王都公爵邸編 その11 ムニュ(希望)
次々と上級貴族の御令嬢に手を出す頭のオカシイ子供と言う誤解をどうにかこうにか払拭。
出会い頭から考えると格段に友好的になった侯爵様の案内でおそらく今回の騒ぎの元凶と思われる敷地内に置かれた・・・真っ黒い石の前に案内される。
うん、間違いなくコイツだわ。鬼○郎なら完全に立ってるもん。チ○チ○が?逆にお前は妖気を感知して○ン○ン立ててる鬼○郎を見たこと有るのかと小一時間・・・昔読んだコミック版なら一度くらいはあるかもしれないな(絶対に無いとは言い切れない)。
たまにはシモネタを交えないと不安になるどうも、俺です。
さて、目の前の真っ黒な石――いや、直径で1メートルくらいあるから岩だな。どっからどうみても胡散臭さの塊である。
「えっと、どうしてこんな見ただけで明らかに曰く有りげなものをお屋敷に?」
「いや、長男がな、王子に頂いたとかでな。でもほら、よく見ろ!黒光りしてなかなか立派だろう?」
フィオーラ嬢に向いていかがわしい発言をするんじゃないくそオヤジ。
てか鑑定じゃなくて魔眼に反応するって事は生き物扱いなのかこれ?
蛇石・・・って書いてあるけど・・・黒い石じゃん?
あ、あれか?魚石(昔の怪談とか不思議な話とかまとめた『耳袋』とかに出てくる魚が中に入った石)みたいに蛇が入ってるとかそう言う感じの。
まぁ何でも良いか、光魔法もあるし精霊子グマでブーストも出来るし浄化しちゃえば一件落着だろ。
『おい馬鹿、何でも良いかで人を殺そうとするんじゃない!!』
「・・・んん?」
『キョロキョロすんな馬鹿、こっちじゃ、目の前じゃ!』
「んん・・・まぁコイツしかいないわな。てか、最近の黒い石ってしゃべんの?気持ち悪っ!」
『貴様・・・我、神ぞ?それはもう美しい白蛇の神ぞ?』
「黒い石にしか見えないんだから仕方ないじゃん、白蛇なら白い石に入れよ。てか意思の疎通出来るんだ?」
『貴様、今「石だけに」とか言おうとしただろ!』
「・・・そんなダジャレ言うわけないじゃないですかー。で、話しかけてきてるってことは・・・何か御用でも?」
『もちろんあるに決まっておろ!その、何だ、浄化とかいうのは止めるのだ!』
「いや、だってさ、蛇神さんはほら、現状祟り神じゃないですか?特に被害を受けてるのがね、大切な女性なんだよ」
『我も別に好きでこんなことやってるわけではないわ!!そもそも今から300年前・・・』
何か語りだした・・・てか長ぇよ・・・。
ん?どうしたのみんなでそんな不審そうな顔して。
「ハリス、石の前でいきなり独り言を言い始めるのはさすがに気味が悪いわよ?」
「みんなには聞こえてないだけでちゃんと話し相手はいるんだよなぁ」
まぁフィオーラ嬢は置いといて白蛇さんの言うことには
なんか寝てたら石の中に居た(転移魔法失敗した冒険者か)
なんか石にいたずらするやつが居て不愉快(石にいたずら・・・なかなか高度な変態だな)
最近特にイライラさせられるのでついつい邪気を出してしまった、反省はしていない(いや、反省はしろよ)
ちょっと・・・浄化はキツイです(そりゃそれだけ邪気出してりゃ悪いやつ認定されて浄化もされるやろ)
『と言う語るも涙、聞くも涙の』
「じゃあ浄化するね?」
『どうしてそうなるのだ!?』
だって・・・助け方もわからないし蛇に知り合いとか居ないし・・・。
『我、あれだぞ?むっちゃ美人ぞ?』
「蛇の美人とか人類には見分けつかねぇよ・・・」
『違う!ヒトガタが取れるのだ!!すごい美人でおっぱいもこうムニュって感じで』
「ほう、詳しく聞こうか」
うん、蛇神様も被害者だもんね?いきなり浄化しちゃうとか可哀想だよね?
・・・いや、冗談抜きでこうして話してるとさ、そんなに悪いやつではなそそうだし?そもそも神様だし?
けっしてムニュっとしてるからではないのだ!!
「でもお前、出てきたら暴れるだろう?」
『何で我がそんな面倒なことしないといけないのだ?・・・もちろん我を利用してくれた愚か者にはそれ相応の礼はさせてもらうがな』
「それはいい心がけだ。とことんまでやってやれ」
『ほう?同じ人としてお主は止めぬのか?』
「むしろ止める理由があるのかと。逆にうちのお嬢とご友人に迷惑かけた連中にこちらの手を汚さずに仕返しできて万々歳だけど?」
『おう・・・お主なかなかいい性格しておるな?』
うん、昔からよく言われる。そして岩と二人でくっくっくっと笑い合う。
ああ、石の声は聞こえてないから俺が一人で笑ってる感じなのか。・・・悪人笑いにそこそこ引かれてるな。
てことで出してやる方向で交渉開始。
最低条件として
リリアナ嬢をきちんと治療する。
俺の知人に迷惑をかけない(他人様のことまでは知らない)。
俺におっぱいを触らせる。
この3つの条件を飲むなら
「ハリス、冷静になりなさい。いくら思春期だと言っても蛇の胸を触って満足なのかしら?本当に人としてそれでいいのかしら?」
「お、おう・・・」
真顔で正論を言われた。やだなー冗談に決まってるじゃないですかー・・・チッ。だってムニュっとしてるんだぞ!!
でもここで恨みがましい目をしてはいけない。あまつさえフィオーラ嬢の胸部装甲に目を向けるのもいけない。
まぁ仕方がないので前者二点を飲むなら出してやろう。うん、即決だな。で、どうすれば・・・岩を粉々に砕けと、剣で斬るのは本体を掠ったりするかもしれないので勘弁してほしいと。
「よし、行くぞ」
『人の話を聞け!その巨大な両手剣はしまえ!!』
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