ブレイクタイム①

 ここはグラムリバーズのギルド【エターナルプラネット】があった場所。


 辺りは、1つ目の太陽が沈み、もう1つの太陽が沈みかけ、3つある月のうちの1つが見えはじめた頃。


 街へ続く道をギルドへと、気だるそうに歩く1人の男の姿があった。


「ふぁ〜。それにしても今日はついてねぇ。昨夜ゆうべのみ過ぎたせいか。こんな時間までティチアの酒場で寝てるとはなぁ。……」



 この男はオウガルド・ソリュー、38歳で星魔術士だ。そして、セイマの師匠である。


 星魔術士としての腕は最強で、持っている魔力も桁ちがいにある。オマケに殴りあいの喧嘩でも傷をおっても負けた事がない。


 酒と女が好きで、特に美人には弱い。だが相手にもよる。


 オレンジと黄色が混ざった髪で、肩に触るていどの長さ。


 そして、左耳に星のピアスをしており、ほとんどの前髪は後ろに流している。



 オウガルドはアクビをしながら、ギルドへと向かっていた。


「……!?」


 ひたすら歩きオウガルドは、ギルドがあった場所の辺りまでくると驚き、自分の目を疑った。


「おい!これは、いったいどうなってる。確か、あの草が生えてねぇ辺りにギルドがあったはずだ」


 オウガルドは、ギルドがあった場所まで来ると、周辺を調べ始めた。


「残がい1つねぇ。って事は、ギルドが破壊されたわけでもなさそうだ。それに、まるで一瞬でギルドごと消えてなくなったようにみえる」


 オウガルドは、眉間にシワをよせ、ここで何があったのかを考えていた。


(……俺は夢でもみてるのか?いや、現にここにあるはずのギルドがそっくりなくなってる。

 そうなると……。クッ、いったいここで何が起きったってんだ!)


 そしてオウガルドはその場にたたずみ、ここで何があったのか、暗くなるまで自問自答をくり返していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る