第4話 闇の中でこんにちは 四
コボルトさんがいうには古い記録を見つけたところから話がはじまっているらしい。コボルトのコミュニティにも文字でのコミュニケーションは取られているようだ。いわゆる魔族の
その記録によると以前のコボルトはヒトの元を
「なるほどなるほど。そうすると、ヒトからみたコボルトという存在をお話した方がいいですね?」
「はい、コボルトのことをヒトは知っているのですか?」と、このグループのまとめ役っぽいコボルトが答えてくる。彼女はわたしを迎えにきてくれたコボルトだ。そう「
コボルトには本当にわずかながらも
ひんやりとした地べたに座ってコボルトたちと
「そうですね。ひょっとしたらみなさんのことをコボルトだってかもしれません」
「え?」
わたしはいまどきの人たちが思い描くコボルトの姿形について話はじめます。
「コボルトの一番大きな
「おとぎ話の中では小人という描写のが多かったようです。そのころのコボルトと言ったらいまのみなさんの姿そのままですね」
そうなのだ。コボルトはドイツやデンマークなどが伝承の中心で食べ物と引き換えに家事を手伝ってくれる精霊として言い伝えられていた。また贈り物がなくなるといたずらをして人間の元を去ってしまったようだ。似たような精霊のお話は多い。ブラウニーやノッカー、ノームやドワーフ、ゴブリン。伝承の中のコボルトは決して
「犬の頭だって」
「俺たちそんなことになってるの?」
「ケモノ扱いかよ」
コボルトたちが
「うん、わたしもびっくりしましたよ。コボルトは人を
「ま、魔物?」
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