閑話:第7話 それ行け! 僕らのガンラさん!!③

※本日3話投稿します。

※物語には直接関係ない話です。飛ばしてもらっても問題ありません。



まさか、こんな時に凶賊が襲ってくるとは……。


私を含めた冒険者8人と、オアシスを任されているフクロウ族の男5人が『防風林』の外へ向かう。

しかし、ユーラ殿が言っていた『防風林』とはどう言う意味なのだろう?


オホン……今はそれどころではない。

特に果物を食べる邪魔をされた女冒険者2人の目つきがやばい。



「ガンラさん! 殺っちゃって良いですよね?」

「刻んでやる……刻んでやる………刻んでやる!!」



既に武器を構えて、殺るつもりでいる………正直、そばに立っているのも怖い。


遠くから、砂埃を上げた一団が迫ってくる。

結構な数だ……20人はいるだろう。

数では負けているが………気合いは……遥かにこちらが勝っているだろう。


凶賊の一団が草原と砂漠の境で止まると、リーダーと思わしき男が1人出てくる。



「今日からここは! 我々、ゴールデンバルチャーが支配する!! 速やかに武器を捨てろ!!」



そう叫ぶと、後ろに待機していた凶賊達も武器を構える。


どうするべきか……私はそっと、フクロウ族の代表に視線を向ける。

お互いの目が合う。

頷くフクロウ族の代表………あれは、覚悟を決めた男の眼だ!!

私は死ぬかもしれないと覚悟を決めて頷き返した。


父さん……言うことを聞かなかった私を許してください………。


そう考えていたその瞬間…………フクロウ族の代表が叫んだ。



「ポプラの皆さん! よろしくお願いします!」


〝〝〝〝〝〝ズボ!〟〟〟〟〟〟


その瞬間………場違いなほど間抜けな音と共に、地面揺れが起こる。

皆が立っているのも危うくなる。


私は〝バッ!!〟っと音がする方へ振り向くと………無数のトレント達が地面から這い出て歩き出していた。

そして私たちと凶賊の間に立ち並ぶ。


あまりのできごとに、凶賊達は踵を返して逃げ出した。


それを見たトレント達が走り出す。



〝ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!〟



轟音と舞う土煙。

一歩の大きいトレントの前に、ラククの走る速度など………羽虫のようだった。

踏み潰され、吹き飛ばされる凶賊………。

哀れなすぎて言葉も出ない。


私は……私たちは唖然とするしかなかった……。


………。

…………。

……………「果物を食べに戻ろうか?」


「そうだね。早く続きを食べよう」



女冒険者2人が踵を返して戻り出す。

それに続くように戻り始める冒険者とフクロウ族の男達。


私も仕方なくそれについて行く。

哀れな凶賊は………存在すら瞬殺で忘れられたのだった………。


……。

………。

…………一息ついたら……婚約者ミミリーを追いかけるとするか………。


私は脱力したまま呟く……。


私の旅はまだまだ続く………のか?


⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘ ⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

 いつも読んでいただきありがとうございます。

 少しづつですが修正を入れています。

 今後ともよろしくお願いします。

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             同瀬馬野抱枕

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