅する」

「そげんこつわかっとか!」

「そうでごわすか?」

「ふん!」黒田了介は「榎本武揚は賊軍ながらあっぱれな男じゃ。敵ながらあっぱれじゃっどん。殺すには惜しか男じゃ」

 江差沖で、松前で、四月十七日、榎本脱走軍やぶれる。

 木之内でも十九日榎本脱走軍やぶれる。

 箱館湾、でも形勢不利……                 

 矢不木でも榎本大砲の砲弾は官軍戦艦に当たらない。

「なにしとる?!」

 榎本は直々にやってきた。銃弾や砲弾が飛びかう中でのことである。

「……あ! 総裁!」

「俺がやる!」

 榎本は大砲を撃ち始めた。しかし、なかなか当たらない。

 が、奇跡か、砲弾一発が官軍艦に当たり爆発して海に沈んだ。

 木之内ではカズヌーブと榎本軍の伊庭八郎は、敗退を続ける隊員を尻目に、銃弾が飛び交う中を進軍した。森の中で、ふたりは「これは義の戦だ!」といいあった。

 伊庭八郎は、「カズヌーブ、おぬしはフランス人……もういい。投降しても罪にはとわれないぞ」と諭した。

 しかし、カズヌーブは「わたしも戦います。わたしはフランスのサムライです」

「そうか」伊庭八郎はにやりとして、「フランスにもサムライがいるんだな」

 といった。

「その拳銃の弾はあと何発残っている?」

「いっぱつ…です」

「そうか」

「わたし、死なないね。おまもりもっている」

「おまもり?」

「これです」カズヌーブは絵を見せた。それは伊庭八郎の錦絵だった。

片腕を失っても勇敢に戦う伊庭八郎は当時、人気があった。「これは俺じゃないか」

「そうです。あなたは英雄です。あなたもわたしも死なないね」 

そんな中砲撃があり、爆発が近くで起こった。カズヌーブは額から出血した。

 しかし、伊庭八郎は直撃を受けて血だらけで倒れていた。

「伊庭さん?! だいじょうぶですか?」

「………カズヌーブ…」

 伊庭八郎は脇差しをもって切腹した。「かいしゃくを!」

 カズヌーブは動揺したが、「分かりました」といい銃口を伊庭八郎のこめかみに当てて引き金をひいた。

 砲弾が飛び交う。

「やあああ~っ!」

 カズヌーブは進軍する官軍に剣を抜いて叫んだ。

 しかし、官軍は「外国人にかまうな!」とかれを無視して進軍していった。

 官軍絶対的優位で、ある。                            

         8 土方死す






 埃まみれの軍服のカズヌーブは彷徨った。

 あたりには銃弾や砲弾が乱れ飛ぶ。

「八郎……きみは本物のサムライだった」

「外国人にかまうなーっ!」官軍は進軍する。 

 戦がひとやすみしたところで、激しい雨が降ってきた。

 こののち、カズヌーブはフランスには戻らず、こののち畜産指導などに従事して明治七年福島県で病死している。最期まで、日本に執着した外国人であった。

榎本脱走軍の不幸はつづく。

 暴風雨で、蟠竜丸、回天丸、千代田形が坐礁し、官軍に奪われたのだ。

「どういうことだ?!」

 榎本武揚は焦りを感じながら叱った。

 千代田形艦長・森本弘策は、

「……もうし訳ござりません!」と頭をさげた。

「おぬしのしたことは大罪だ!」

 榎本は激しい怒りを感じていた。開陽丸を失っただけでなく、蟠竜丸、回天丸、千代田形まで失うとは………なんたることだ!

