新しい年編 その8 もしかして初めてのスローライフ的な時間じゃないだろうか?

コーネリウス様に笑えない冗談(成人式、いや、性人式のアレな)をかまされたせいで妙にドーリスやメルちゃんやサーラ嬢を意識してしまう今日この頃。

もちろん性的な意味でね?意識しているというかエッチな視線で見つめているというか・・・世間一般で言うところの『視姦』である。

たぶん日本なら痴漢で捕まってるな俺。


ほらハリス君から見れば3人とも年上じゃないですか?

いや、そもそもこの屋敷に暮らしてる全員ハリス君より年上だったわ。

でも見た目がね?あんまり年上に見えないメンバーも居るわけで。

最年長が一番小さいとかどうなってるんだよ。


そしてよくよく考えたら姫騎士様とバケツ幼女以外(俺が仲が良いと思ってる女の子)は全員年上なんだよなぁ。あ、確かCさんはおない歳だったかな。

あの子はあの子で珍しく大人びた方で間違える子なんだよね。落ち着きがあると言うか妙な貫禄があると言うか。

本人には言わないけどメイドさんの中ではドーリスの次に気に入ってたりする。友達感覚で気楽な感じだし。


そんなこんなで冬場はのんびり・・・過ごせると思ったんだけどさ。

ほら、俺の情報源って基本的にはペルーサが集めてくれる商人のうわさ話じゃないですか?

当然のように商人の行き来が無くなるとそこからの情報は一切入らなくなるんだよ。

北の皇国とは国交がほぼ断絶しちゃったし西の帝国とも微妙な空気だし。

頼みの綱は国の諜報機関だけ。イマイチ信用ならないと言うか信憑性に欠けると言うか。そもそも情報が遅いし。


南にも国があるんだけどね?そっちとは二国の間に大山脈がそびえ立ってるから。

ハンニバルレベルの将軍でもいなければ大軍で山を越えてくることは無い・・・はず。

いや、フラグを立てたとかじゃないよ?

もともと海に囲まれた海洋国家だから山を越えるくらいなら海軍を増強する方がお手軽だし。

あと商業国家らしいので自分から戦争を仕掛ける旨味も少ない。

・・・海洋国家で商業国家、完全にカルタゴじゃん。山越えしてきそうな雰囲気が大幅に増してきた気がする。


てことで国内にある『無くなっても生活にあまり影響のない迷宮』むしろ放置しておくと危険そうなモノを潰して回る事にした。時間のある間にレベリングだ。

今回は3人だけではなく新しく王都から連れてきた『おっちゃんとその仲間たち』も順番で参加させた。


と言うかそもそも領の衛兵さん、おっちゃん達のレベルアップが目的だから俺はもちろんのこと、世間では『ハリスの黒犬』と呼ばれている美しすぎる騎士でお馴染みの2人にも極力手を出さないようにさせた。

もちろんボス戦では2人の独壇場になるわけだが。


そして黒犬(ヘルハウンド)よりも猟犬(ティンダロス)だと思います。あと『ハリスの』って俺の名前出す必要なくね?

さすがに普通の村の衛兵さんに黒竜鎧を着せるわけにもいかないので装備品は普通の付与した鋼の鎧と剣である。・・・普通とは一体。


まぁおっちゃん以外のメンバーに関してはレベルは上がってるんだけど能力値の振り直しもスキルの追加もしていないからそれほどステータスの上昇率は高くなかったんだけどさ。

さすがにまだ良く知らない人間を人外に強化するとか留守中何かやらかしたら怖すぎるし・・・。


サーラ嬢もよく知らない子だって?

