新しい同居人編 その24 合体とかしそうな
ダーク姉妹をヴィーゼンのお屋敷まで連れ帰った所、思った以上に全員にドン引きされた俺。
・・・いや、確かにほら、格好がね?
本人たちは特に何も言わずに(下着も含めて)着用してくれたし、俺も日本人の頃の感覚が残ってるから「おー、ちょっとエロいな」くらいの認識だったんだけどさ。
アニメで例えるなら『泥棒に入る時の峰不○子』、ゲームで例えるなら『ベヨ○ッタの眼鏡のエロい人』、現実的には『上着を羽織ったプレイ衣装の女王様』みたいな格好の女の子をいきなり2人も連れてきたら・・・確かにそんな反応にもなるわな。
ドーリスが何故(なにゆえ)かダーク姉を見て少しホッとした表情になってるけど・・・俺、コイツに手を出したりとかしてないからね?
あれだぞ?見た目は大人しそうな褐色肌のエロい姉ちゃんだけど中身はそこそこアレな人だからな?それも姉妹揃って。
そして『大人しそうな褐色肌のエロい姉ちゃん』と言う『清純派AV女優』並のパワーワード。名誉処女とか意味がわからないです。
2人に関しては丘の村と海辺の村(まぁ徒歩で10分くらいしか距離は離れてないんだけどさ)の中間地点に店を建てて飯屋を開いてもらうことになっている。
特にダーク妹、ちゃんと働くように。
でもこの領地のみんなって外食の習慣とか皆無だからなぁ。外食どころかお店で買い物が出来るかどうかも疑ってかからないといけないレベルだもん。
はたして客になり得るのだろうか?
衛兵さん&家族が到着したら使ってもらえるとは思うんだけど・・・。
うん?衛兵さん?おっちゃんから公爵家のお屋敷に連絡があって正式にこっちに来てもらえることになったんだ。
ついでに若手のそれなりにまともな探索者(見習い&その家族)も一緒に連れてきてもらえるみたいで『23家族で35人』が移住してくれるらしい。
23家族(衛兵候補23人とその家族)の割に35人って少なくね?と思ったけどいきなり家族総出で来るほど信用してくれてるのはおっちゃんのところくらいだからね?
様子見で本人または本人と配偶者の2人で来る人が多いみたい。
まともな稼ぎもない探索者ですら配偶者が居るという事実・・・。
言うなればこの国で一番賑やかな王都から最果ての僻地に来るとか落ち武者みたいなもんだからなぁ。
ごはんは腹いっぱい食えてそこそこ貯蓄が出来る事だけは保証してあげたいところである。
移動は年明けにマルケス様(リリアナパパ、東都の侯爵様)に護衛を出してもらって徒歩での移動となる・・・予定だったんだけど、冬場のくそ寒い半月前後も歩かせるのは忍びないのでメルちゃんに三両連結させた馬車で2往復してもらう事になった。
いや、往復ではないか、王都からヴィーゼンは馬車だけどヴィーゼンから王都は俺が転移でメルちゃん連れて行っちゃう予定だし。
全員転移で移動させるほうが手間もかからなくて早いんだけど・・・さすがに自重した。自重してあの馬車を使うのもどうかと思うが。
他にもっと自重するべき所がある?確かに。
そして移動は年が明けてからになる。
年末年始、無駄にイベントというか貴族の集まりがあるから忙しいのだ。俺以外は。
てか兵隊さんの家も飯屋さんの周りでいいよね?一応領境の近くに見張り台みたいなのも建てとくか。ちなみに『領内』にはまだ新領地は含まれていない。
大型の船で乗り入れられるほどの港もないし、船で攻められることも無いだろうけど一応海辺に灯台も必要かな?
