第86話 重大発表です。(裏)②

※本日3話投稿します。



我が名はバリューン。

魔族を治める王……魔王である。


先日、ガーラン王国に潜ませている部下から連絡が入った。

その手紙を受け取った時、我はそれを信じることが一瞬できなかった………。


『神話級モンスターが生まれた。』


何言ってるのかな? ………あいつは?

疲れているのかな? ………代わりを送ってやろうか………?

我………そこまで激務を押し付けた気はなかったんだけどな………。

ブラックだったかな………。


それはさておき、これが本当なら……看過できない問題だ………一度、見に行くとするか………。


希少魔獣……〝ウツルンデスムーブバード〟を部下に用意させる。

ウツルンデスムーブバード〟の特殊能力……空間移動を行うと………一面砂だらけの砂漠に降り立った。

部下が送ってきた予想された移動経路の上………辺りを見渡して当たりだと確信する。


遠くに見える小山……よく見ると、かなりのスピードでこちらに向かって進んできている。


我はその場に留まり、それが近づいてくるのを待った。

大体の外観がわかってきた………あれは巨大な……いや超巨大なカメだな。


面白い! 実に面白い!! なんとかして、あれを飼い慣らしたい!!!


そんな時である………



「見つけたぞ!! 魔王!!」



面倒な相手が現れた………。 今は此奴と争っている場合じゃ無いんだが……。


ほう。勇者か………お前もあれを見にきたのか?


我がそれを指差すと、勇者も視線を向け目を見開く。

全く気づいていなかったのか………はぁ………底が知れる。



「魔王よ! あ、あれは貴様の眷属か?」



違うわ………バカかこいつは? あんな神話級モンスターを眷属にしてたら、とっくに人類国家を滅ぼしてるわ!!

突如生まれたから様子を見にきたのだ…………。



「ここで貴様とあの魔獣を倒してやる!!」



そう言うと、勇者が抜剣しこちらへ構えてきた………これだから戦闘狂スキル所有者は嫌いなのだ………。



〝バン!!〟



突如勇者が吹っ飛ぶ!? ………???

気がつくと数十匹のマツザッカピッチングビーがこちらに向かって飛んできていたのだ。


あっと言う間に勇者が蜂蜜まみれになっていく。



プッ………ハハハハハハ。無様よのう……勇者よ。ブハハハ……

その情けない姿に笑いが止まらない………腹が痛い!!


さて、我はマツザッカピッチングビーに襲われる前に、魔王城へ帰るk………


〝バン!!〟


ハハハ………ハイ?

その瞬間、我の肩に留まっていたウツルンデスムーブバードが吹き飛んだ……………。

な………な、な…………なんだと!! これだと……魔王城に帰れないではないか!?



我は急ぎ……踵を返して走り出す………脱兎の如く逃亡だ………が、既にマツザッカピッチングビーの射程圏内だった………。


襲ってくる蜂蜜弾………あっという間に動けなくなる……。


最後に振り向き見えたのは………空を舞うマツザッカピッチングビーの群れと………飛んでくる無数の蜂蜜弾だった…………。


………我………死んだわ…………。



《備考》

・ムーブバード

▶︎かつて大陸中を飛び交っていた魔鳥。冒険者達が呼ぶあだ名は〝ウツルンデス〟。誰が名付けたかは不明。種族固有スキルは〝空間移動〟。接触することで一緒に〝空間移動〟できることから、飼い慣らすために乱獲された。今では絶滅危惧種に指定されるほど数が減っている。その身は大変美味しく、全ての生き物から狙われたために〝空間移動〟のスキルを覚えたと言われている。



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※色々なこと、気持ちは〝近況ノート〟に書か

せていただいています。そちらを読んでいただ

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             同瀬馬野抱枕

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