新しい同居人編
新しい同居人編 その1 絶対に必要なモノ
終電を逃した女友達に男が『仕方ないから泊まっていけよ?あ、先にシャワーする?』みたいな爽やかだけど下心満載な雰囲気を醸し出すフィオーラ嬢を振り切りヴィーゼンに帰る俺。・・・サーラ嬢となぜかメルちゃんまで連れて。
うん、もう着いたから離してくれて大丈夫だからね?てか女の子に抱きつかれるのは嬉しいんだけど防具を着用してると出っぱりが痛いって前も言ったよね?
あ、サーラ嬢は普通に手を繋いでただけで抱きついてたのはメルちゃんだけ。
てかさ、帰ろうとしたらメルちゃんが腰にすがりついて涙目で離れないという今までにないパターンで非常に困惑したんだけど・・・。
いや、メルちゃんはフィオーラ嬢の護衛だから連れて行けないよ?って言ってるのに全然離れないの。
どうやらキャラ的に似ているサーラ嬢が一緒に行くってのが我慢ならなかったらしい。そんなに似てもいないんだけどなぁ。
てかさ、どうしてだかみんなに俺がサーラ嬢をものすごく気に入ってると思われてるみたいなんだけど・・・これ、フレンドリーファイヤするタイプのトラップだからね?
仕方がないのでフィオーラ嬢には悪いけどしばらくメルちゃんの(フィオーラ嬢の護衛の)お休みを貰って連れてきた。
あれだぞ?全員の『それなら私も連れて行くよな』の圧、一万メートルの深海にいるのかと思ったくらいだからな?カップのラーメンもむっちゃちっちゃくなるわ。
でもほら、ワガママとか言うタイプじゃないメルちゃんにこんな態度されるとさ、突き放せないじゃないですか?
あとサーラ嬢の面倒とか見てくれると有り難い。ホント有り難いから頼みます。
二人とも転移に関しては特に動揺してないのはさすがって感じかな?
うん、本当にそろそろ離れようね?もう手も離していいからね?
あとサーラ嬢の手汗がすごい。男の子と手を繋ぐの初めてなんだ?・・・いや、だから手を離そうね?
もう一度王都に『幼女(ミヅキ)と幼女(ヴィオラ)とメイド(ドーリス)』を迎えに行かないといけないんだ。
さて、繰り返すがここはヴィーゼン。やっとヴィーゼン。帰ってきたぞヴィーゼン。すぐに寝たいぞヴィーゼン。
でもすることがあるんだよなぁ・・・。
「まずは二人の部屋の用意しないとだな。風呂は先に入りたい?後でも良い?」
「はい!閣下と同室でお願いします!お風呂も一緒で大丈夫です!」
「わ、私もその・・・ハリスが望むのなら・・・」
俺の同室になって良いのはミヅキとクマとウサギと未だ見ぬ精霊さんだけだからむーりー。全員人外と言うかゆるキャラだな。
そしてサーラ嬢がアクティブ過ぎるので借りてきた猫みたいになってるメルちゃんとの対比でギャップがすごい。
メルちゃんポンコツ可愛い!メルちゃん女騎士萌え!でも違和感が半端ない。
まぁ明日には元に戻ってるだろう、たぶん。
空き部屋はそれなりにあるので二部屋選んでベッドにタンスに机と椅子に・・・ああ、灯りがいるよね?てか二人とも着の身着のままだから着替えとかも一切持ってきてないよな。
・・・いや、これサーラ嬢は旗振りながら笑顔で実家を送り出されてたけどメルちゃんは親御さんとか大丈夫なのだろうか?