ああ、ペルーサに頼んであるしちゃんとしたディアノ商会の支店用店舗もいるな。
てことで年末年始の予定。最近事あるごとに年末年末って繰り返してるな俺。
だって、年末なんだもの。
まぁ俺が関係ありそうなモノは『お世話になった友人知人にお歳暮』と『寄り親に新年の挨拶』くらいだったんだけどさ。
俺宛のお歳暮も公爵家に届いているんだけど知らないお家からのモノは全部フィオーラ嬢の扱いでジョシュアじーちゃんが差配してくれている。
よく知らない相手からモノが送られてきても困惑しかしねぇよ・・・。
貰い物とお返しはお2人に任せておくとして
『年末から新年にかけての王城での祝賀パーティ』
俺は地方貴族だから王都の行事にはそれほどの関係はないので普通に行かないと言ったら
「やった!ハリスとふたりきりでしんねんのおいわいをするのです!!」
「・・・貴方が出ないなら私も屋敷で新年を祝うわよ?」
「今年はお姉ちゃまも一緒にいてあげるからね?大丈夫だよ?」
「まぁ婚約者の君がそう言うなら王城のパーティには特に出る必要性も感じないかな?」
「・・・妾もこっちのパーティに出るからな?のけものにするんじゃないぞ?」
などと王国の綺麗どころが全員で公爵家で集まるとごねだした。
貴女達はパーティに出るのもお仕事みたいなものなんだから我儘を言わないでいただきたい・・・。
そしてフィオーラ嬢は姫騎士様に対抗心を持ちすぎです。7歳児に振り回される18歳児とか見ていてとてもセツナイです。
・・・仕方がないのでちょこっと王城の行事にも顔を出して壁の花でもするかなぁ。
特に出たくもないパーティよりも俺にとって大事なのは『お歳暮』の方。
もちろん貰うほうじゃなくて贈るほうね。
ちょくちょく無理を聞いてもらってる&親しくしているキーファー家とフリューネ家とヴァンブス家――の、ご令嬢方と仲間はずれにすると泣きそうなアリシア王女には何か送っておかないとなんとなくもにょっとする昔の日本人みたいな心持ち。
贈り物、女の子に贈り物・・・難易度がとても高いであります!!
あ、あれだ、領地と王都との移動中の安全面とか考えたら『馬車の様なモノ』を各お家のイメージカラーでプレゼントしとけばよいのではなかろうか?
何か(俺にとって)不都合があれば動力用の魔水晶の供給を止めちゃえば動かないキャンピングカーくらいの使いみちしかなくなっちゃうし。
あれ、でかい魔水晶使うからね?
ちなみに各お家のイメージカラー。
キーファー家(フィオーラ嬢)は白
フリューネ家(リリアナ嬢)はキャメル(砂)色
ヴァンブス家(ヴェルフィーナ嬢)は薄緑色
らしい。
たぶんそれぞれのお家に住んでる精霊様のカラーだな。
そういえばヴァンブス家にもお邪魔したけど精霊様には会わなかったな。王都のお屋敷の方にいるのかな?
そして個人的には『フィオーラ嬢が金、リリアナ嬢が銀、ヴェルフィーナ嬢も金』なんだけどね?・・・青い衣は着てないけど金色の草原はとても良いものだった。
草原に降り立つ(意味深)と大事になるんだけどね?
当然アリシア王女にはシ○ア専用(色合い的にはむしろジョニーライ○ン専用?)馬車になる。赤(ピンク?)じゃなく深紅だな。
王家の精霊様は『火の精霊様』らしいし王女様カラー関係なく赤で問題ないだろう。
しかし・・・こうやって色違いの馬車を全部並べると合体して戦隊ロボみたいになりそうだな。もともとトランスフォームしそうな形状だし。
あと、メルちゃんが俺の乗る黒馬車を運転してるのを見るサーラ嬢がいつも指をくわえて物欲しげな視線でこっちを見つめるんだけどあなたには運転させませんからね?
だって交通事故を起こす未来しかみえないもん。
てか黒馬車は大きいから街なかでは取り回しがしづらいしちょっとした2人の移動用に何か欲しいな。
まぁ何かというかバイクなんだけどさ。
てことでメルちゃんには天馬、サーラ嬢には一角獣の聖衣を纏ったみたいな形状の二輪車を用意してみた。色はもちろん漆黒で。
うん、年末で忙しいと繰り返してるくせに思いつきだけで余計なものを作るからガイウス様に引き攣った顔で注意されちゃうんだよな。
自覚はあるんだ、あまり気にとめてないだけで。
『何か作ったらちゃんと報告してね?』
と、繰り返し言われてるから今回はメルちゃんだけじゃなくサーラ嬢も一緒にいつもの公爵家の中庭で、ガイウス様とコーネリウス様にお披露目したら
「・・・屋敷の中に大悪魔が二匹いるんだけど?」
「お前・・・それは正気の産物なのか?」
お2人揃ってとても高評価を頂けた。
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