 沢は「どういうことなんだ?! 森本!」とせめた。

 森本は下を向き、

「坐礁してもう駄目だと思って……全員避難を……」と呟くようにいった。

「馬鹿野郎!」沢は森本を殴った。

「坐礁したって、波がたってくれば浮かんだかも知れないじゃないか! 現に官軍が艦隊を奪取しているではないか! 馬鹿たれ!」

 森本は起き上がり、ヤケになった。

「……負けたんですよ」

「何っ?!」

 森本は狂ったように「負けです。……ジャンプです! ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ!」と踊った。

 沢太郎左衛門も榎本武揚も呆気にとられた。

 武揚は茫然ともなり、眉間に皺をよせて考えこんだ。

 いろいろ考えたが、あまり明るい未来は見えてはこなかった。

 五稜郭城で、夜を迎えた。

 官軍の攻撃は中断している。

 中島三郎助や土方らは辞世の句を書いていた。

 ……もう負けたのだ。榎本脱走軍たちのあいだには敗北の雰囲気が満ちていた。

「土方くん出来たかね?」

「できました」

「どれ?」

 ………叩かれて頭もたげる菜ずなかな……

 これが土方歳三の辞世の句である。


「土方くん」

 榎本は土方を呼んだ。

「なんですか? 榎本総裁」

 土方歳三は榎本の部屋に向かった。榎本は「実は最後の戦にあたり、君に話がある。近くの農家を用意してある。そこにいって待っていてくれないか?」といった。

「農家? ……なんの話ですか?」

「それはそこで話す。案内させよう」

 榎本は無理に笑顔をつくった。

 土方は訳がわからず、首をかしげた。

 その深夜、案内されて農家についたが、誰もいない。

 土方歳三は農家の中にはいって、蝋燭の薄明りの中、腰の刀を抜き腰掛けた。

「榎本総裁は何を考えているのだ?」

 すると、奥から井上ちか子がきた。

「ちか子さん!」

 土方歳三は驚いた。「なぜここに?」

「榎本総裁にお願いいたしましたの……」ちか子はいった。

「そうですか。……しかし、私はゆっくりとあなたと話していられません。もうすぐ戦もおわるでしょう」

「そうですか…」

「あの世にいったら待っている近藤さんや総司がなんというか。実は楽しみなんですよ」 

土方は苦笑した。

「駄目です!」

 ちか子は声をあげた。

 土方は無言になった。

「駄目です! 生き残ってください! 死なないでください!」

 井上ちか子は土方にすがった。

「………ちか子さん」

 ふたりはそのまま一夜を明かした。


 榎本武揚は最後まで一緒だったフランス人ふたりを脱出させることにした。

 カズヌーブとブリュネである。

 外国人ふたりは涙を流した。

 榎本は観極まりながら「カズヌーブさん。ブリュネさん。これは日本人同士の戦いだ。あとはもうよいのです。品川では一緒にジャンプしましたが、もうわれらとともに討ち死にしなくてもよい。お国にかえって活躍してください」

