異世界ドイツ帝国。その他の国家はどうなったか~オーストリア・ハンガリー二重帝国編~

皆さんこんにちは。ヴィクトルです。


最近忙しかったので書けられませんでしたがちゃんと生きてます


毎度のごとくそんなことは置いておいて...


前回までドイツだけを考察していましたが今回はドイツと共に戦った国たちを


見ていきながらドイツ帝国が勝利した世界を見ていきたいと思います


さてドイツ帝国の同盟国


まとめて言えば「中央同盟国」ですが...


・ドイツ帝国


・オーストリア・ハンガリー二重帝国


・オスマン帝国


・ブルガリア王国


この4か国しか参加していません


しかもブルガリア王国以外は敗戦後数年のうちに政府が崩壊しています。




ところで本来ならこの4か国以外にもう1か国が同盟国に参加していません






どこか全く見当がつかない人もいるでしょうが答えはイタリア王国です


なぜ同盟国になるはずだったかは「独墺伊同盟」と言う同盟を結んでい


たからなんですが...これをイタリアは破棄して連合国側につきます。


この行動は「未回収のイタリア」と呼ばれる地域の奪還が目的でした


これら地域は二重帝国が持っており、この同盟締結前もこの地域の事で


二重帝国とたびたびもめていました


このことが原因で連合国側に寝返りました。しかし大戦後の講和会議で


密約で保証されていたイタリアの植民地拡大はほとんど認められずさらに


フィウーメ(現在のスロヴェニアのリエカ)の併合問題も保留とされたた


め、イタリアは「講和での敗戦国」と呼ばれることになってしまいました


イタリア国民の多くは講和内容に不満をもち、「損なわれた勝利」という


感情がひろまり、のちにファシズムが誕生するっきっけにもなります




それでは今回はオーストリア・ハンガリー二重帝国を考察していきましょう


まず二重帝国ですがかなりの多民族国家です


公用語は主にドイツ語、ハンガリー語ですが話されていた言語としては他に、


チェコ語、ポーランド語、ルテニア語、ルーマニア語、スロヴェニア語、


ボスニア語、クロアチア語、セルビア語、イタリア語など数多くの言語が


使われていたことがうかがえます。


さらにかなりの不幸体質とも言えます


戦争に負けるわ大国との関係は悪化するわ皇帝一族の不幸が続くわで


さんざんです。さらに自治獲得の動き激しくなりました


しかしこの時点ではどの民族も帝国からの「独立」は望んでいませんでした


理由としてはドイツ帝国やロシア帝国、イタリア王国などの列強に挟まれた


土地であるバルカン半島で独立すれば生き残ることはできません


あくまで帝国という大きい枠のなかで「自治」を得る、つまり諸民族の連邦


国家を望んでいました。




ところがシベリアでチェコスロヴァキア軍団(チェコ軍団)の活躍が活躍し


ているのが連合国の耳に入るとチェコ人指導者であるトマーシュ・マサリクは


、しきりにチェコスロヴァキア独立を連合国側に持ちかけて連合国は彼の


「チェコスロヴァキア国民会議」を臨時政府として承認しました。


これが発端となって帝国内の諸民族は次々と独立を宣言し、その流れで


650年間続いた二重帝国はあっさりと崩壊し第2世界大戦ではかつての帝国諸民族


の血みどろの抗争が繰り広げられソビエト連邦の衛星国として東西冷戦の最前線


となりました。結局、諸民族が混在して民族ごとの領域を確定できない中欧・


東欧で、無理やり「民族自決」が適用しようとした結果さらなる混乱が生まれ


てしまいました。




さてドイツ帝国が第1次世界大戦で勝利していたこの世界ではどうでしょう


恐らく帝国は崩壊しなかったでしょうがやはり自治政府は作られたでしょうが


二重帝国自体は安定したでしょう。




かのナポレオンはウィーン占領後にフランス外相にこういう手紙を送られています




「ハプスブルク帝国を崩壊させるのはご自由ですが、これは多民族を統治する


モデル国家であり、一度こわしたら二度ともとに戻ることはないでしょう。


後には混乱が残るだけです。そのことをお忘れなく」と




またドイツの歴史学者ゴーロ・マンと言う人物はこう語っています




「オーストリア=ハンガリー帝国が崩壊しなかったらよかったのにと心から思う。


あれは多民族国家がうまく機能する最上の解決策だった」と




二重帝国は最も他民族をまとめることに成功した国家と言えます


あの昔から東ローマ帝国、大ハンガリー、モンゴル帝国、オスマン帝国でさえ統治


に苦戦した地域における秩序確立を緩やかな統合によって成し遂げたという事だけ


でも帝国の存在意義は十分にあると言えます




次回はオスマン帝国の考察をしていこうと思います

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