第42話 激おこなのです。


さて、桜花さん(人)との一通りの茶番も済んだのでエルフさんの話を聞きましょう。


ふむふむ。なるほど。


要点をまとめる前に、この大陸の地理を説明しましょう。


僕が今いるのが〝砂漠の国〟ガーラン王国。大陸の南側に存在している。

この国の北側に接しているのが、僕の出身国〝剣の国〟マルクス王国。

そして、両国の一部西側で接しているのが〝常世の森〟。

この森は大陸中央に広大に広がり、動物、魔物、亜人達が多く住んでいる。

人種がなかなか手を出せずにいる未開の森なのである。


目の前のエルフさん。

その〝常夜の森〟からいらっしゃったそうです。


エルフさん達は、〝常夜の森〟でも中層あたりに国……というよりは大きい集落を構えているとか。


そんな〝常夜の森〟………最近、開拓が酷いらしい。

各国の領土拡大のためだ。

なんでも、高性能な魔物避け薬が開発されたらしく………伐採時に魔物に襲われなくなり、伐採の速度が加速しているそうだ。

それはそれは……酷いぐらい……。

しかも、接しているのが国全てが伐採を行っているとか。


そのため、多くの動物や魔物が中層以降へ追いやられているらしく、エルフの集落にも影響が出てきているらしい。


また、何かしらの理由で森の力が弱くなり始め、エルフの集落を守っている結界が弱まったとか。

そのせいで里に魔獣が入り、森の恵みを採取している子ども達に怪我人が出ているらしい………。



激おこです。

激おこなのです。

そう、僕は激おこプンプンなのです!!


その話を聞いた僕は居ても立っても居られなくなりました。

これも、〝植林〟スキルのせいなのか……。

気持ちがムカムカ、プンプンしてくるのです。


開拓したいのはわかるが……私利私欲のためなのがちょっと許せない………。


今度の和平会談の時に、少し言ってやろう。

うん。そうしよう。


少し脱線したので方向修正……。


エルフの皆さん、弱った結界をどうにかしたく試行錯誤していたそうだ。

そんな時、エルフの巫女さんに聖樹の神託が降りたそうだ。


〝遥か東の砂漠の地に精霊王と同等の妖精が降り立った。その者に頼ればどうにかしてくれるであろう。〟


それで、目の前のエルフさん……今更だけど名前はルーディアさんって言うんだけど。

彼女が代表として、ここに来たとのこと。

そして、そのルーディアさん………神託を受けた巫女さん本人らしい。

そんな彼女は。周囲の反対を押し切り直接ここに向かったんだそうだ。


ただ、ここに辿り着いたのは良いが、はじめての砂漠超えに……瀕死の状態になってしまったそうだ。

本当に運が良かった。


とりあえず状況を理解したので、ルーディアさんには休んでもうことになった。

僕自身、エルフの集落には行ってもいいが今は無理だ。

バカ二人を迎えなければならないから。


全ては和平会談が終わってからだ……。


今日はそのまま解散とする。

話の続きはルーディアさんが元気になってから。

僕達は日常業務へと戻るのだった。



《備考》

・『忘れられたオアシス』住人

   ▶︎ユーラ

   ▶︎桜花さん(人)

   ▶︎フクロウ族 9人

   ▶︎ルーディアさん(エルフ)1人

   ▶︎冒険者 5人

   ▶︎(仮)ミミリー商隊 12人


・植林の内訳

 オアシス生活116日目

  合計植林 612本(612/640)21

   ▶︎桜    1本 ▶︎りんご   5本

   ▶︎梨    5本 ▶︎カカオ   5本

   ▶︎桃    5本 ▶︎茶の木   5本

   ▶︎柚子   5本 ▶︎みかん   6本

   ▶︎山椒   5本 ▶︎クローブ  5本

   ▶︎グミ   5本 ▶︎オリーブ  5本

   ▶︎ビワ   6本 ▶︎ナツメグ  5本

   ▶︎アボカド 5本 ▶︎シナモン  5本

   ▶︎コーヒー 6本

   ▶︎ナツメヤシ    7本

   ▶︎アーモンド    5本

   ▶︎ブルーベリー   5本

   ▶︎サトウカエデ   5本

   ▶︎グレープフルーツ 5本

   

   ▶︎防風林(ポプラ)

      第一陣:130本(完成)

      第二陣:140本(完成)

      第三陣:180本(完成)


   ▶︎生垣(セイヨウヒイラギ)

      北東側:21本


   ▶︎労働力 椚木隊:30

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