 と頭を下げた。

「いままでありがとう」

 カズヌーブは「日本にあなたのようなひといるかぎり、西洋に追いつくのに百年かからないだろう」と涙声でいった。

 ブリュネは「日本人、少し命そまつにしすぎます。命は大切なものです」

 といい続けた。

「蝦夷共和国万歳! 命大切に……パリであいましょう」

 ふたりは榎本と堅い握手をかわした。

 ブリュネはフランスに戻ったのちに陸軍将軍となり、明治四十四年に死亡している。


 榎本脱走軍は早朝に官軍陣地へ奇襲をかけた。

 榎本軍と官軍がはげしくぶつかりあう。しかし、官軍は多勢に武勢……榎本軍は遁走をよぎなくされる。

 五月十一日、箱館湾の官軍艦隊に「錦の御旗」が掲げられた。

 それを双眼鏡で見て、榎本は深い溜め息をもらし、肩をすくめた。

 榎本はいう。

「十年先、五十年先に俺の考えを誰かが叶えてくれればいい。しかし……百年先では遅過ぎる……」

「……釜さん」沢はなんといっていいかわからなかった。

「この戦は義の戦ぞ! 官軍こそ賊軍だ!」

 榎本は強がりをいった。

「蝦夷共和国は永遠に不滅だ」

 五月十一日、弁台場に砲弾の嵐が舞い飛ぶ。あたりは爆発で、次々と榎本脱走軍の兵士たちが爆死していく。官軍の艦隊は艦砲を雨あられのように撃ってくる……

「べらぼうめ!」

 榎本が大砲設置場にきた。

「総裁! 危険です! 城にいてください!」

「てやんでい! こんなときに城でのんびりしてられるか!」

 榎本武揚は大砲を構え、撃った。撃ち続けた。

 すると、幸運なことに官軍の艦船に命中し、艦隊一隻が撃沈した。

「やったぞ!」

 武揚は歓声をあげた。

 しかし、戦況は榎本脱走軍の不利であった。

 千代ケ岡台の陣地も崩壊寸前、五稜郭にも官軍が迫ってくる………

 榎本は五稜郭城に戻った。

 急ごしらえで軍儀をひらく。

「このままではいかん」

 榎本はいった。

 まさしくその通りである。

 沢太郎左衛門は「官軍とわが軍では兵力が違いすぎるぜ、釜さん……いや、総裁!」

 といって頭をふった。

 榎本武揚は、

「そんなことぐらいわかっているぜ」という。

「じゃあどうする?」

 松平太郎が口をはさんだ。

「……それを今考えるためにこうして軍儀をひらいているんでぃ」

「しかし……小田原評定じゃねぇんですか?」

 そういったのは星だった。

「とにかく……」

 榎本はいう。

「軍を効果的につかって、奇襲でもなんでもして薩長軍を叩き潰せ!」

 沢は首をひねりながら、

「釜……いや、総裁。そんなことが出来るんなら今頃やっているぜ」という。

 実は、一同は不安でいっぱいなのである。

「……降伏…」

 榎本の首のあたりまでその言葉がでかかった。

 しかし、榎本はそうはいわなかった。

 一同が沈黙する。          

「じゃあ、今度は樺太にでもジャンプしますか?」

 星がいったが、誰も笑わなかった。

 榎本は咳払いをしてから、

「とにかくわが軍は徹底交戦のかまえでいく!」と強くいった。

 ……もう負けるのはわかっているじゃねぇか。

 ……総裁はやけになっている。

 一同はそう感じた。


 一本木では、新選組が藪の中にひそんでいた。

 官軍の関所らしいところがあり、官軍の馬や兵士がちらほらと見える。

「島田」      

 土方は新選組隊士・島田魁を小声で呼んだ。

「はっ!」

 島田がやってくる。

「……俺が馬にのって近付くから、合図をしたら斬り込め。いいな?」

 土方の言葉に、島田は頷いた。

 新選組はわずか十名まで減っていた。

 しかし、皆、剣客ぞろいである。

 土方は馬にのり、ゆっくりと前にすすんだ。

 かれは新選組の羽織りは着てない。黒い軍服である。

 やがて、官軍の誰かが土方に気付いて、

「おんしら~っ。どこぞのもんじゃ~っ?」と呑気にきく。

 それでも土方は答えず、馬をゆっくりと前にすすませた。側には榎本脱走軍兵士たち数名がひかえている。

「俺が誰だか知っているか?」

 土方歳三はゆっくりと低い声でいった。

「そげんこつ知らんばい」

 官軍兵士は呑気にいった。

「なら教えてやる」

 土方歳三はゆっくりと低い声で続けた。

「俺の名は土方歳三。新選組副長・土方歳三だ!」

〝鬼の土方〟の名をきいて、官軍たちは、

 ひいいぃ~っ!

 と悲鳴をあげた。

「かかれ!」

 土方は新選組たちに合図をおくる。

 やあぁあ~っ!

