第2話 闇の中でこんにちは 二
「ことばはわかいますか?」
こくりと
「ここは?」
口に出してみたものの小鬼からは反応がない。話しかけてきたのだから言葉はわかるはず。ましてや向こうから近づいてきたのだから
「わたしはあなたのことばがわかいません」
マジか!話してるのに?
「わたしたちはあなたをしょうかんしました」
「ついてきて」
言葉が分からないと言うのにヒトの言葉を発するとはこれ
灯りに照らされる世界は洞窟のような場所だった。比較的ゴツゴツとした洞窟で
前を行く小鬼は裸。あとに続くわたしも裸。恥ずかしくない……。そう思い込むことにする。簡単じゃないけどそれで納得しないことにはこの暗い闇の中に取り残されるだけだし、食べるものがなければいずれ迎えるのは死。選択肢はどこにもない。黙って歩く以外にない。
どのくらい歩いたのだろう。30分?1時間?ぐったりと疲れ切る前に前方から光が見えてきた。長かった洞窟の出口が近づいてくる。しかし、それほど明るくない。どうやら夜のようだ。召喚といったら夜の秘密の
心配は無用だった。洞窟の前にはちょっとした空間があった。テニスコート2面くらいはあるだろうか。洞窟の中の広い空間だった。この広場のような空間からさらにいくつかの通路が伸びているのが伺える。ひょっとしたら
わたしの姿をみたコボルトたちが騒がしい。
いきなり素っ裸の人間がやってきたら、何事だ?ってなるよね。その驚きはごもっともです。わたしもびっくり。何か服を着たいけれど、目の前のコボルトたちも服を着ていない。この羞恥の気持ちを忘れるしかない。
案内をしてくれたコボルトが明かりの前までくるようにわたしを
照明装置は
空間が明るくなると、案内をしてくれたコボルトはわたしは
「これ日本語だ」
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