北へ南へ編 その2 そしてお船を浮かべます

砂浜と言うか、海底に散乱している船の残骸や海流で流れてきた色んなモノ。

八割ゴミ、二割資源の回収が終了したらいよいよ本格的な港湾工事の開始である。

と言っても掘り起こしたりとか、埋め立てたりとか、地形の形成とか、『街作り』通り越して『惑星改造(テラフォーミング)』レベルの派手な魔法を水の精霊様(ラッコちゃん)と土の精霊様(ウサギさん)がやってくれてるんだけどね?

ゲームで例えるならシム○ティじゃなくポピュ○ス。例えるゲームが昭和すぎる。みんな知ってるよね?ポピ○ラス。

俺?俺はほら、現場監督だから・・・。あと二人が疲れた時のおやつとマッサージ係?


あれだよ?最初は『土台を作ってコンクリートで固めて・・・ああ!異世界と言えばローマン・コンクリートだよな!アレって火山灰とか軽石とか使うんだよな?でも王国内には(幸いなことに)活火山とか無いし・・・海だし貝殻焼いたヤツで代用すればいいか?』とかそれなりに色々と考えてたんだけどさ。

ウサギさんが作ってくれた土台、むっちゃ丈夫なんだよ。

そもそも基礎部分と上モノ(岸壁)部分が一体化してるからちょっとやそっとの事では壊れ無さそうだしさ。


岸壁、埠頭、桟橋、さらには防波堤と一週間ほどかけて順番に整えていく。

てか見学の一般人多数、屋台まで出る始末・・・ショバ代とか取るべきだったな。小銭稼ぎが大好きな俺なのだ。

もちろん造船施設、大型船用の乾ドックも完備である。船の修理は出来ても新造の出来る船大工さんは王国にはいないんだけどね?

ちなみに最初は燈台の代わりに『ロードス島の巨像』みたいなのを港の出入り口にドーン!と建てようかと思ったんだけど・・・それこそコケたら大惨事になるので普通の燈台で自重した。


「街の男手を全てかき集めて、数十年かけてもなお完成しないであろう工事がたった一週間で完了とは・・・」

「・・・とりあえず言葉も出ないとはこの事でありますね」


箱物(?)が出来たので海水を元の状態に戻し、続いて作るのはもちろん船、それも帆船である。

繰り返しになるが今の王国海軍が使ってる船は一本~二本マストの小型からギリ中型の船、それもGo○gle先生に『もしかして:幽霊船』って言われちゃいそうなボロ船である。

その中古船自体は最初に海を引かせる時に俺の時空庫に回収したからもう無いんだけどさ。


船(ガレオン)、船(ガレアス)、船(戦列艦)。

そう、帆船にはそこそこ煩い俺なのである。てかガレアスは手漕ぎメインかも。

今まで使ってた船、おそらくはキャラベル系列かな?似たような見た目だと他にもキャラックとかナオとか呼ばれるタイプの中型船もあるんだけど、どれもこれも『ズングリムックリ』なシルエットだから個人的には好きじゃないんだよなぁ。当然船足も早くないしさ。

でもいきなり五本マストの近代的なシップ級とか造っても間違いなく操船出来ないだろうしなぁ。


魔導板さんと相談しながら現状でベストな船を選ぶ。

ん?どうやって選ぶのか?俺って日本にいた頃はK○EIの『有料テスター(ソフト発売日に買ってバグ報告までする熱心なプレイヤー)』だったんだよ?

もちろん初代から大航○時代も、電車ゲーメーカーから出てたAT○ASもプレイし尽くしてるんだから頭の中に帆船情報くらい大量に入ってるさ!まったく自慢にはならないんだけどな!


「てことでジーベック級の中型三本マスト船にしてみた。全長65m、幅10m、乗員通常時70名の最大で150名、最大船速15ノット(時速にすると27~28kmくらい)。武装は両舷に爆裂魔導砲を4門ずつ搭載」


等間隔に並んだ桟橋に繋留された30隻の美しい新造帆船。


「いや、昨日は船なんて一隻もありませんでしたよね!?」

「うん、昼だと目立つから夜のうちに用意した」

「まったく何を言ってるのかわからないのですが・・・」

「というよりも最大船速15ノットって・・・普通の船の二倍から三倍の速度が出るのですか!?」


「あくまでもちゃんと風を捕らえられればだけどね?まぁ風がないなら風の魔道具を使うという裏技も」

「あと『爆裂魔導砲』と言う明らかに凶悪そうな名の武装は一体・・・」

「んー、遠距離攻撃できる魔道具?最大射程1000mで命中すれば帆船くらいなら一発で木端微塵に出来るはず。基本的には焼夷弾みたに炎を撒き散らすタイプの砲弾だから着弾しなくとも近くで破裂させれば大火災くらいは起こせるんだけどね?」


さて、後は俺の乗る船を造って・・・王様にお願いして観艦式だか閲兵式だかをすれば海軍さんのモチベーションも上がるかな?

