東への旅編 その8 そこも金髪さんなんですね・・・
「ん?一人なのか?」
「ああ、その方がゆっくりと話せると思ってね」
「まぁ残念ながらこっちには妹が居るけどな。どうぞ」
部屋に女の子を招き入れるとか俺も大人になったよなぁ、などと良くわからない感情をいだきながら部屋迎え入れ・・・いや、椅子とか机とか端っこに押しやって湯船と便器置いてたなそう言えば。眠かったから朝でいいやってそのまま置きっぱなしだよ。
「エルフ、とりあえず下で話そうか?」
「・・・お風呂・・・?ナンデ?オフロナンデ!?」
「たまたまお風呂付きの部屋だった」
「そんなものこんな平民用の安宿に有るはずがないだろう!?・・・と言うか隣にあるのは洋式トイレってやつだよね?て言うか君の名前って確かハリス・・・ハリス・・・ああ、君はフィオーラの婚約者のハリスか!」
おおう、いきなり身バレしちゃってるんだけど?
「そんな大それた事実は一切ない」
「えっ?ならリリアナの婚約者のハリス?それともアリシア殿下の婚約者のハリス?」
「全部外れだな。てかエルフさんは御令嬢を呼び捨てにして王女様をご存知のお立場なのですね?」
「そうだね、さすがに大勢人がいる場所でその辺の話は出来なかったからね。でもあのそっけない態度、薄々はばれていたのだろう?」
あの御令嬢たちは人のことを何だと思ってるのか?
そして『鑑定』すれば名前は聞かなくても見れるからね?もちろん名前以外もいろいろと・・・。
「これでも一応私はヴァンブス公爵家の係累なんだよ。まずはお近づきに入浴させてもらいたいんだけど?」
「ホントにこの国のお貴族様はフットワーク軽すぎなんだよなぁ。そしてためらいなく風呂に入りたがるその真っ直ぐさ、嫌いじゃない。しかし俺は部屋を出て行く気は無いぞ?」
「ふっ、構わないさ。特に見られても困るものではないしね」
「おっとこまえだなぁ・・・。ホントだな?絶対に後から何も言わないな?俺の知ってる御令嬢の少なくとも三人くらいは『乙女の素肌を見たのだから当然責任はとるのでしょうね?』ってゴネまくるぞ?」
ちなみにこの子ヴァンブス公爵家の係累どころではなくご長女なんだよなぁ。お名前は『ヴェルフィーナ』。
うん?どうして知ってるのかって?いや、さっき鑑定したって言ったじゃん。てか胡散臭気な怪しい人間は見かけたらとりあえず鑑定してるし。けっして女性限定でいろいろと調べているのではないのだ!
・・・てかマジで目の前に男がいるのに風呂に入るのかよこの美少女エルフ・・・そのへん大雑把っぽいメルちゃんですら稽古の後に汗だくになっていても俺を含めて他人の目に付く所では防具すら一切外さないからな?
「大丈夫だよ。ふふっ、存分に堪能すると良いよ」
「お湯のご用意をさせていただきますね?」
本気かよエルフさん・・・なんて良い子なんだ。てかホントに脱ぎだしたんだけど!?えっ、大丈夫?これ大丈夫なやつなの?この子も公爵令嬢だよね?どうしてこんな威風堂々と自信満々に服を脱いでるの?ちょっと意味がわからない。
まぁ下着はほら、男女兼用みたいな何の色気も素っ気もないやつなんだけどさ。
これはもう俺が地球の女性用下着を用意して・・・ダメだ、DTの俺にそこまで詳しい女性用下着の知識はない。少しだけエッチなコミックとかイメージ的な映像でしか見たこと無いもの!!
まぁでも何ていうかこうそっけないシャツを押し上げる・・・何ていうの?こう突起物的な?そう言うのも有りか無しかで言えば・・・押させてくれねぇかな!?
てかもちろんそれもやっぱり脱ぐんだよね?
うわ・・・アレが・・・うわ・・・ああ・・・とりあえず拝んどくべきかな?アリガトウゴザイマス、アリガトウゴザイマス・・・あ、やっぱりそこも金髪さんなんですね・・・。
もうね、この世界の全てにしゅくふ・・・何となく危険な言葉のような気がしたので言うのは止しておこう。
「ふふっ、どうだい?なかなか逞しい体だろう?」
「お、おう?逞しい?むしろどちらかと言えばほっそりとしてるけど肉付きは悪くない真っ白な身体、小ぶりだけど形の良い乳房」
「・・・ん?」
「・・・ん?」
「引き締まった小尻に・・・金色の・・・若草?」
ちょっとこう湯船に片足を乗せてくれたりしたら嬉しいな?
「・・・んんんんん!?」
「・・・てかお前精霊子グマかよ、『ん』だけで会話が成立すると思うなよ?」
「いや、待って、少し待って・・・君には私の髪色は何色に見える?」
「フィオーラ嬢より少し色の薄い金髪?」
「・・・顔は?」
「冒険物の物語に出てきそうな美人エルフ?」
最近は耳の長いエルフさんはエルフじゃなくプーチだ!って言うのが流行りなんだっけ?
てかいきなり肌が白からピンク、そしてアルコールがまわった様なまっ赤に変わったんだけど?風呂の血行促進効果すごくね?
「ハリス・・・」
「はい?」
「すまないが・・・少しだけ部屋を出てもらえないだろうか?」
「えっ、いやだけど?こんな間近で美人さんの裸体をガン見するチャンスなんてそうそう無さそうだし」
「いいから出ていけぇぇぇぇぇぇ!!!!」
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