第25話 木曜崩壊
朝の喧騒の
集中砲火
世の中の音という音が
全部突き刺さって
ガクガクと足は震えて
白い息が切れ切れに
生まれては死んでいく
木曜日のカルマ
マンションから
出てきた先輩が
今日は出来損ないの
絵画のよう
モネを真似して
描いてみた睡蓮が
踏まれては散っていく
贋作師の後先
一歩を踏み出せないでいた
僕に
先輩が振り返って
「行こう」
と促した声さえも
宇宙のノイズが入り混じって
僕にうまく届かない
進めない僕
震える自分をどうにもできない
時空が
(木曜日の僕は)
(崩壊しそうです)
不意に
「
(なんて言いました?)
腕を掴まれて
よたよたとふらついて
連れていかれるがままに
707
どうしたの?
あの、僕は
どうしたいの?
その、僕は
迷惑かけたくないんです
けど
黙ってた事
言ってもいいですか?
カッコ悪いけど
言ってもいいですか?
707に
僕は絵の具も筆もキャンバスも
全部ひっくり返して
その上に倒れる覚悟を決めた
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