 新選組隊士たちは剣を抜いて襲撃を開始した。

「ひいいぃ~っ! 新選組だぁっ!」

 官軍たちは斬られて地面に横たわっていく。

 血で血を洗う惨状になる。

 土方は自慢の剣で、バッタバッタと官軍を斬り殺していく。

 しかし、それもつかの間だった。

 官軍は銃弾を土方に浴びせかけた。新選組や榎本脱走軍兵士にも……

 土方は胸や脚に銃弾をあびて、落馬し、そのまま動かなくなった。

「……近藤さん…総司……」

 土方歳三は死んだ。

 享年、三十五歳だった。

 新選組も全滅し、〝誠〟の旗もボロボロになり、地面に散った。



 箱館病院の高竜寺分院を官軍が襲撃した。

「やめて~っ!」

 看護婦や医者がとめたが、官軍たちは怪我人らを虐殺した。この”高竜寺分院での虐殺”は官軍の汚点となる。

 箱館病院にも官軍は襲撃してきた。

 高松凌雲は白衣のまま、官軍に嘆願した。

「武士の情けです! みんな病人です! 助けてください!」

 薩摩の山下は「まさか……おんしはあの有名な高松凌雲先生でこごわすか?」と問うた。「そうだ! 医者に敵も味方もない。ここには薩長の病人もいる」

 薩摩隊隊長・山下喜次郎は、

「……その通りでごわす」と感心した。

 そして、紙と筆をもて!、と部下に命じた。

 ………薩州隊改め

 紙に黒々と書く。

「これを玄関に張れば……官軍も襲撃してこんでごわす」

 山下喜次郎は笑顔をみせた。

「………かたじけない」

 高松凌雲は頭をさげた。

 井上ちか子は土方の遺体をみつけた。

「土方様! ……土方さま!」

 号泣し、遺体にすがった。          

〝誠〟の旗は火で燻って、ボロボロで、地面にある。

 ちか子の目からは涙があとからあとから溢れ出た。

 ……土方さま…

 こののち、井上ちか子は、歴史上から姿を消す。彼女がどうなったのか誰にもわからない。そして、新選組も全滅した。

〝誠〟の旗と、新選組の麻黄色の山形コスチュームを着るものはひとりもいなくなったのだ。こうして、歴史に殺戮集団として有名になった「新選組」は歴史の波に沈んだ。

 土方歳三の遺体は埋められたのだろうが、いったいどこに埋められたのか誰にも知らないという。現在でも遺体は発見されていない。

 こうして、土方も新選組も滅んだ。

 そして、榎本脱走軍の命運も尽きようと、していた。

         9 ウラルを越えて






 明治三年(一八六九)五月十九日、榎本本陣(五稜郭城)に着弾……

 高松凌雲の兄らが爆撃の被害を受けた。

 凌雲は白衣のまま、駆けつけてきた。

「……凌雲……俺はもうだめだ」

 兄は血だらけ床に横たわっている。

「それは医者が決めるんだ! 兄さん!」

「このやぶ医者め。……蝦夷の夢捨…てんな…よ」

 凌雲の兄は死んだ。

 箱館病院で、高松凌雲と官軍の黒田了介は会談していた。

「もはや勝負はつき申したばい。榎本どんは共順とばいうとるがでごわそ?」

「……そうです」

「ならば」

 黒田了介は続けた。「是非、榎本どんにおとりつぎを…」

「わかりました」

「あれだけの人物を殺したらいかんど!」

 高松凌雲は頷いた。

 五月十五日、千代ケ岡で榎本武揚と官軍の田島は会談をもった。

「共順など……いまさら」

 榎本は愚痴った。

「涙をのんで共順を」田島はせまる。