いや、この子はとてつもなくわかりやすい性格じゃん。

ワンコじゃん。コーギーの皮をかぶったマスティフじゃん。

放し飼いにしたら間違いなく死人が出るよなマスティフ。

むしろ出会った当時すでに死人が出かけてたし、それもご家族に。


てかあんまり根を詰めて働くとミスが増えるし?7ヶ所ほど迷宮を潰し終えたので久々に1日何もしないぞと決め、ついでに非番だったおっちゃんと一緒に海で釣りをしながらダラダラと過ごす。


「なぁ、迷宮の攻略ってこんなに簡単に出来るもんじゃねぇだろ?この装備品も完全におかしな性能してるしよ。何だよこの剣、大根でも切るみたいに大蟻の甲殻を斬り落とすとかどうなってんだよ!あと鎧も傷は付くけど全然壊れねぇ」

「でもそれは言うほどおかしなモノじゃないよ?あくまでも支給品だしさ。後ろの2人の装備はちょっとアレだけど」

「いやいや、どう考えても国宝クラスの装備品なんだよなぁ・・・。それを一般の衛兵全員に支給とかちょっと頭おかしい・・・てかあの2人なんなの?真っ黒の見た目だけでおっかなすぎるんだけど?ちょくちょく不敵な笑い方してるしさ。俺も含めて迷宮の中で寝てる時とか夢の中に出てくるんだよ。黒い鎧に追い回されて恐怖のあまりに飛び起きるんだよ。もちろん汗だくだよ」

「そうだなぁ、あの2人は・・・一言で言うなら『宇宙の狂戦士(コズミックバーサーカー)』?あと汗だくの時は状況が許す限り、むしろ許さなくなるまでは寄ってこないでね?臭そうだから」

「宇宙ってなんだよ規模がでかすぎて想像出来ねぇよ・・・ちょっとそんな人達と一緒の空間で生活させるのとか勘弁してもらえねぇかな?」


ちなみに移動は黒馬車なので現地までそこそこの時間がかかっちゃうのが玉に瑕である。

途中で転移で帰れないので迷宮内宿泊しないといけないのもツライしさ。まぁダンジョン内であろうが俺はベッドで寝るんだけどね?

そして今回もミヅキはもちろんお留守番。ヴィオラとドーリスの護衛だな。

なんだかんだ寂しいのか少々ご機嫌がナナメなのでお家にいる時は出来るだけミヅキの好きなもの中心にごはんを作っている。


ミヅキが獲得した新属性は『彼女系幼女』だな。すでに俺には『婚約者系幼女』が居るから些細なことである。

そのうちおっちゃんにも『色違いの馬車(武装付き)』を提供したほうがいろいろ捗るかも知れない。

ほら、ゾンビ映画に出てくるみたいな感じの。

・・・駄目だな、大して役に立ってる映像が思い浮かばない。


「で、王都からクソど田舎まで引っ越してもらったんだけど生活に不便とか無い?」

「いや、あんな立派なお屋敷建ててもらってあれだけの給金貰って不便とか言うやつはいねぇと思うけどな?買い物なんかはかなり不便するだろうとそれなりに覚悟してたけど品揃えのいい上に安い商店があるし、あとあの別嬪さんが2人で切り盛りしてるものすげぇ美味ぇ飯屋!あんな店王都にも無いだろ?まぁ飯屋はちょっとお高いけど」

「見た目だけはいいんだよねあの姉妹。そしておっちゃんが浮気しようとしてるって奥さんに報告しないと」

「娘も出来て安定した職場も見つけて幸せいっぱいの家庭に不和を持ち込もうとするんじゃねぇよ!てかすでに若ぇのが何人かコナかけてたみてぇだけど良いのか?もちろん断られてたけどさ。2人とも坊主のコレなんだろ?」

「違う・・・とも言い切れないこのジレンマ・・・。俺は特に手も出してないし本人がお付き合いに合意するなら全然大丈夫なんだけどね?」


壊滅的に家庭的ではないんだよなぁ、あの姉妹。隙あらば寄生しようとするタイプだし。もちろん嫌いではないんだけどさ。

俺、ダメ男好きな女性に通じるところがあるのかもしれない。いや、そもそも俺がダメ男だったわ・・・。

まぁ姉の方はがんばりやさんでもあるし妹の方は人当たりがいいんだけどねぇ、基本性能的にはヒキコモリなんだよなぁ。


そして素人同然の2人がのんべんだらりと釣りをしていただけなのにやたらと大漁だったため魚は俺が適当に選んだもの以外はおっちゃんに持って帰ってもらって隊のみんなに配ってもらった。

王都の人から見ると高級品だからね、海のお魚。まぁ住んでりゃそのうち飽きると思うけど。

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