第39話 大物が来たのです。①


傷まないで〜ぼく〜の頭〜♫ 二日酔いのぼく〜の頬に〜♫

こんなにも〜やさ〜しく♫  涙〜が流れて〜♫


おはようございます。

お酒に関して……反省という言葉を持ち合わせていない僕は………元王子のユーラです。


オアシス生活113日目。

ミミリーさんの来訪歓迎と、大物が来るという現実逃避の為、お酒を飲みすぎました。


………ウップ…………


前世の記憶が確かだったら……ラノベの転生者って……酒強いか……回復魔法で二日酔いを治すのに………。

そんなスキルも人材もないよ!!


あぁ〜頭痛い。


とりあえず、桜花さんへ挨拶とお祈り……

フラフラとテントを出て…………


目が合う……桜花さんのそばに立つ裸の少女? 幼女?と………。


……。

………。

…………だれ?


ってか、なんで裸!?

やばい! ミミリーさん達に見つかったら……捕まる!!


この世界……この国のロリコンって……懲役? 強制労働? 斬首? 絞首刑?

これは非常にまずい!!


急いでテントに戻り、僕の服を……くんかくんか……はい。臭くないよ!

急いで幼女に渡す。

幼女は服を受け取ると着込むが、大きさが合わずダボダボしている。


…………ぐぬぬぬぬ………可愛い………萌え袖最高!


ゲフンゲフン!!


さて、お嬢さん。

君は誰だい?

ギュフフフ……優しいおじ……お兄さんに教えてくれないかな?


こらこら、僕が怪しいからって……そんな目はいけないな〜。

美味しい果物でもあげよう〜。


………。

…………。

……………はい。ごめんなさい。


僕の腰くらいの背。

そんな幼女からなの……視線が厳しすぎます……。



「ゴホン。冗談はさておき……君は誰だい?」


「なんじゃ。妾のことがわからんのか? つれないやつなのじゃ」



えっと……う〜んっと………すみません。わかりません。

僕の知り合いに〝のじゃ〟幼女はいません。


頭をかしげていると、幼女はクスクスと笑いながら答えを教えてくれた。



「桜花じゃよ」


「……はい?」


「だから、桜花じゃ」


「………桜花さん?」


「そうじゃ」


「……………いやいや……」


「いやいやじゃない。本当に桜花じゃ」


「……………またまた……」


「またまたじゃない! 妾は本当に桜花じゃ!!」


「……………………」


「……………………」



僕は一回大きく息を吐くと、全力で息を吸う。



「すぅーーーーーー、うそだーーー!! 僕の桜花さんは可憐美少女なんだーーー!! 〝のじゃ〟幼女なんかじゃなーーーーーい!! ボンキュボンのお姉様的少女!! ひ、百歩譲ってそ、そうじゃなかったら! 超絶包容力の巨乳ママさんなんだ!! こんな……こんな! ちんちくり………」


〝ドゴン!!〟



お腹にとてつもない衝撃を受け宙を舞う僕。

世界がくるくると回る……。


あぁ〜今日も……空があおい…………。


〝バシャン!!〟


綺麗に泉に着水。


〝ブクブクブクブク〟


そのまま泉に沈み………僕は気を失ったのだった。



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             同瀬馬野抱枕

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