閑話と『砂漠の国 ガーラン王国』苦行編
閑話:第11話 それ行け! 僕らのヘテさん!! ①
※本日3話投稿します。
※物語には直接関係ない話です。飛ばしてもらっても問題ありません。
「見つけたぞ! さぁ、ヘテ! ユーラ殿のところへ向かうぞ!」
〝カフッ!〟
私は………
吐き気と眩暈……そして抑えきれない殺意………。
拳を握りしめて、全てを我慢する。
あぁ……最近薄くなり始めた頭が……さらに薄くなりそうだ。
私の名前はヘテ。
ガーラン王国宰相補佐。
そして……今は、『忘れられたオアシス』の親善大使と
響きはいいため? 周りから羨ましがられるが………ようは面倒を全て押し付けられたのだ。
そして先日、『忘れられたオアシス』のユーラ殿から手紙が届いた。
その内容を見た瞬間………私の胃は決壊を起こし……吐血した。
何を考えているんだ………この国のバカ共は………。
よりによって『交路のオアシス』を統治している伯爵を中心に商人達が『忘れられたオアシス』に街が造られていた……だと………。
そして、それらをユーラ殿が更地に戻したと………。
伯爵も何を考えていたのか………あれほど手を出すな……友好を深めよ。っと王命が出たばかりなのに……。
………王命が出る前に造った街だから関係ないとでも思ったのか?
唯一の救いは、ユーラ殿がそこまで怒っていない? いや怒ってはいるが、争いを望んでいない………どちらにしても新しい交易先を紹介してほしいと希望しているのだ。
誠心誠意、いい商会を紹介するまでだ。
争いを好まない御仁で助かった………。
急いで、我が家が厚意にしている商会を連れて、ユーラ殿に謝罪に行かなければ………。
今度こそ間違って敵対されたら、この国は簡単に滅びる………。
なのに………なのにだ…………。
私の『忘れられたオアシス』訪問を何処からか聞き入れた
マジで勘弁してくれ…………。
どう断るべきから………頭をフル回転させる。
「王子。今回は……今回も遊びで『忘れられたオアシス』に行くのではありません。謝罪に行くのです。歓迎はされませんよ。なんなら、王子が代表としてユーラ殿に頭を下げてくださるのですか?」
「歓迎されないか………それは残念! 次回としよう! ちゃんと詫びてくるのだぞ!」
な……殴り飛ばしたい………。
思いつきでペラペラと………。
痛む頭と胃を片手づつで抑え、出発の準備をしたラクク車へと向かう。
………使用人達が
そそくさとラクク車に乗り込むと出発させる。
『忘れられたオアシス』に着いたら少しはゆっくりできるのだろうかと……私はそっと目を閉じるのだった。
※色々なこと、気持ちは〝近況ノート〟に書かせていただいています。そちらを読んでいただけると嬉しいです。
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