説明回 その2 公衆衛生と食べ物とお金

※読み飛ばしていただいても支障はない・・・はず?


タイトルのまま

『そこまで重要じゃないけど知ってたら何となく得した気分になれる!』

・・・かもしれない説明の回です。


―・―・―・―・―


 相変わらず寂しい生活をおくっている俺ではあるが『では普通のご家庭や上流のご家庭』はどんな生活をしているのか?

『お前そんな事知ってるのか?』って?ハリス君、一応下級だけど貴族様だからな?限りなく一般人に近い貴族ブルーだけどな?


 てことでみんな大好きトイレのお話。・・・もちろんそれ以外の衛生面も含む。


 でもまずはトイレからだな。いや、トイレを語るなら水道から始めるべきか?

 水道、すぐに思いつくのは『ローマの水道橋の様な上水道』と『冒険者が大鼠やスライムなんかと戦う様なやたらと広い下水道』かな?

 そんな物があるのかと聞かれれば・・・『あるところにはある』だろうか。

『王都の貴族街』には一応似たようなものが両方あったし『北都の貧民街』には当然その様な物はない。当然だな。


 そして下水道の方はあると言っても『下水きょ(勾配のある溝)』なので排水には使えるけど『固形のもの(生ゴミとかアレとかソレ)』は流せない。ほら、近場で留まったら臭いじゃないですか?

 ならトイレはどうするのかと言えば『普通に汲取式』か『デカイおまる』になる。

 そして汲取式はお金がかかるのである程度裕福な家庭ならお家の中にトイレが付いてる(時代劇の武家屋敷を想像するのが近いかな?)けれどそうでなければ共用(時代劇の長屋だな)になる。


 江戸時代の日本とは違い農業に『下肥』は使用されていないので処理にはお金がかかるのだ。

 なら『回収された溜まったソレはどうするのか?』・・・乾燥させて燃やすらしい。すげぇ臭いがしそうだけどそこは魔法スキルのある世界だから大丈夫・・・だと思いたい。


 上水道?そっちはほら、井戸と川でどうにかこうにか。この国、三方を山に囲まれてるから水資源はそれなりに豊富なのだ。

 こちらも貴族やお金持ちなら魔法で水を出す(水魔法のスキル持ちを雇う)事も出来るし水を出す魔道具もあるしね。


 ついでに『ヘラ』じゃなく『布』でお尻を拭く時の方法。

 最初にトイレに備え付けられている水桶で布を濡らして綺麗にしてから乾いた布で仕上げる。・・・はたしてこの情報は必要なのだろうか?



 続いてお風呂と歯磨き。


 貧乏人は水でもかぶってろ!って事で基本は野外で水浴び、寒くなったら室内で濡らした手ぬぐいなどで身体を拭くだけ。頭?水をかぶるに決まってるだろ。

 お金持ちや(裕福な)貴族のお家には普通に(浸かるタイプの)お風呂がある。蒸し風呂サウナはこの国ではあまり普及していない。国内に温泉は無いんだけどね。


 身体を洗うのは石鹸(いいものでもそこそこ油臭い)、顔や髪を洗うのは専用の泥が一般的だな。

 歯ブラシは無く爪楊枝の様な物で歯の間を綺麗にしてから繊維質な木の枝をしがんで柔らかくして歯を擦る。とても面倒くさい。歯磨き粉は無く歯磨き用の灰を使う。

 当然のように貧乏人は石鹸も洗髪用の泥も歯磨き用の灰も使えないんだけどね。



 出すものの話の後は入れるもの。言い方が下品過ぎる・・・。てか順番も間違えてるよねこれ。


 てことで食べ物などなど。

 国内の主食はだいたい小麦や大麦やライ麦から作ったパン。米は・・・今の所見たことがないので田んぼがあるかどうかは不明。

 野菜も普通に人参、玉葱、茄子、じゃがいも、大根などなど日本で食べたことがあるものはそこそこ見かけるけどトマトなどは見たことがない。


 そもそも買い物に行ったことも無いしお金持ちの食卓は一度だけ(侯爵家のお食事会)しか参加したこと無いからさ。

 まぁ食材にそんなに変わりは無いと思う。肉?牛、豚、鶏、羊なんかはいるがもちろんお高い。


 てか肉以外でも調味料も香辛料もお高いんだよなぁ。

 例えば塩だと(都市部で)『100gあたり銅貨5枚』くらいはするし、砂糖だとその十倍は見とかないといけない。

 香辛料はモノによるけど(生姜や大蒜はそれほど高くない)殆どは砂糖よりさらに高価だ。


『いや、100gで銅貨5枚とか言われてもそもそもの物価がわかんねぇよ!!』と言うそこのあなた。

 そうだね、まったくわかんないよね。



 てことでこの国のお金のお話に続く訳だが。この国のお金の単位、少々ややこしい。


 銅貨 ・・・1アズ(暫定的に一枚40円と仮定する。なぜ40円なんて半端な額なのか?計算がしやすいからだよ言わせんな恥ずかしい。どうせ概念的な額なんだからあまりキニシナイ)

 大銅貨・・・10アズ(4百円)


 大銅貨が5枚で銀貨1枚


 銀貨 ・・・1デナリ(2千円)

 大銀貨・・・5デナリ(1万円)


 大銀貨が5枚で金貨1枚


 金貨 ・・・1アレウス(5万円)

 大金貨・・・10アレウス(50万円)


 余程の高額でも無ければ基本デナリ銀貨(大銀貨含む)で取引されてる・・・らしい。

 そして『アズ、デナリ、アレウス』と言う正式名称は今後出てくることはおそらく・・・ない。

 だって普通に『それなら銅貨~枚ね』で通じるんだもん。

 てかさ、切り上がるのが5枚か10枚かで揃えてくれと小一時間。


 都市部の一般家庭の収入が金貨1枚~、長屋っぽい家の家賃が大銀貨1枚~、外食が1食大銅貨2枚~を目安どうぞ。

 いや、これだけ(銅貨の価値だけ)を見るとそこまで高くないように見えるな塩。でもあくまでも『都市部の収入』の話だからね?

 それに月計算にすると『1人で塩が(1日に10g計算で)300g』これが5人家族ともなると・・・。そりゃ孤児院のごはんが薄味なのも仕方ないわ。

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