第73話 一年が経ったのです。
おはようございます。
『来年のことを言えば鬼が笑う』と言う諺があります。
意味は「将来のことはわからないのだから、あれこれ言っても意味がない。 予測できない未来のことを言うと、鬼がバカにして笑う」というものです。
一年前の今日………スキルをもらう前の僕は、両親に英雄になる話をしていました。
そのせいで鬼が笑ったのでしょう。
今の状況になると微塵も思っていませんでした。
オアシス生活343日目。
追放されて361日……マルクス王国から追放されて1年。
僕は13歳になりました……時が経つのは本当に早いです……。
住人の皆さんがお祝いをしてくれました。
とても嬉しいです。
「おめでとうなのじゃ」
「おにーちゃん、おめでとう！」
そう言って、桜花さんとカリンちゃんが作ってくれた花冠を頭に乗せてくれる。
そして……いつも以上に豪華な食事に舌鼓を打つ。
王城で家族に祝われていた時よりも幸せを感じるのはなぜでしょう………？
きっと、みんなが僕の家族になった………これ以上は恥ずかしいですね。
本当に最初はどうなるかと思いました……桜花さんはいましたが、その時はまだ木で僕1人……。
野垂れ死ぬか……気が変になっていたかもしれません………。
おっと……しんみりしすぎました。
振り返るより前を見ましょう。
とりあえず……酒造りの準備が着々と進んでいます。
葡萄も豊作。りんごも豊作。
ウハウハです。
他の家族の大人達も……目つきがギラギラしながら果実を見ている。
正直怖い………そんな大人の中に……桜花さんが混じっているのはいかがなもんだか……。
っで……問題です。
誕生日の日に発覚です………。
鬼が笑いました………。
これからできるお酒を夢見て………誕生日パーティーでお酒を飲みながらみんなで皮算用をしていた時です。
来年は自家製のお酒で乾杯だぁ〜！！
なんって言って、盛り上がっていたのですが………ルーディアさんが爆弾の一言。
「あ……あの………樽がないんですけど………」
樽？………とは？ あ、はい。
ワイン、シードルを発酵用の樽………熟成用の樽………。
なんですか………それ？
すみません。流石にお酒の作り方は知りませんでした。
何が必要ですか？ 木材？
オーク材………楢の木………オッツ……明日から植えますね。
なので、皆さん……酒造りはもう少しお待ちください………。
そんなにあからさまにしょげなくても……。
次のヘテさん来訪の時に持ってきてもらえるように頼んであるから……
なにはともあれ誕生日！！ カンパーイ！！
《備考》
オアシス生活343日目
※追放から361日
・『忘れられたオアシス』住人
▶︎ユーラ
▶︎桜花さん
▶︎ルーディア
▶︎フクロウ族 9人
▶︎人夫達家族（4家族） 14人
▶︎冒険者8人
・植林の内訳
合計植林 2627本（2627/5120）
【忘れられたオアシス】2351本
▶︎桜 1本 ▶︎りんご 50本
▶︎梨 43本 ▶︎カカオ 20本
▶︎桃 43本 ▶︎茶の木 43本
▶︎柚子 43本 ▶︎みかん 20本
▶︎山椒 43本 ▶︎クローブ 20本
▶︎グミ 20本 ▶︎オリーブ 43本
▶︎ビワ 20本 ▶︎ナツメグ 43本
▶︎アボカド 20本 ▶︎シナモン 43本
▶︎コーヒー 20本
▶︎ナツメヤシ 20本
▶︎アーモンド 20本
▶︎ブルーベリー 20本
▶︎サトウカエデ 10本
▶︎グレープフルーツ 10本
▶︎葡萄（甲州） 100本
▶︎城（ベンガルボダイジュ）840本
▶︎防風林（ポプラ） 606本
▶︎生垣（セイヨウヒイラギ）90本
▶︎労働力（椚木） 30 本
▶︎護衛隊（ハナミズキ） 70本
【常夜の森】276本（自然樹のトレント化を含むと561本）
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同瀬馬野抱枕
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