異世界の湖

 ここはセイマ達が転移してきた世界。ハルエルとアルケミルは、現在ギルドがある場所から、北の方角へとひたすら歩いていた。


「ハァ〜。なんでお前と、組まなきゃならないんだ!」


「アル!それは俺のセリフだ。ああ、心配だぁ〜。セイマと一緒でスタナシアは大丈夫なのか?」


 そう話ながら歩いていると、2人の目の前に大きな湖が見えてきた。


 そしてハルエルとアルケミルは、湖のほとりに辿りつくと足をとめ。


「ハル。……みろよ!この世界にも、こんな綺麗な湖があるんだな」


 アルケミルはしゃがみ込み、両手で湖の水をすくおうとした。


 するとハルエルは、それをみて慌ててとめた。


「待てっ、アル!?」


 ハルエルは、水をすくおうとしている、アルケミルの腕をつかんだ。


「いきなり何でとめる?」


 アルケミルはそう言いハルエルの手をふり払った。


「お前なぁ。ここは俺たちの知らない異世界。ましてや、この湖の水が安全かどうかもわからない」


「確かにそうだな。だけど、安全かどうか確認するにも。どうみてもウチらじゃ無理だよな」


「ああ。ここにカシスがいれば、どうしたらいいか、案を出してくれたと思うんだけどなぁ」


 ハルエルはそう言い、カシスとティールが向かったと思われる、西南西の方角へと顔を向けた。


「だけど、カシスはここにはいない。って事は、どうする?」


「そうだなぁ。この湖のことは保留にして、ギルドに戻ったら皆と話し合った方がいいだろうな」


「そうだね。だけど、そうなるとさ。この先、ウチらは何もできないよな」


 そう言いながらアルケミルはハルエルをみた。


「そうなるな。まぁ、みて歩くだけでも、いいんじゃないのか」


「なんか張り合いないけど。仕方ないかぁ」


 アルケミルはそう言い立ち上がった。


「そろそろ移動しないと、日が沈むまでにギルドに戻れなくなる」


「そうだな。じゃ、行くか!」


 アルケミルは歩きだした。


「おい、待て!急に歩きだすなよ」


 そう言いハルエルは、アルケミルのあとを追った。


 そして2人は、さらに北へと向かい歩きだした。

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