「……城を枕に討ち死にしたいと俺はおもっている」

 榎本はにえきらない。危機感をもった田島圭蔵は土下座して嘆願した。

「どうぞ! 涙をのんで共順を!」

 榎本武揚は動揺した。

 そして、「俺の夢はな。この蝦夷を日本一にすることだった。でも…それももうおわりだ。俺はここで死ぬ」

 と溜め息をもらした。

 それから榎本は田島に「少年兵たちを逃がしてほしい」と頼んだ。

「わかりもうした」

 田島は起き上がり、頭を下げた。

「これを黒田さんに渡してくれないか」

 榎本武揚は、分厚い本を渡した。

「……これはなんでごわす?」

「海陸全書の写しです。俺のところに置いていたら灰になる」

 武揚は笑顔を無理につくった。

 黒田参謀は島田から手渡された本を読み、

「みごとじゃ! 殺すには惜しか!」と感嘆の声をあげた。

「万国法の外国語本をいままでこんなにも研究しとったがか?」 

 少年兵や怪我人を逃がし見送る武揚……

 榎本はそれまで攻撃を中止してくれた島田に頭を下げ、礼した。

 そして、戦争がまた開始される。

 弁台場も陥落。

 残るは千代ケ岡と五稜郭だけになった。

 戦闘で、あの若者・英次郎が銃弾をあびて死んだ。兄・恒次郎も重傷をおう。

「………おさえちゃん…」

 恒次郎は血だらけになりながら、おさえの姿をみた。かたわらに病気の青年がいてもがいている。「いけません! 龍造さん!」

 おさえはとめたが、龍造はよろよろと歩く……官軍と戦うんじゃ!

 しかし、龍造は喀血して倒れてそのまま動かなくなった。

「龍造さん! 龍造さん!」

 おさえは泣いた。

 やがて官軍が攻めてきて、恒次郎も斬られて死んだ。

 官軍が侵攻したあと、山田市之丞はふたりの若者の遺体を発見して、

「こげな子供まで……榎本のど阿呆が!」

 と、激昴した。

 山田市之丞(顕(あき)義(たか))は戦争後、陸軍を辞め文官の道にすすみ法律を学び、日本大学の前身日本法律大学をつくることになる。のちの法務大臣である。彼を文官の道へ動かしたのは少年兵たちの無残な死にざまを見たからではなかっただろうか。

五稜郭に籠城する榎本脱走軍たちに官軍からさしいれがあった。

 明日の早朝まで攻撃を中止するという。

 もう夜だった。

「さしいれ?」星はきいた。            

「鮪と酒だそうです」人足はいった。

 荷車で五稜郭城内に運ばれる。

「……酒に毒でもはいっているんじゃねぇか?」星はいう。

「なら俺が毒味してやろう」

 沢は酒樽の蓋を割って、ひしゃくで酒を呑んだ。

 一同は見守る。

 沢は「これは毒じゃ。誰も呑むな。毒じゃ毒! おれが全部呑むからな!」と笑顔でまた酒を呑んだ。

 一同から笑いがこぼれた。

 榎本脱走軍たちの最後の宴がはじまった。

 榎本は少年兵を脱出させるとき、こういった。

「皆はまだ若い。本当の戦いはこれからはじまるのだ。五稜郭の戦いが何であったのか……それを後世に伝えてくれ」

 少年兵たちは涙で目を真っ赤にして崩れ落ちたという。


 ……ふと榎本の後ろ姿がおかしいと大塚雀之丞は思った。

 榎本は総裁室にこもったままだ。そこで大塚は様子を見にいった。

 榎本武揚はボタンを外し、チョッキを外し、腹をひろげて、脇差をもった。

「べらぼうめ!」

 ……榎本総裁が切腹する!