ずっとフィオーラ嬢に付いてたから平気?ならいいんだけどさ。
肌着にパジャマにバスタオルにタオル・・・パジャマはスッケスケのやつ出したいんだけどなぁ。
一人はまったく気にせず着ちゃいそうだし、もうひとりはなんかこう弱ってるからツッコミ入れてくれなさそうだし。ちょっと可愛い普通のにしとくか。
そもそもスケてても下着が色っぽくない不具合が発生してるんだよね。
そしてこういうときにわかる裁縫スキルのありがたさ・・・。
あ、風呂は俺の後にしてもらいました。ちゃんとお湯もはりかえるから大丈夫。
そして翌朝、普通に朝食を作る・・・俺。うん、ここ(准・・・じゃなくなった男爵邸)に居る時はごはんの用意はほとんど自分でしてるんだ。
ドリースには領を一人で支えてもらってる様なもんだし?幼女二人は料理とか出来ないし。
新しく来た二人?逆に聞くけど料理するように・・・いや、そう言えばサーラ嬢は料理スキル持ってたよな。
でもなんかこう『キャンプ料理』みたいなのが出てくるイメージしか出来ないんだけど?
カリッとめにパンを焼いて肉の皿を用意する。朝から肉?うちの子みんな育ち盛りだからね?
食堂に一番にやってくるのはだいたいミヅキ、そしてドーリスとヴィオラ、少し遅れてサーラ嬢で最後にメルちゃん。
うん、何ていうかこうパジャマ姿で寝ぼけ眼のメルちゃんがとても新鮮である。
そもそもこの子いつもかっちりとした格好してるから薄着で現れると妙に色っぽい。
そしてサーラ嬢と共にボタンじゃないポッチが胸の上に2つずつの合計4つ。肌着とパジャマを通してすら自己主張するポッチ。
寒くないように全館暖房中で本当によかった・・・。もちろん魔水晶の消費量はそこそこでかいんだけどさ。
二人の胸元に俺の目が釘付けになってるのに気付いたドーリスが対抗していきなり脱ぎだして下着姿になったのは気にしない。
下着姿っても普通に長めのTシャツにトランクスなんだよなぁ。もちろんポッチはくっきりだけどな!色の違いまではっきりしてるし!
人数も増えて賑やかな朝ごはん、俺が来るまではドーリスと二人きりで生活してたヴィオラ嬢も嬉しそうでほっこりした。
「てことで今日は女の子用のセクシーでエッチな下着を作ろうと思います!」
「お主、馬鹿じゃろ?」
いや、そうじゃないんだ、だってほら、ブラが無いとさ、ぼいんぼいんがばいんばいんするじゃん?
それに毎日あんなもの見せられたら理性が持たない。自信がないではなく断言する、持たないのだと!
もちろん三千年で育たなかった蛇には永遠にブラは必要無さそうだけどさ。
可哀想な子を見る瞳を向けたらミヅキが『キシャー!』と威嚇してきた。なかなか勘のいい蛇である。
『てかお前・・・女物の下着を作るとか出来るのか?』って?俺の日本時代の愛読書は某下着を作る天才のマンガだぞ?
ちなみに某スーツを作る人のマンガも大好きなのでスーツも作れるのだ。
ゴージとかラペルとかベンツとかクロッチとか専門用語も大丈夫!
最後のは人前であまり大声では言わないほうがいいので念の為。
作文で『将来の夢、クロッチになりたい』とか書いたら三者面談待ったなしである。
モデルさんと試着モニターは必然的にドーリスになった。スキルがあるからブラの立体成型もらくらくなのである。
ついでにシルクのストッキング、否、ガーターベルトも作り・・・こうなればもうアレもいるよね?
だってモデルさんがメイドさんなんだもん、ヴィクトリアンなメイド服&ふりっふりのホワイトブリムが似合わないはずがないじゃないですか?
もちろん基本は黒のロングのワンピースで腰はキュッと絞って肩回りはふわっと。
真っ白なロングエプロンも肩回りから背中にかけて大きめのフリルを付けて・・・後ろで縛る紐は大きな蝶々になるように太め。
あ、ホワイトブリムは普通のと犬耳っぽいのの二種類作りました。
「どうでしょうか?似合いますでしょうか?」
「・・・これ、もう無敵じゃね?」
完成した下着&メイド服を着せるとお腹の上でそっと手を重ねて柔らかい微笑みをこちらに向けるドーリス。
使用人に手を出しちゃう節操のない貴族の気持ちが心の底から理解できた瞬間である。
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