第23話 二人の二月
共通試験が終わった
でも
受験はこれから
それまでひたすら
二人で通学
何があるわけじゃない
何を話すわけじゃない
過ぎ去るだけを数えて
一月が過ぎた
カレンダー越しに
二月の空気を
選びながら
吸い込む
そうしないと
大切な物を
逃しそうな
気がしたから
言いたい事
があるんだけど
やっぱりいいや
怖いから
慎重に選んだ
はずなのに
するするっと
指先を抜けていく
これでも
足掻いてるんだけどな
必死で
わからないように
でも
気づいてほしい二月
それは過剰な気持ち
内容が
違い過ぎる
稚拙な二月
今日も
時間が止まりますようにと
願いながら
歩く
それって卑怯かい?
それって無謀かい?
それって馬鹿かい?
それって傲慢かい?
それでもいいから
時間が止まらないのなら
せめて
ゆっくり
歩きたい
ゆっくりゆっくり
(ねぇ先輩、もっとゆっくり)
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