てことで三日後、いつものメンバーとうちの奥さん全員でエルドベーレに集合する。移動方法は王都の外まで魔導馬車で出た後エルドベーレ近郊まで転移してそのまま街に入る。


観艦式、普通なら船団を並べて王様の前を壮行するんだけど・・・まだ操船がほら、心もとないじゃないですか?だから船が並んでるのを見るだけという、ちょっと寂しい感じになっちゃったんだけど


「いや、待て!ハリス、見慣れぬ船があるのだが!?」

「そりゃまぁ陛下が軍艦をごらんになるなんて初めてのことでしょうし」

「そう言う意味ではない!アレだ、あの赤い船は何なのだ!?」


「ああ、アレは私の船です。魔導艦『プリンセス・アリシア』と言う名を付けました!ほら、俺、奥さん大好きなので!」

「うむ、行き遅れ気味だった娘を大切にしてくれているのはわかっておるし父親としてこれ以上嬉しいことは無いがそう言う事を聞いているのではないのだ!なんなのだあの鉄の塊の様な船は!?どうやって浮いているのだ!?そもそも帆も無いのにアレは動くのか!?」

「動かない船はおそらく船ではないと思いますが・・・」


飛べない豚はただの豚、停泊しか出来ない船は観光用の見世物なのだ。そう言えば昔、鳥羽に『ぶらじる○』って船が有ったんだけどいつの間にか無くなったなぁ。

てことで俺の船である。先程王様も言ってたように『鉄の塊』つまり帆船ではない。

ちなみにモデルは銀○伝。

戦艦通り越して宇宙戦艦だな!もちろん空(そら)も宇宙(そら)も飛ばないのであしからず。

『えっ?○英伝パク・・・リスペクトなのに白い方じゃなく赤い方なの?』いや、最初は白いので造ろうとしたんだよ。

でもモックアップを造って浮かべたらミヅキがさ


「・・・死んで浮いてるイカみたいな船じゃの」


とか言うからさ・・・。確かにブリュ○ヒルト、イカっぽい形だけどさ!

海に浮かべたら死んだイカに見えなくもないけどさ!

だから次点でバルバ○ッサ、赤い人の乗ってた赤いお船を短めにデフォルメした感じの船体にしてみた。

もちろん原寸大じゃないからね?アレ、全長で1キロくらいあるから・・・。

ん?アニメの旧作と新作どっちなのか?

・・・いいかい?銀英○の新作アニメなど存在しないんだ、いいね?


てことでバルバ・・・じゃなくて『プリンセス・アリシア』号である。

全長40mと小柄(でもないか)ながらも船速おおよそ45ノット(80km超え)を出せるジェット船。

高速時には本体に折りたたまれた足(翼)を伸ばして翼走することで波の影響をあまり受けず安定性も良くなるので船酔いもしなくなると言う、いわゆる『水中翼船』だな。


外装には南都の鉱山迷宮でとれたての『ミスリルを少量混ぜた合金』を使用した贅沢仕様。

常時ではないが戦闘時は短時間なら『防壁魔法(バリア)』を張ることも出来るので防御面に関しては超弩級戦艦以上となっている。・・・帆船しか無い世界で何と戦うつもりなんだ俺は。いや、滅多に遭遇するものでもないけど『巨大海獣』とかもいるしさ。

武装はジーベックに載せた魔導砲をさらに強力にしたものを前方に二門、射程距離も2000mとなっている。


てか俺的には奥さんと優雅なクルージングを楽しむ予定だったんだけど・・・なんだかんだで新しいもの好きなガイパパや仲間ハズレにされまいと必死な国王陛下、いつもシレッと混ざるマルパパや違和感なく乗ってくるブルパパも一緒に海に出ることに。

うん?セグラース子爵も乗ってみたい?構わないけど・・・新型帆船とは全く違う乗り物だからね?


―・―・―・―・―


新しい(すでにそこそこ古いけど)銀○伝・・・戦闘シーンとかはまぁいいんだけどさ・・・個人的にはあまりにもライン○ルトに覇気が無さすぎてにんともかんとも。野菜王子(堀○御大)の偉大さを思い知らされただけの結果に。

他のキャラの顔が派手になった分、主役なのにのっぺり地味顔だしさ。

あとおっさんキャラがおっさんじゃなくなると言う意味の分からない不具合が発生した模様。シェーン○ップ、見ても誰だかわかんねぇよ・・・。


そして大航○時代、オンライン版はそこそこ変な人が多かったなぁ・・・(笑)

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