閑話:第9話 それ行け! 僕らの桜花さん!!②


暇じゃ〜暇なのじゃ〜。


あやつユーラが、この国の貴族になってから……暇でしょうがないのじゃ……。

朝起きたと思ったら、あやつは呼び出されて、帰ってくるのは夜遅く……。

せっかく家名を決めてやったのに……妾の相手をしない。


まったく……まったくなのじゃ!!


無駄に大きい屋敷王城の一部屋で、妾はぶーたれる。

料理も……うまい……お茶も………うまい。

も、文句はない……っが、寂しいのじゃ……ひとりぼっちは………。


〝バン!!!〟


勢いよくドアが開くと……ユーラが立っていた。

妾は走りだし、抱きつく……が、すぐに離れる。


ゴホン!!

妾はユーラの姉にして母親………はしたない姿は見せられない……。


どうしたのじゃ? ユーラよ。


何? 何何??


時間ができたから、妾と王都を巡りたい??


そうじゃの………わ、妾も時間を持て余していた………いや! 暇してたわけではないのじゃ。

思ったより、仕事が早く終わった……みたいな……?


って、出て行こうとするな!!

お主のお願いどおり、一緒に王都めぐr………視察をしても良いのじゃ……。


う、うん。

すぐ準備するのじゃ……しばし待つのじゃ………!!


▼▼▼


王都は活気がすごいのじゃ。

ユーラが迷子になるといけないので、仕方なくこやつに抱き抱えられている。


最初はどうするのじゃ?

ふむふむ………なっ! アイスクリームの屋台だと!!

それはすぐに向かわなければ!!



列に並び、妾達の順番が来る。

可愛い姉弟??

そう見えるか?


おっ、2段で頼んだアイスを、おまけで3段にしてくれるじゃと!!

こやつ店主空気が読める……なに!? 可愛いへのおまけ!?


こやつは何を言っている!?

妾がこやつの姉で母親なんだ……ってなんだその目は!!


はいはい。わかってるよ。そういう年頃なんだよね………ってなんじゃ!!


妾はこやつユーラの保護者じゃ!!

「はいはい」ではない!! 全くわかってないのじゃ!!


アイスが美味しくなければ……ドロップキックをかましているところじゃったぞ!!



まったく……まったく……


プリプリ怒っていると、ユーラが頭を撫でてきた。

こやつはナデナデは本当にうまい。


ナデナデを堪能していると、今度は大きな鶏肉を揚げた屋台に来た。

前回来た時にユーラが目をつけていたらしい。


早速並ぶとすぐに順番が来る。

2枚おくれ………なに?

1枚を2人で分けろ?


妾もユーラも一枚なんてぺろりと食べれ………幼女には無理!? 誰が幼女じゃ!!

妾はこやつの保護者で………プレイ?……なんじゃプレイとは!?


ユーラ言い返すのじゃ!!

って、一生懸命説明しても、屋台のクソジジイの目が生暖かい。


結局一枚を2人で分けた………グヌヌヌヌ……解せぬ……。

いや、待て! 一つを半分個……恋人みたいなのじゃ。

グフュフュフュ。


結局、その後も妾たちは可愛い兄妹としか見てもらえなかったのだった。


知ってると思うけど言っておく……妾が姉で母で保護者でなのじゃ!!

間違えてはいけないのじゃ!!

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