日々の記憶

第5話 ドライバー

今日はどうしましょう？

そうだな本について語ろうか

本ですか？

最近はドライバーの本を読んでるんだがな

ははー

それがおもしろくてな

どんなふうにですか

車には愛称をつけるということだよ

ペット同様に扱っている事でしょうか

そういうことだ

先生も小さいころぬいぐるみに名前とかつけてませんでしたか

つけてないよ

そうですか

だいたい愛情は人に対してしかうまれないんだ

先生って着ぐるみの中に人がいること知ってますか

知ってるけど、それでもそれはただのぬいぐるみと一緒だよ

そうですかある意味では夢をもってますね

そうかな

そうですよ

人としてぬいぐるみに命を宿させるのは、別れが悲しくなるだけど、どうせ若いころのお友達だからな

先生は寝る時にぬいぐるみと一緒に寝たりはしなかったですか

しなかったよ、むしろパンチングマシーンにしてたよ

男の子してますね

なんだその言い方は

いえ、失礼いたしました。

まぁいい

ともかくドライバーの本が面白かったんだ

ぬいぐるみまで飛躍してましたね

まぁ面白かったよ

それはよかった

なら質問を返すのだが君は愛称をつけていたか？

つけていませんよ

そうだよな、君は現実を全うにみてる感じがするからな

なんですかそれ

なんというか、Aを見てAだこたえるものだということだ

数式があるとでもいいたげですね

そうだそれそれ、きまった型があるように感じるよ

小さいころは確かにやんちゃしてましたよ

どんなだ

まずは自転車でレースしてました

ほー

それから川でザリガニ取りしてましたよ

川にザリガニっているんだな

いえ、そういうイケボリです

なるほどな

楽しかったですよ、昔も今も

私の下について不満はないと

正直言えばあります、しかしそれは長年の付き合いからして払拭してますね

つまりは打ち消しあってると

なんというでしょうか

なんなんだね

つまりはいい刺激を受けながら、日々が未知にあふれているってことですかね

なかなか詩人だね

へへそうでしたか

ああ

私からしても君はいい刺激になっている

バランスをとれているのはいいですね

そうだな

これからもよろしくお願いします

こちらこそ