第2話 緋色の囁きを読んでみて

 初めましての方は初めまして。知ってる方は久しぶり。おばけです。


 いやぁ。初紹介ですね!!少しドキドキしちゃいますよ!!

まぁそんなわけで今日読んだのは講談社文庫出版の緋色の囁き新装版(綾辻行人著)です。


(ここから急に敬語オフモード)


 綾辻行人さんといえば館シリーズやAnotherなどの作品で知られているが、囁きシリーズもそれらと遜色ない名作だ。

 緋色の囁きが囁き(シリーズ1作目)を読んでないのになぜ知ってるかって?

それは先に、暗闇の囁きと黄昏の囁きを読んでしまったからだ。

それぞれ個々で独立した物語のシリーズものとはいえ、なんたる暴挙。

これも全て、緋色の囁きを書い忘れた父のせいだ。綾辻行人さんの作品を全部持っているとドヤ顔で話していたのはなんだったのか‥


 まぁ世間話もここまでとして、早速あらすじの方を。

突然、名家の宗像家に引き取られることとなった主人公の冴子は、

叔母の宗像千代が校長をつとめる、名門聖真女学園高校へ転入することとなる。

そこは、厳しい規律で生徒たちを縛り付け、教師たちの罰というなの理不尽な暴力が横行する独房のような学園だった。

冴子はこの生活に慣れようと努力をしていた矢先に、同室の少女が魔女という謎の言葉を残して開かずの間で焼死体となって発見されてしまう‥。

次々に起こる殺人事件と、冴子の間に潜む戦慄の赤い記憶‥。

 魔女とは?赤い記憶とは?そして連続殺人事件の犯人とは一体誰なのか‥?


と言った具合である。

 閉鎖的な学園と魔女、連続殺人に赤い記憶‥。これで心踊らぬ読者などいるのだろうかと思うほど、魅力的な単語の祭りである。

 舞台設定から、読者をワクワクさせてくるし、同時に言葉にできない不快感や不安を埋めつけてくる。魅力とおぞましさが同居してるとかこれいかに。

  それに、謎一個といたと思ったら二個増えた。

そんな謎が謎を呼ぶ展開に目が離せなくなる。実際私もページをめくる手が止まらず、授業中に読んでしまおうかと思った具合だ。

その上テンポもよく、とても読みやすい文体をしているからスラスラ読めてしまう。

緋色の囁き恐るべし‥。

 しかも、この作品は2周目ももそすごく楽しい。

真相が明かされた後すぐに読み直してみると、どこもかしこを見ても伏線が散らばってる。

これは他の綾辻行人さんの作品でもあることだが、それでも、ここまでさりげなく伏線を紛れ込ませることができるのかとおどろいた。

赤い記憶に繋がる囁きパートはもちろんのことだが、まだ事件の起こってない日常パートもじぃーーーと食いつくように読んだ。

あぁなるほど。これがアレだったのね‥。あっそこも!?

こんな具合に1周目はもちろん、2周目もワクワクして読める。

感覚としては、小さい頃遊んだ人が多いであろう、みっけ!!をやってる時の気持ちに近い。

 それとこの作品は割と読者に対して公平に作られていると個人的には思う。

なぜなら、語り手が嘘をついてない。語り手の主観が正しく描かれているからである。

姑獲鳥の夏や向日葵の咲かない夏に続けて読んだせいか(こちらもものすごく面白いのでぜひ)、語り手の主観が歪まずに正しくあると、安心感と公平であることの信頼感が高い。

 ミステリの醍醐味といえば、探偵役が謎を解くまえに自分で解こうと読み込むことだ。その醍醐味を味わいたい時は、やはり語り手が正しくあってほしい。

そんな気持ちを抱くのは自分だけだろうか。


ネタバレを極力なしにして語るのも限界が来たので今日はここで終わりにさせていただく。この私の駄文での紹介で興味が湧いたのなら、ぜひ緋色の囁きを手にとって読んでみてほしい。


 そんじゃまたな!!!次回!!Yの悲劇を読むよ!!お楽しみに!!



 



 


 

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元羊七ことおばけの読書記録 羊七 @hituji7

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