「大変だ!みんな大変だ!」

 大塚は榎本に飛びかかり、切腹をとめた。みんなも集まってくる。

「切腹させてくれ!」

 榎本は涙声でうったえる。

 しかし、一同はスクラムを組んで榎本武揚の脇差をとり、切腹をとめた。

 沢は「釜さん! 死ぬのはいつでも出来る! はやまるな!」といった。

「天子さま(天皇)のお裁きを受けましょう」

 一同は涙を流しながらいった。

 恐ろしいほどの静寂が辺りを包む。

 ……もう……おわったのだ。戦は…おわり……だ…


 かくして、明治三年(一八六九)五月二十七日、榎本武揚らは官軍に投降した。

 黒田了介(清隆)は榎本武揚と接見した。

 榎本は「この戦の全責任は私にあります。私は斬首でもかまわないが、他の連中のことを頼みます」と頭を下げた。

「よか! よか! もうおわったことばい!」

 黒田了介は武揚と握手をかわした。

 こうして、「蝦夷共和国」は五ケ月だけの幻に消えた。

 東京では佐藤泰然老人が、木戸考允(桂小五郎改め)につめよっているところだった。

「……釜さんたちをどうする気かね?」

 泰然老人は迫った。

「幕臣の罪人の中にお身内が?」

「バカたれ! そんな狭い良識でいうのではない。釜さんたちをどうする?」

「裁判にかけます」木戸はいった。

「殺す気かね?」

「……裁判次第です」

 佐藤泰然老人は声を荒げた。

「人材の浪費は駄目だ! 今この国を思えば……たとえ賊軍だったとしても貴重な人材は残すべきじゃ! 違うかね? 木戸さんよ」

 木戸は感銘をうけた。

 ……まさしくその通りだ!

「わかりました。泰然先生」

 多津の祖父であり順天堂大学をつくった学者・佐藤泰然はこの二年後に死亡している。 明治三年九月、榎本武揚は江戸の牢獄の中にいた。

 一番牢  新井郁之助

      松岡磐吉

 二番牢  松平太郎

 三番牢  大鳥圭介

 四番牢  永井玄蕃

 五番牢  榎本武揚

      沢太郎左衛門


 多津と祖母つるは福沢諭吉に、獄中の榎本にあえるように頼んでいた。

 福沢は笑顔でもどってきて「だいじょうぶですよ! オーケーです!」

 といった。

 多津は喜んだ。つるは「わたしはここでまっていますから夫婦水入らずでいきなさい」

 多津は牢獄の榎本武揚と再会した。榎本は白い囚人服だった。

「おお! 多津!」

「釜次郎さま!」

 ふたりは抱き合い抱擁した。

 ……何年ぶりかの再会だった。涙を流す多津と武揚……

「黒田さんが親切にいろいろなものを差し入れしてくれてな……そうだ!」

 榎本武揚は妻と離れ、ふところから何か取り出した。

「…なんですの?」

「シャボンだ。約束しただろう? またつくってやるって…」

 武揚は笑顔をつくった。

「………いただいてもよろしいのですか?」

「ああ、いいとも! お前のためにつくったシャボンでい」

 ふたりはきつくきつく抱き合った。

 抱擁、涙……榎本武揚の幻の共和国「蝦夷共和国」はわずか五ケ月の命だったというのに、それでもそれらはふたりに好ましい影響を与えたようだ。

 この二年後の明治五年にはつるはもういなかった。

 釈放された榎本武揚は、その知恵と頭脳のおかげで明治政府に重要視され、次々と出世していく。

 明治五年    北海道開拓泰任出仕

   七年    海軍中将

         ロシア派遣特命全権大使

   十二年   条約改正取調御用掛

   十三年   海軍卿

   十五年   皇居造営事務副総裁

         清国駐在特命全権公使

   十八年   逓信大臣

   二十年   子爵の位

   二十二年  文部大臣

   二十四年  外務大臣

   二十七年  農商務大臣


     …………

 大鳥圭介(学習院院長)、永井尚志(元老院書記)、新井郁之助(初代気象庁長官)、松岡磐吉(獄中で死亡)、松平太郎(北海道を開拓し、初代箱館市長に)、沢太郎左衛門(海軍兵学校教授)、星恂(じゅん)太郎(たろう)(北海道開拓)、高松凌雲(民間看護隊、日本赤十字の先駆け)、林董三郎(外務大臣)、山内六三郎(鹿児島県知事)……

