新しい同居人編 その8 3vs20000

そうこれは・・・魔物と人類の生き残りを賭けた・・・戦争だっ!!

※そんな作品ではありません・・・。


―・―・―・―・―


一応ではあるが剣をするりと抜き放ち、一歩一歩足元を確認しながら進む・・・。もちろんマップで罠なども確認しながら。

扉の向こうの空間が『Unknown』なのが少々気になる所。

突き当りの扉を開くと・・・明るい外の光。そして


「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」」」」」」」」


突然大音量の叫び声。

外から見て思った通り中は円形闘技場、いや、外で感じた大きさよりもかなり大きいんじゃないかこれ?

それこそローマのコロッセオより大きいんじゃないかってくらいの広さだぞ?


そして観覧席いっぱいに所狭しと立ち上がり、手を突き上げて叫ぶコボルトやゴブリンの群れ、群れ、群れ。

うん、数千匹、いや、日本のスタジアムの広さで換算したら2万匹くらいはいるな・・・。


「これは・・・」


「ふふふっ、走り回って探す手間が」

「省けていい感じですね!!」


『罠か!?』と俺が言おうとしたら隣からとても男前な感想。そして2人で『ククク』笑い。いつの間にか息もぴったりな2人である。

いや、この数だとさすがに掴まれたり倒した死体で身動きが取れなくなったら危険だからね?

もちろんそうはならないようにサポートはするけどさ。

どうせなら動きやすい方がいいかと闘技場の中央まで進む。


・・・

・・・

・・・


が、興奮して叫んでるだけで一匹たりとも場内に降りては来ない。

代わりに俺たちが入ってきた入り口とは反対側の扉が開き奥からゆっくりと歩いて出てきたのは


「グオオオオオオオオオオオッッッ!!!」


ちょっと大きめのゴブリン。


えっ?相手、あれなの?

確認してみたけど・・・レベル10の魔物が一体だけ?


「こういう時のお約束は『ミノタウルス』、最近の流行りだと『マンティコア』じゃないのか?なんだよ正式名称が『ちょっとサイズの大きいゴブリン』って。それならそれでゴブリンキングとかそれらしいのがあるだろうが」

「お約束?と言うのはよくわからないがとりあえずアレは殺ってもいいのか?」

「閣下、ご命令を!!」


俺のツレの殺意・・・高すぎ?

ん?おっきなゴブリン?

GOサインを出して3秒で3枚に下ろされました。


「これで終わりとか肩透かしも甚だし・・・2人とも!観客席から大量に来るぞ!!気を抜くなよ!!」

「もちろん!!」

「はっ!!」


どうやら本番はここかららしい。


・・・

・・・

・・・


多少時間はかかったけどたかだかゴブリンとコボルトである。ちょっと数がシャレにならなかっただけで。

動けるように周りの死体を時空庫に放り込んで2人が動けるスペースの確保さえしてやれば危なげなく殲滅・・・する前に2人ともスタミナが切れて肩で息する状態になったので回復魔法をこまめにかけてサポートしながらも最後まで頑張ってもらった。


スパルタ人も苦笑いしそうな強行育成である。

俺もいっぱい走り回ったんだからねっ!!


「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・くっ、この程度で息切れして倒れ込んでしまうとは我が事ながら何という不甲斐ない有様なのか・・・この様な状態ではお、お前にえ、エッチな事をされても逆らえないではないかっ!」

「この血生臭く、むしろ単純に生臭い腐臭が充満してる上にどこを見渡しても死体まみれで阿鼻叫喚の状況で性欲に押し流されて女の子に襲いかかる奴がいたらもうそいつは勇者だわ。いや、(元)勇者でも普通に無理だわ」

「私はいつでも閣下を受け入れる準備は出来ておりますからっ!ご遠慮なさらずにどうぞ!!」

「君はとりあえず人の話を聞くところから始めような?」


あ、2人とも飲み物いる?冷えたサイダーとかコーラとかならあるよ?後は水とか果実系の絞り汁とかお酒くらい?そこそこの品揃えだな。

ちなみに兜、脱がなくてもウイーンてフェイス部分が上がる。マジどうなってんだよ竜製品・・・。

女の子が飲み物を飲む時に慌てて飲んで口の端から少しこぼれ落ちるのっていいよね?あと嚥下する時の喉の動きとか。※ただし透明又は白及び白濁とした色の液体に限る。


さすがにこの状況の場所で休憩するのはかなりキツイので――女の子2人は気にもとめずに寝転んで休憩しているが――大柄なゴブリンが出てきた通路の奥を先に確認する。

外からの入り口は一つしかなかったのに奥には外に通じていそうな扉があった。

地下迷宮の階層の切り替えで階段を下るように野外迷宮では扉で地域の切り替えでもするんだろうか?

この空間も外の草原とは別みたいだしさ。


息を整え終わったのか後ろから付いてくるメルちゃんとサーラ嬢。

とりあえず扉の向こうを覗いてみて・・・今日は帰るかな!


てなわけでオープンセサミー!


・・・草原を抜けたトンネル(闘技場)の先に広がるのは・・・同じ様な草原だった。

いや、流石に手抜きじゃね?DM(ダンジョンマスター)ちょっと出てこい!


あ、帰宅後に2人のレベル経験値とスキル経験値を基礎能力値に振り直した所、ステータスを『オール15』まで上げることが出来ました!まぁスキル経験値は微々たるモノなんだけどさ。

やっぱボス戦(と言う名の集団戦だな、あれは・・・)は経験値がおいしいよね!

俺?俺は誤差程度しか増えてないよ?だって次のレベルまで数百億単位だもん・・・。


―・―・―・―・―


クライマックスのボス戦・・・3行(実質1行)

スペクタクルな大集団戦・・・3行(実質『・』が9個)

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