第62話 帰省するのです。


おはようございます。

『立つ鳥跡を濁さず。』と言いますが……ベンガルボダイジュを〝植林〟していたところが綺麗な更地になっています。

今は綺麗な草原です。これなら、新しい木々も育つでしょう。



旅生活138日目

エルフの村に来て3ヶ月……新〝聖樹〟様も健やかに育ち、村の結界も強化されたので、流石にやることがなくなりました。

本日、エルフの村を後にします。


エルフ達代表と別れの挨拶をし、色々とお土産をもらっての出発。

最初に向けられた忌避感もだいぶと緩まった。

僕たちは、ベンガルボダイジュの巨大ガメのガルボちゃんに乗り込む。


ガルボちゃん……桜花さんがベンダイジュから名付けた。

ガルボちゃんも嬉しそうに喜んでいるので結構なことだ。


さて、旅の間に増えたトレントさん達も、ガルボちゃんも腹の中や甲羅?の上に乗り込む。


僕たちも各々使う部屋を決め、好きに模様替えをした。

僕は頂上の一番広い部屋……まるで王様になったようだ。


でだ……。

……………。

………………ルーディアは何故に部屋を選んでいるんだい?


なになに? はい!? 『忘れられたオアシス』についてくる?

なぜに? エルフの村の危機が去った……から、しばらく自由にしていいって言われた………はぁ……そうですか。


まぁ、部屋はいっぱい空いてるからいいけど……。



そして出発。

ゆっくりとガルボちゃんが歩き出す。


〝ズシン! ズシン!〟


大きな音を立てて歩くが、ここまで衝撃が来ない。

うまい具合に衝撃を吸収してくれているようだ。

うちのトレントさん達……素晴らしいね。


僕たちは思い思い自由行動をする。

僕は、自分の部屋の窓際に座り、流れる外の景色を見るのが気に入っていた。

クルージングに出たみたいで楽しい。


そんな僕の膝には桜花さんが座っている。


ここ最近の桜花さん……たまによそ見をしながら「ウヌヌヌヌヌ」っと唸ることが増えた。

どうしたの? って聞いても、また今度説明すると言って教えてくれない。

無理に聞きことでもないと思い放置。


出発から8日後、予定よりも早くガーラン王国王都が見えてきたのだ。


流石にいきなりは近づかない。

このまま近づけばパニックになるのが目に見えているから。

ミミリーさんの商隊の何人かが説明しに行ってくれた。


次の日に王都へ近づく許可が降りた。

ガルボちゃんを王都の目の前で止めるて、王都へ降りるとまたしても王族一家とヘテさんが出迎えに来ていた。

相変わらず……フットワーク軽いなここの王族は……。


僕たちは一同、膝を着き頭を下げて国王陛下へ挨拶をする。

そんな中、真っ先に口を開いたのは第2王子バカ2号だった。



「気に入った!! この巨大ガメを私のものにする!!」



…………第1王女と第2王女がすごい顔で、第2王子を見ている……。

国王、王妃、第1王子に関して、無視を決め込んでいる。


一帯を静寂が流れる。

気がつくと……全員が僕を見ている……えっ、僕がなんとかするの?



「えっと………流石に差し上げられません。僕と桜花さんの命令しか聞かないので………。」


「ならば! 私もこの巨大ガメの屋敷に住む!!」


「「「…………………。」」」



またしても沈黙………。

ヘテさんが慌てて、バカ第2王子と僕の間に入る。



「ユーラ殿もお疲れでしょう。今晩は王宮に部屋をとっているのでそちらでお休みください」



そう言って、行きと同様に城へと案内されるのだった。



《備考》

旅生活 146日目(オアシス生活284日目)

※追放から302日

・『常夜の森』派遣隊

   ▶︎ユーラ

   ▶︎桜花さん

   ▶︎ルーディア

   ▶︎ミミリー商隊 12人


・『忘れられたオアシス』住人

   ▶︎フクロウ族 9人


・植林の内訳

  合計植林 2039本(2039/2560)99

  【派遣隊】合計983本

   ▶︎桜     1本  ▶︎梨    33本

   ▶︎桃     33本 ▶︎山椒   33本

   ▶︎茶の木   33本 ▶︎柚子   33本

   ▶︎ナツメグ  33本

   ▶︎オリーブ  33本

   ▶︎シナモン  33本

   ▶︎ハナミズキ 70本

   ▶︎ベンガルボダイジュ 648本

 

  【常夜の森】561本(経験値分276本)

   ▶︎聖樹  1本

   ▶︎結界樹 275本

   ▶︎結界樹(トレント化)285本


  【忘れられたオアシス】合計780本


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             同瀬馬野抱枕

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