 明治政府はかれらを保釈したあと、能力を発揮させた。

 明治維新の後の日本はかれらが、蝦夷共和国の彼等が支えたといってもいい。


 明治十年(一八七八)、榎本は馬車で北国の島道をすすんでいた。

 保釈後の榎本は北海道を開拓したのちロシアとの全権特命大使となり、領有権があいまいだった樺太とクリル諸島の領有権を確保した。

 榎本武揚のみごとな交渉で、樺太とクリル(千島)列島の領有権を確保したのである。 しかし、それが源で、日露戦争が勃発するのだが……

 榎本武揚は馬車を降りた。

 島の崖で、激しい風を受けた。荒波のシベリア海にはかつての仲間たち…土方や伊庭たち、開陽丸の姿が重なり、武揚は涙を流した。

 それがどんな涙であったのか……

 もはや、榎本武揚以外、知るところでは、ない。


                                  おわり


<参考文献>

なお、この物語の参考文献は日本テレビドラマ『五稜郭』(原作・脚本・杉山義法)、ウィキペディア、『ネタバレ』、池波正太郎著作、池宮彰一郎著作『小説 高杉晋作』、津本陽著作『私に帰せず 勝海舟』、司馬遼太郎著作『竜馬がゆく』、『陸奥宗光』上下 荻原延濤(朝日新聞社)、『陸奥宗光』上下 岡崎久彦(PHP文庫)、『陸奥宗光とその時代』岡崎久彦(PHP文庫)、『勝海舟全集』勝部真長ほか編(頸草書房)、『勝海舟』松浦玲(中公新書)、『氷川清話』勝海舟/勝部真長編(角川文庫)、『坂本龍馬』池田敬正(中公新書)、『坂本龍馬』松浦玲(岩波新書)、『坂本龍馬 海援隊始末記』平尾道雄(中公文庫)、『一外交官の見た明治維新』上下 アーネスト・サトウ/坂田精一(岩波文庫)、『徳川慶喜公伝』渋沢栄一(東洋文庫)、『幕末外交談』田辺太一/坂田精一校注・訳(東洋文庫)、『京都守護職始末』山川浩/遠山茂樹校注/金子光晴訳(東洋文庫)、『日本の歴史 19 開国と攘夷』小西四郎(中公文庫)、『日本の歴史 18 開国と幕末変革』井上勝生(講談社文庫)、『日本の時代史 20 開国と幕末の動乱』井上勲編(吉川弘文館)、『図説和歌山県の歴史』安藤精一(河出書房新刊)、『荒ぶる波濤』津本陽(PHP文庫)、日本テレビドラマ映像資料『田原坂』『五稜郭』『奇兵隊』『白虎隊』『勝海舟』、NHK映像資料『歴史秘話ヒストリア』『その時歴史が動いた』大河ドラマ『龍馬伝』『篤姫』『新撰組!』『八重の桜』『坂の上の雲』、『花燃ゆ』漫画『おーい!竜馬』一巻~十四巻(原作・武田鉄矢、作画・小山ゆう、小学館文庫(漫画的資料))、NHK『大河ドラマ 龍馬伝ガイドブック』角川ザテレビジョン、他の複数の歴史文献。

『竜馬がゆく(日本テレビ・テレビ東京)』『田原坂(日本テレビ)』『五稜郭(日本テレビ)』『奇兵隊(日本テレビ)』『勝海舟(日本テレビ)』映像資料『NHKその時歴史が動いた』『歴史秘話ヒストリア』映像参考資料等。

他の複数の歴史文献。『維新史』東大史料編集所、吉川弘文館、『明治維新の国際的環境』石井孝著、吉川弘文館、『勝海舟』石井孝著、吉川弘文館、『徳川慶喜公伝』渋沢栄一著、東洋文庫、『勝海舟(上・下)』勝部真長著、PHP研究所、『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄』荻原延寿著、朝日新聞社、『近世日本国民史』徳富猪一郎著、時事通信社、『勝海舟全集』講談社、『海舟先生』戸川残花著、成功雑誌社、『勝麟太郎』田村太郎著、雄山閣、『夢酔独言』勝小吉著、東洋文庫、『幕末軍艦咸臨丸』文倉平次郎著、名著刊行会、ほか。「文章が似ている」=「盗作」ではありません。盗作ではありません。引用です。

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五稜郭と榎本武揚と北風と 長尾景虎 @garyou999

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