夏 −春夏秋冬と手紙−
俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き
第夏の手紙
ひんやりとした波が足指の間を抜けていく。
俺はその波の中に、一つの小瓶を見つけた。
「これは…………」
希望に満ちた声を吐き出して、その半透明の小瓶のコルクをキュポッと開く。
「これは…………手紙……か……?波にさらわれて、こんなとこまで来ちまったのか…………」
波に引っ張られて脱げたサンダルを回収し、砂浜へと場所を移す。
「誰……のだ……?」
日光に照らされて暖まった砂に腰掛けて、小瓶の中身を取り出した。
「これは……マジでなんなんだ…」
カサカサとした生地色の紙を開いて、その中身に目線を落とす。
「………………………」
俺は黙ったままその小さな切れ端のような手紙に目を落として、その文字を読み込んでいった。
「これは……」
きっと俺ではない誰かに渡るはずだった紙は――――
――――夏の温もりがした。
夏 −春夏秋冬と手紙− 俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き @Ch-n
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます