新しい年編 その7 初・体・験
てかさ、わしDTやけど世界に冠たるHENTAI文化の発信基地JAPAN出身やぞ?
知識だけは豊富やっちゅうねん。てか誰がちゅうねんやねん!ハリス君紅顔の美少年やぞ!
紅顔ではなく厚顔?それもある。もちろん睾丸もあるぞ!
・・・まぁ知識だけで経験はまったく伴ってないけどさ。大丈夫、最後に顔にかけるのは愛じゃなくプレイだってことは知ってるから。
「いや、それよりさ、そもそも君・・・初めてなの?」
「いきなり傷をえぐった上で塩を塗り込みに来ましたね?逆に聞きますけど経験者に見えますか?この精神的余裕の無さ、どう見ても未経験者でしょうが!」
「妙な力説されても困るんだけど・・・。むしろ君の年齢にしては手慣れすぎてるくらいじゃないかな?同じ歳で女性と会話する時の受け流し方があれほど上手く出来る子なんてなかなか居ないと思うよ?て言うかあれだけ周りに綺麗どころ侍らせておいて一切手出ししてないとかあり得なくないかい?」
「ありえなくなくないんだよなぁそれが・・・むしろコーネリウス様が同じ状況であったとして手出しできると思います?」
「・・・私は妻一筋だからね?」
どうして返答までに間があったのかな?もしかしてどなたかの事を想像しちゃったのかな?
まぁ奥さんと娘さんに言いつけるかどうかは置いておくとして・・・まじかーいよいよ『初・体・験』かー。
かーっ、つれぇわ、貴族の義務とかつれぇわー。
いや、本当にどうしよう・・・。
心がドキドキしてきた!ついでに体の一部がイライラしてきた!!
「ち、ちょっと持ち帰って検討してもいいですかね?」
「別にいいけどもし自分で選ぶなら成人の儀の日までにお相手を見つけて終わりましたの報告だけはお願いするね?」
「何その羞恥プレイが裸足で逃げ出しそうな恥ずかしい報告・・・」
さて、非常に困ったぞ?もちろんいい意味で。嬉し恥ずかし心地良い感じで。
そもそも持ち帰った所で誰かに相談する様な勇気も根性も気合も持ち合わせて無いんだよなぁ俺。
だって知り合いの女の子に『俺の成人式に付き合ってくれないか?性的な意味で』とか『貴女と・・・合体したい!性的な意味で』とか言える奴はDTをこじらせたりしないと思うんだ。
そしてどうせ事後報告をしなきゃならないのなら最初から恥ずかしがらずにコーネリウス様オススメのお姉様をご紹介いただくのが正解じゃないかな?
・・・でもなぁ。
どう考えてもここで断るって選択肢は無いとは思うんだよ?
でも食い気味に『お願いします!!』と言うのはさすがに男同士でも恥ずかしいじゃないですか?
『こいつ・・・そこまで異性に飢えてたの?餓狼なの?』とか思われたくないじゃないですか?
それに一応ほら、何ていうの?この年まで守り通してきたわけじゃないですか?DTを。
・・・守らなくても特に何処からも攻めて来られもしない人生だったんだけどね。
うん、幸せ満載イベントを目前にしてこういう『でもでもだって』と浮気した奴の言い訳のようなことばかり考えるのは良くない。
テンションが下がっていざって鎌倉に挿入!って時に不能になったりしたら、あまつさえお相手に『勃○コール』とかされたら軽く3回は死ねる。
そしてそもそもがこんな性格のせいでDTなんだろうなぁ・・・いかん、ここはハッキリと伝えないと!
そう、たった一言『其の件に付きましてはそちら様のご都合のよろしいように御取り計らい頂ければ結構で御座候』と軽い感じで、さも当たり前の雰囲気を醸し出しながらニコッと笑顔で言えばいいだけなんだよな!
・・・でもなぁ。
「・・・」
「・・・」
うーん・・・。
「・・・」
「・・・」
「えっと、ころころと表情を変化させながら何やら悩んでる所大変申し訳ないんだけどさ、そろそろ『そんな成人式あるわけないじゃないですか、昔かよ』みたいなツッコミが欲しいんだけど?」
「・・・」
「・・・」
「えっ?」
「えっ?」
「ええと、コーネリウス様が私の初体験のためにひと肌脱でくださる、むしろ人肌をご紹介してくださるんですよね?そして俺はそのご紹介頂いた綺麗どころの未亡人、またはワンチャン見覚えのある目隠しした人妻で筆おろし・・・って話ですよね?」
「まぁそんな風習も一昔前はあったみたいだね?そして君、さすがに面識のある人妻で筆おろしとか絶対にしちゃ駄目だかね?ちょっと普段のハリスを見てると本気でやらかしそうだから心配なんだけど?マジで冗談にならないからね?」
「えっ?」
「えっ?」
「ええと・・・もしかしてですけど・・・からかってました?」
「はい」
「・・・」
「・・・」
「いや、本当にちょっとそういうのシャレにならないんで止めてもらっていいですか?とりあえず何で普通に座ってるんですか?早急に椅子から立ち上がってそこに正座してもらえますか?むしろ赤く焼けた石を2枚ご用意いたしますのでそれに挟まってこんがりと焼けてもらえますか?」
「ご、ごめんごめん、ハリスならすぐに気がつくと思ってちょっと悪ノリしちゃったのは謝るから!わかった、正座する、私が床に正座するから一旦その無表情の中に鎮座した目を立ち上がらせようよ、とても怖いから」
怖いも何もそりゃ目が座りくらいするわ!むしろ三角形になるわ!
DTにその手の冗談はシャレにならねぇんだからな?
あれだぞ?我々の渡世では最悪命の取り合いまで発展しかねんのだぞ?
いや、確かに微妙におかしいかな?とは思わなくも無かったんだよ。
あまりにも都合の良い話だからその部分には目を瞑ったけれども!
もしも、仮にそんな素敵な風習があったとしても『あの』妹様がいらっしゃるコーネリウス様が俺にそんなことを奨めるなんて有り得ないもんね?
いや、むしろ危険なのは娘さんの方かもしれないな、年が明けて7歳じゃなく8歳になられた。聞かれでもしたら間違いなく命に関わりそうだもん。
「い、いえ、大丈夫ですよ?もちろん最初から気付いてましたよ?嫌だなー関西人特有のアレですよアレ、ノリツッコミ的な?そんな感じのヤツじゃないですか?本当にもう、ハハッ」
「カンサイジンって何さ・・・。そ、そうだよね?ハリスなら直ぐに気づいて当然だもんね?ああ、あれだよ、成人の儀は普通に知り合いが集まってお祝いするだけだから特にしきたりなどは気にする必要はないよ。砕けた感じの食事会程度に思ってれば大丈夫だから」
食事会だけじゃなく色んな関節の骨とかも砕けちゃえばいいのに・・・。
むしろ今ならそのためのお手伝いだって辞さないのに。
・・・
・・・
・・・
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
騙したな!!二度も騙した!!親父にもぶうたれたことないのに!!
うん、何か混乱とか混線とかして色々混ざってて言いたいことがよく分からないうえにおとんにぶうたれるくらいは問題ないと思うんだ。
そして言葉としては知ってるけど日々の生活の中で一切使ったことのない単語だよなぶうたれる。
ちなみに成人式は特に何事もなくつつがなく終了した。
まぁ飯食って知り合いに『おめでとう』って言われただけだから何かがある方がおかしいんだけどさ。
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