第4話

「……悪かったよ……出てこいって……」


部屋に鍵をかけ、出てこない状態が、かれこれ一時間経過した。


「なんか変な事したわけ⁈ してないんだろ⁈」


ドアを叩き話しかけるが、微かに聞こえてくるのは鼻水をすする音。

きっと泣いているんだろう。


「……言わないで悪かったよ。けど、言ったら来ないってゆーか、来てもダンマリになるだろ……だから……良かれと思って俺は、、」


「分かってたらもっと可愛い服着たの!!

ちゃんと化粧もしたの!!

あんなに飲まなかったの!!

コンタクトも外さなかったの!!!!」


バッ!とドアから顔を出した彼女は怒鳴るように言い、またドアを勢いよく閉めた。


“このチャンスを逃すか‼︎”

彼女がドアを閉めるか閉め切らない直前に、ドアノブをグイッと押し込み、ドアを開けた。

その力が強すぎて、彼女は尻餅をついてしまった。


「いたっ……」

「あぁ‼︎ごめんごめん!!」


あまりにも強すぎた。

彼女の右足首がみるみる腫れていった……


次の日、病院に行くと“ヒビですね……”と。

全治4週間はかかると言われた。


「……ごめんな……」

「もういいよ……」

「……ファルコン、仕事は?」

「午前休もらった……お前は?会社明日から行くの?」


「 歩くの大変だから、仕事も支障出るし、通勤も大変だし。リモートで書類片付けもあるけど……休んでもいいよって。」


「有給余ってるのか……?」

「捨てるほどね」

「じゃぁ休めよ!」

「でも……」


なぜ休みたくないのだろう、、

俺なら“lucky!”くらいに思うのに。


「ずっと家に居てもヒマじゃん……」


「あっ! なら、編集作業しないか⁈」


YouTube映像の編集。

これならリモートで出来るし、楽しいだろ⁈

全力でプレゼンした。


渋ってはいたが、“大好きな映像を編集なしで、しかも一番に見れるんだぞ”がかなり効いている。


結果、その一手が決まり手となり彼女は“バイト”として俺らの仲間入りすることになった。

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