第75話 再会なのです。
※本日は3話投稿させていただきます。
おはようございます。
人との縁とは不思議なもので、共通の
気がつくと、僕にも久しぶりに会うと嬉しい人ができていました。
オアシス生活366日。
ヘテさんがひさしぶりに『忘れられてたオアシス』にやってきました。
手紙のやりとりをしていたので、ひさしぶり感はあまりありませんが……。
今回は新しい商会を紹介してくれるとのことで、ラクク車が5台も連なってやってきました。
僕たちは……既に『防風森』になっている『防風林』の前でお出迎えです。
ヘテさんと、商人らしきおじさん達が降りてくる。
その中、最後尾のラクク車からミミリーさんが降りてきたのだが…………はい?
彼女の後から降りてきた少女を見て………僕は絶句をしてしまう。
何故……何故に彼女がここに居るんだ?
少女は僕を見つけると走り出し抱きついてくる。
それを見た桜花さんとカリンちゃんからブーイングが起こるけど、僕はそれに構うことができないでいる。
「キャス!?」
「お兄様……会いたかったです」
僕が彼女……妹の名を口ずさむと、妹……キャサリンことキャスが抱きついたまま僕を見上げる。
その両眼には涙が浮かんでいるのだった。
▼▼▼
商会との打ち合わせどころではなかった……。
とりあえず、全員を屋敷へ案内し休憩を取ってもらう。
僕はキャスを執務室へ連れていくと、何故ここにいるかの話を聞き出した。
キャスは……僕の膝の上に座る桜花さんを訝しげに見た後、話しを始めた。
………。
…………。
……………うん。
………先日12歳になった下の双子の兄妹……兄アークと妹キャサリン。
スキル授与式でそれぞれ授かったのは……アークが〝槍聖〟でキャサリンが〝養蜂〟だった。
それだけで……納得ができた……。
あいつらは、戦闘系スキルを授かったアークだけを手元に置き、内政でも戦闘でも役に立たないと思われた……妹を……僕同様に捨てたのだ……。
その後、キャスは僕の噂を聞いて此処を目指したそうだ。
だけど王城から碌に出たことのない12歳の少女。
『交路のオアシス』で路銀がつき行き当たってしまった。
そんな時、ミミリーさんと知り合い、助けてもらったとか……。
妹が僕を頼って一人でここまで来た……。
どんだけ大変だったか……クソッ!!
〝バン!!〟
怒りのまま執務用のテーブルを殴りつける。
はねたペンが転がり……床へと落ちる。
〝ポンポン〟
っと、頭を優しく叩かれてハッとする。
桜花さんが笑顔でこちらを見てくる。
しばし、見つめ合ってしまう……。
「お兄様……」
よっぽど怖い顔をしていたのだろう………キャスも若干、引いている。
2人にゴメンと謝り、キャスにはここに住むことにしてもらった。
それでも……元実家への怒りは治らない……なんとか顔に出さないように努力をする。
「〝養蜂〟………蜂蜜………ジュルリ……。」
そんな僕の横で慌てて涎を拭う桜花さん。
僕はそれさえも相手にできないくらい余裕がなくしていたのだった。
《備考》
オアシス生活366日目 6
※追放から384日
・『忘れられたオアシス』住人
▶︎ユーラ ▶︎桜花さん
▶︎キャサリン ▶︎ルーディア
▶︎フクロウ族 9人
▶︎人夫達家族(4家族)14人
▶︎冒険者 8人
▶︎(仮)ヘテ+商人+人夫 25人
・植林の内訳
合計植林 2972本(2972/5120)
【忘れられたオアシス】2696本
▶︎桜 1本 ▶︎りんご 100本
▶︎梨 43本 ▶︎カカオ 20本
▶︎桃 43本 ▶︎茶の木 43本
▶︎柚子 43本 ▶︎みかん 20本
▶︎山椒 43本 ▶︎クローブ 20本
▶︎グミ 20本 ▶︎オリーブ 43本
▶︎ビワ 20本 ▶︎ナツメグ 43本
▶︎アボカド 20本 ▶︎シナモン 43本
▶︎コーヒー 20本
▶︎ナツメヤシ 20本
▶︎アーモンド 20本
▶︎ブルーベリー 20本
▶︎サトウカエデ 20本
▶︎グレープフルーツ 20本
▶︎葡萄(甲州) 100本
▶︎楢の木 100本
▶︎城(ベンガルボダイジュ)900本
▶︎防風林(ポプラ) 691本
▶︎生垣(セイヨウヒイラギ)90本
▶︎労働力(椚木) 50本
▶︎護衛隊(ハナミズキ) 80本
【常夜の森】276本(自然樹のトレント化を含むと561本)
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